連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第105回・2022/9/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第105回〔全125回〕/第21週『君と僕のイナムドゥチ』の感想。
※ 本作は、2022年8月31日、NHK東京放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
暢子(黒島結菜)の沖縄料理店『ちむどんどん』がついにオープン。矢作(井之脇海)、歌子(上白石萌歌)が良く働き、店は入れ替わり立ち代わりの大賑わい。さらに雑誌に取り上げられ、暢子は「お客さんがまた増える」と喜ぶ。和彦(宮沢氷魚)の母・重子(鈴木保奈美)も店を訪れてくれる。その頃、沖縄やんばるでは、良子(川口春奈)が取り組む『うまんちゅ給食』が2度目の挑戦を迎える。給食室には強力な助っ人が登場する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16,20週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11,21週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
ナント、"秒" で「開店初日」が終わっちゃった!
昨日は読者の皆さまに台風接近による “気象痛=低気圧不調” でご心配をおかけしました。
今日は持病の坐骨神経痛が疼いているだけなので、がっつり書きますよ。
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
とにかく、最近の若者の言葉を借りれば “秒” で「開店初日」が終わっちゃった。
何せ、Maji で主人公が椅子に座って一息つくシーンまで “53秒” だから(広末涼子「MajiでKoiする5秒前」より)
前回の感想を読んでくださった読者さまなら、「だったら、昨日みっきーが言ったように作っておけば良かったんじゃないの!?」と思っていただけたかも知れない。
とにかく、今回の “秒” を見て感じたのは、あの~~~、「店が大繁盛」程度も演出できないの? これに尽きる。
援護するつもりはないが、これは脚本ではなく演出家の演出力不足に他ならない。
こんなの"演出"でなく、ただの"ト書きの映像化"に過ぎない
前回で書いた「初日から繁盛しているように見せる演出」に書かなかったことを書いてみる。
当ブログで演出に興味を持っていただけている人なら、とっくに気づいたとは思うが。
脚本に書かれた要素を整理すると、「大繁盛」、「相席」、「和彦と智も店を手伝う」、「料理が山(売り切れ)」の4つで、演出家はそれらを単純に映像化しただけ。
こんなの私にいわせりゃ “演出” ではない、ただの “ト書きの映像化” に過ぎない。
では、本来の “演出” はどうやるべきだったのか?
もちろん、ビラ配りや客寄せの呼び込みなんて、やっているのが当然として。
まず簡単なのは通行人を増やす。
そして、その通行人たちが「ちむどんどん」のにぎわう店内をのぞき込んで、噂話をしながら通り過ぎる。
更に店先にオープン席があるのだから、そこでも飲食させるか、せめて順番待ちの客を配置する。
いや、むしろ、店内は県人会以外の人で満席にして、テラス席で「まだ入れないの~」と愚痴って待つ若い衆に三郎(片岡鶴太郎)が「うるせえな、だったら “あまゆ” にでも行くか」、「え~っ、会長それは無いっすよ」ではないのか?
初日から房子(原田美枝子)が言った…「知らないお客様だけでお店が満席状態なのはは不自然では?」と思うかもしれない。
しかし、開店初日だからこそ「知らないお客様だけでお店が満席」ができるのだ。
そして、次第に “祭りのあと” になって… これが普通の “ドラマ” がやることだと思う。
身重の妻・暢子を労う夫・和彦の態度に引っ掛かって…
一度気になっちゃうと気になったのが、店を閉めて人引きついているところに、和彦(宮沢氷魚)がタイ焼きを買ってきて、暢子(黒島結菜)に自分の書いた記事を見せるシーン。
単純に「今日は頑張ったね、早く休んだ方が良いよ」ではないのか?
それこそ、和彦がお茶を入れて、事前に買っておいたタイ焼きを出しても良いくらいだ。
これ、偏見なのを承知で書くが、和彦は自分の記事が載って “機嫌が良いから” 店を手伝ったり、タイ焼きを買ってきたように見えてしまった。
それに、物語の流れとして “タイ焼き” を食べて「おいしい」ではなく、それこそ “店のあまりもの” とか、作り置いた “サーターアンダーギー” を食べて「おいしい」だと思うが…
だって、沖縄料理がテーマの “ドラマ” なのだから(失笑)
ホント、撮影現場で演出家が “タイ焼き” を “サーターアンダギー” に変えるだけじゃないの!
脂っこいなら、だったら最初から押し付けるように毎回お土産に持参するな? ってことだと思う…
「厨房だけ」と言い張っていた矢作が突然のキャラ変!?
さて、本編の感想だ。
キャラクターがブレまくって定まらないのは “今作のお約束” みたいなものだから驚きはしないが…
今回は驚く以前に、キャラクターの人格がほぼ別人として登場した矢作(井之脇海)と優子(仲間由紀恵)を、これまでの二人とどうやって辻褄合わせをしたら良いのか、ホントにわからなくなった。
まずは、矢作。
暢子が “身重” だと今さら気づいたから別人のようになったのか? 暢子の口から房子の名前が出たからトラウマでも思い出して別人になったのか?
