連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第22週/土曜日版・2022/9/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第22週『豚とニガナは海を越えて』の「土曜日版」の感想。
※ 本作は、2022年8月31日、NHK東京放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
暢子(黒島結菜)の沖縄料理店「ちむどんどん」がオープンして3か月。大盛況だったのは最初だけで、その後は客が減る一方。なんとか客を呼び込もうと、暢子はチラシを配ったり、二ツ橋(髙嶋政伸)に相談したりするのだが…。一方、賢秀(竜星 涼)と寛大(中原丈雄)は、言い争いの末家を飛び出した清恵(佐津川愛美)を探しに、東京へ出てきて…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18,22週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16,20週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11,21週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
内田貴史(過去作/「なつぞら」助監督) 第22週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
冒頭から、ナレーション原稿が超好意的すぎる!
もしかすると、先週は「土曜日版」の感想をお休みしたので、がっかりさせた上に「第22週も無いかな?」と思われた読者様もいらっしゃるかもしれないので、今回はガッツリ目に書いてみようと思います。
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
冒頭から、ナレーション原稿を書いている人も、先日の『あさイチ「プレミアムトーク 黒島結菜さん」』に称賛のコメントを寄せた “#ちむどんどんを応援します” 派の人たちのように、好意的な解釈が好きなようだ。
N「なぜかお客さんは まるで入らず 悪戦苦闘が続き
近頃は 食欲までなくなってしまいました」
今作が “普通のドラマ” であるなら、冒頭のナレーションは納得できる。
しかし、ちゃんと本編の映像を見て解釈している人なら、“お客さんが まるで入らず” の原因は、主人公・暢子(黒島結菜)の “準備不足と自信過剰” としか見えていないし。
“食欲までなくなって” の原因は、店の経営が傾いていることなのか、妊娠しているからなのかも、おぼろげ過ぎて良くわからない。
暢子が妊娠していることを印象付ける描写が少なすぎる!
そもそもの話、暢子が妊娠していることを視聴者に印象付ける描写(台詞、エピソード、映像)が著しく少な過ぎるのだ。
この「土曜日版」なんて、むしろ強調しないように映像を編集しているようにしか見えない。
だって、お腹の大きな暢子がフルショット(全身)が映っていたのは、冒頭のビラ配りのシーンだけ。
あとは、椅子に座っているか、家具や厨房用品で隠れている。
そう、まず、絶対数として「妊娠中に見える視覚情報」が少ないから、妊娠しているように見えないのだ。
暢子の周囲のキャラたちの"妊娠への気遣い"も極端に少ない
もう一つは、暢子の周囲の登場人物たちの “気遣い” も極端に少ない。
「土曜日版」にもかろうじて残っていたカットとしても、重子(鈴木保奈美)が暢子のお腹に触った一瞬くらいだ。
また矢作(井之脇海)については、「土曜日版」では直接的なカットされていたが、それでも残っていた台詞の中に “気遣い” を感じるものもあった。
しかし、あとは、「房子の帰国を祝う会」だって暢子の妊娠は “ほぼ無視” だし、実妹の歌子(上白石萌歌)も、幼馴染の智(前田公輝)、果ては夫の和彦(宮沢氷魚)、それを言ったら、母・優子(仲間由紀恵)、兄の賢秀(竜星涼)、姉の良子(川口春奈)だって前述の重子より肉親の方が “暢子の妊娠” を意識していないように見えてしまう。
誤解を招かないように書いておくが、私はこれ見よがしに “妊娠” だ “身重” だと強調して、ちやほや描け! なんて思っちゃいない。
ただ、前回の提案に続いて書くなら、暢子がお腹をさする動作や妊婦らしい立ち居振る舞いをしなくても、周囲の “気遣い” を描くだけで暢子が妊婦に見えるから、やっておいて損はない… と思うだけ。
だって、言っちゃ悪いが、暢子自身が “お腹の子” を気遣っているように、黒島結菜さんが演じていないのだから(汗)
まあ、倉科カナさん、土屋太鳳さん、二階堂ふみさんら朝ドラヒロインを数多く輩出している所属事務所「ソニー・ミュージックアーティスツ」が、今年10月期のTBS新ドラマ『クロサギ』で2006年版で堀北真希さんが演じたヒロイン・吉川氷柱 役をやるから、妊婦のイメージがつくのを嫌がった可能性はあるが…(困)
なぜ暢子は頑なに専門家の意見に耳を傾けようとしないのか
本題である、今週の内容について掘り下げてみる。
まあ、当ブログの感想を毎回読んでくださっている読者様ならおわかりだと思うが…
このドラマが最も “普通でない” のは、店を立て直す試行錯誤や悪戦苦闘にしても店の再開にしても、主人公が “その道のプロ” や “その道の経験者” の意見を聞こうとしないこと、これに尽きる。
確かに、私は “ブレークスルー(障壁を突破)” する能力に長けた朝ドラのヒロインは好きだ。
そして、「女一代記」的なストーリーが多い朝ドラにおいては、少なくともヒロインの問題解決能力が強くないと面白くない。
要するに、風見鶏的な人の顔色ばかりうかがって行動するようなヒロインは魅力に乏しいということ。
ただこれは、ヒロインが何でもかんでも自己解決すれば良い… のとは違う。
自分にない能力を仲間たちに求めて協力し合うことも、また “ブレークスルー” であり、脇役と主人公の関係性として大切な要素なのだ。
暢子は自分に否定的な意見を言いそうな人に協力を求めない
しかし、暢子は、後者の “自分にない能力を仲間たちに求めて協力し合うこと” が大の苦手なキャラ。
いや、正確に言うなら、自分に否定的な意見を言いそうな人には協力を求めないようなところがあるってこと。
例えば、沖縄料理のことなら「あまゆ」の順次(志ぃさー)とトミ(しるさ)、料理上手な三郎(片岡鶴太郎)の妻・多江(長野里美)に聞けば良い。
運転資金など店の経営については信用金庫が雑な対応しかしないようなら、区役所の商工振興課に行くとか、それこそ全く登場しない商店街会長さんに相談するとか。
いくらナレーションで「悪戦苦闘」と言ったところで、そもそも「房子の帰国を祝う会」や「試食会」にしても、メンバーたちは暢子のやることに対して “熱烈な支持者” だから優しい物言いしかしないわけで。
それを見せられても “死にものぐるいの苦しい戦い” をしているようには見えないと思う。
まあ、ここで新キャラクターを登場させるのも難しいだろうから、もっと商店街との関係性を描いておくべきだったかもしれない…
暢子が重子に "仕返し" をしているように見えたシーン
そして最後に、本放送の時には「土曜日版を見てから書こう」とあえて言及しなかったことを書いて締めようと思う。
それは、敢えてデフォルメして表現すると、暢子が重子に “仕返し” をしているように見えたシーンのこと。
そう、重子と青柳家の家政婦・波子(円城寺あや)が暢子に重箱の料理を持参した時の暢子の反応と、母姉が重箱の料理を持って来た時の反応の違いだ。
本編も「土曜日版」もそうだったが、重子たちが持って来た弁当に暢子は手を付けていないし、食べるカットも無い。
一方の母姉が持って来た弁当はおいしそうにみんなで食べている。
これ、演出家が重子の演説をやりたくてしょうがないから、そっちに注力し過ぎて描き忘れたか、重要性を認識していなかったと思っているが、やはり1カットで良いから「食べながら重子の演説を聞く」があって良かったと思う。
無いから、先日の料理の味の変化を指摘した重子と波子に “恨みを果たす” ように感じてしまう。
もちろん、私の見方が細かすぎるのは自覚しているが、これは粗探しでも重隅突きでもなく、暢子というキャラクターの “相手への気持ち” の表現の大切な要素だから、視聴者やはたまた脚本家が気づかなくても、演出家は気づいて描くべきこと。
まあ、今週の演出担当に求めること自体が “そもそも” 無理なことだと思うが…
あとがき(その1)
「予告編」の内容には触れませんが、サブタイトルは『にんじんしりしりーは突然に』で。
恐らく、1991年発売の小田和正さんのシングル『ラブ・ストーリーは突然に』にインスパイヤされた副題だと思いますが。
あとがき(その2)
更に脱線して、『ラブ・ストーリーは突然に』のシングルCDのジャケットはこんな感じですよね。
これは、シングルCD『Oh! Yeah!』のカップリング曲だったので、小田さんが「Oh! Yeah!」と驚いてのけぞっているイメージだそうです。
あとがき(その3)
さて、『ちむどんどん』に戻しますと、本編(「土曜日版」も)の終盤に既に「にんじんしりしりー」は登場していましたよね。
これって、どういうこと?
もしかして、私たちが金曜日に「Oh! Yeah!」と驚いてのけぞっているかも?(笑)
さあ、残り3週間、とにかく共に歴史に残る迷作をリアルで体験しましょう!
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
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