これも、普通の “ドラマ” なら “暢子が身重だから” が理由だろうが、だったら前回までの悪態は何だったのか?
百歩譲って全く描かれていない “頑張っている暢子を見て改心した” なら、ナレーションで補強すれば良かったと思う。
だって、あれだけ頑なに「厨房だけ」と言い張っていたのに、配膳だけでなく、雑誌の記事の内容を確認するために “残業” って???
いくら “過程” を描かないにしても、話のつじつまだけは合わせて欲しいが…
良子は、丁寧に「子供たちを話す」すらやってなかったの!?
優子についても、同じことがいえる。
優子が、パペット人形で子供たちに “食育” を教えていた。
「優子は、そんなこともできるのか!?」という不可思議さとは別の “新発見” もある。
それは、安室トメ(安室のおばぁ) 役で、夫・佐藤B作さん率いる東京ヴォードヴィルショーの劇団員である あめくみちこさん以上に、仲間由紀恵さんが、存在感たっぷりに演技できちゃう俳優さんだから気が付いたことだが…
要は、ずっと描いて来た “食育” について、良子(川口春奈)は「食の楽しさを知る」ことすら授業に取り入れていなかったのか? ってこと。
やはり、曲がりなりにも “食育” を描くなら、給食事情の裏側を描くだけでなく、ちゃんと「子供たちを話す」という “過程” を描くべきだったのでは?
もっと開店初日の大盛況を映像で見せるべきだった
他にも、気になる部分はたくさんあるが、粗探しはやめておく。
で、とにかく、赤字に転落するなら余計に… もっと開店初日の大盛況を映像で見せるべきだったと思う。
テラス席もカウンター席にも空きがあって、注文にしても厨房にしても大賑わい&大忙しの雰囲気とはだいぶ違っていた。
もう、前回と今回、いや今週で最もダメな演出だ。
やはり、「姉からの200万円も、信用金庫からの融資も、絶対に返済して見せる」、そして「オーナーに来店してもらうためにおいしい沖縄料理でおもてなす」という、暢子がやるべきことを全力でやっているように見えないのだ。
結局、「うちが作る沖縄料理はみんながおいしいと評価してくれているから」の一点突破の自信過剰による “自尊心” ばかりが鼻について、これっぽっちも「手前味噌ですが…」という “謙虚さ” が感じらない。
「繁盛から赤字」の"結末"ありきで物語を作ったのなら…
先日も書いたが、「何とか開店して当初は繁盛したが、2か月後には赤字に転落」という “結末” ありきで物語を作ったのなら、繁盛と赤字の落差と当時に、主人公とその仲間たちの “真剣さ” をもっと強調すべきだったと思う。
今週の表現では、ただ身内同然の県人会がこぞって集まって、県人会が来なければ閑古鳥が鳴いちゃうようでは「赤字に転落して当然」に見えてしまった。
やはり脚本家が、結末ありきで物語を構成するも、基本的に「騒動至上主義」で騒動に騒動を重ねることしかやっておらず、“過程” をすっ飛ばしてばかりだから、ありきたりな結末だけ見せられたって面白くないのは当然である。
今週だって、暢子が身重ながらも、矢作対応を含めて開店初日を迎えるまでの労苦や、開店当日の必死さ、無事に初日を終えた安堵感、徐々に客足が遠のく様子などが、丁寧に描かれてこそ、「さあ、来週の暢子は、店はどうなる?」と興味がわくわけで。
そこすらできていない時点で、“連ドラ” としても “ドラマ” としても残念ながら成立していないと思う。
あとがき(その1)
冒頭に書きましたが、2022年8月31日、NHK東京放送局で撮影が終了したので、もう編集にしか望みがないため、一番良くて現状維持でしょうね。
あとがき(その2)
そして、遂にこんなネットニュースが出ましたよ。
NHK会長 「ちむどんどん」に「ドラマということでご理解を」さまざま意見噴出で(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
NHK会長ともあるお方に申し上げますが。
「ドラマ」というのは「虚構の中の真実」を観客(視聴者)に提示して “ウソをホントに魅せる” ことでもあるのです。
ですから、謝罪するなら「稚拙な脚本と演出をあと1か月だけお許しください」ですよ。
だって、前述の通り、『ちむどんどん』は既に “ドラマ” として破綻しているわけですから ( ー`дー´)キリッ
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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第13週『黒砂糖のキッス』
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第14週『渚の、魚てんぷら』
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第15週『ウークイの夜』
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第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』
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第17週『あのとき食べたラフテーの』
81 82 83 84 85 土
第18週『しあわせのアンダンスー』
86 87 88 89 90 土
第19週『愛と旅立ちのモーウイ』
91 92 93 94 95 土
第20週『青いパパイアを探しに』
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第21週『君と僕のイナムドゥチ』
101 102 103 104
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