石子と羽男-そんなコトで訴えます?- (第7話・2022/8/26) 感想

TBS系・金曜ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』
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第7話『傷害罪』、ラテ欄『弁護士はスーパーマンじゃない』の感想。
石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は依頼主の車を傷つけた犯人の目撃情報を探す中で、家出や援助交際などで問題視される若者の一団に遭遇。彼らに名刺を渡して聞き込みを行う。そのやりとりを2人の少女・ひな(片岡凜)と美冬(小林星蘭)が見つめていた。やがて、車を傷つけた犯人らしき人物「K」の情報をつかんだ矢先、羽男の携帯電話にひなから助けを求める連絡が。羽男と石子は駆け付けるが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:西田征史(過去作/怪物くん、妖怪人間ベム、とと姉ちゃん、信長協奏曲)
演出:塚原あゆ子(過去作/アンナチュラル、グランメゾン東京、MIU404、最愛) 第1,2,4,7話
山本剛義(過去作/凪のお暇、コウノドリ2、わたナギ、オー!マイ・ボス!、最愛) 第3,5,6話
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリーズ、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、ゴシップ#、インジビジブル)
主題歌:RADWIMPS「人間ごっこ」
評価したい部分はいくつもある
前回、前々回と続けて、今作の当初の数々の “らしさ” が薄まって、本来あった “痛快さ” を封印し、“わかりやすさ” と “普通っぽさ” を重視してきて正直物足りなかった。
しかし、結論から言うと、今回は「当初の “らしさ” が戻ってきた!」「原点回帰!」と評価しても良かったと思う。
評価したい部分はいくつもあるが、目立ったところから挙げていくと…
やや迷走気味だった"今作が目指すドラマ"が見えたような…
まず、ここ最近薄まっていた、石子(有村架純)の経済感覚や事務所の経営難についての言及があったこと。
羽男「金にならないことは やらないんじゃなかったの?」
やはり、雇い主側の石子と雇われ弁護士側の羽男(中村倫也)の違う立場だからこそ、キャラクターの違いを一瞬で表現した。
また、最近は石子が画像解析をやってしまって、肝心の羽男の「フォトグラフィックメモリー」の持ち主という特徴が蔑ろにされていたが、今回は序盤から羽男の能力が生かされて、どんどんテンポ良くストーリーが展開)したのも良かった。
やはり、パステルカラーの衣装もそうだが、外見と内面を同時に使って二人のキャラの違いと、コンビになった時の雰囲気を作るのは、作品の “らしさ” を醸し出すうえでも重要だから、これくらいはやってもらって丁度良い。
更に、“マチ弁” を扱ったリーガル・ドラマだから当然といえば当然だが、今回はしっかりと「推定無罪」と「利益相反」を盛り込んで説明した。
刑事ドラマやリーガルドラマが好きな人には問題ないが、一般的には馴染みの薄い言葉だから、今回でちゃんと説明したのは丁寧な作りこみと評価できる。
やはり、今作は “恋バナもどきのマチ弁ドラマ” ではなく、“市民のお悩み相談を描くリーガルドラマ” だという方向性が、ハッキリとしたと思う。
塚原のが"会話劇"の雰囲気を重視した演出に注目
また、ここ数回はお世辞にも中村倫也さんの笑顔が引きつった感じで違和感を覚えていたが。
今回は中村さんに無理な演技を要求したような場面はほぼ無くて、逆に有村架純さんと中村さんの演技力を生かした “会話劇” が楽しめた。
ちなみに、今回の演出担当は3週間ぶりの塚原あゆ子氏の演出だ。
塚原氏が “会話劇” の雰囲気を重視した演出があった。
それは、羽男と石子がビールをジョッキで飲む居酒屋(ロケ地は、東京都杉並区にある居酒屋「まとい駒」(公式サイト)で、「事故や事件があった場合 目撃した人の人生も 一瞬で変わってしまう些細なことで変わると思うんです」の石子の台詞の途中でカメラ前を横切る若い男女の客たちのエキストラの使い方だ。
今回で描かれた案件とは別に重要な要素である「石子の過去」を語り出す場面だが、あまり “縦軸” を強調しないためだと予想するが。
敢えて二人の前を横切り、更に会話にガヤ(店員らの声)を入れることで、臨場感を出しながら、メインでない部分を掘り下げすぎない工夫があったと思う。
こういうさり気ない演出こそが、塚原氏のきめ細かな演出の妙だ。
脚本の"大庭の使い方"が秀逸
脚本もきめ細かく計算されている。
前述の「石子の過去」が “やや重苦しい” だけに、大庭(赤楚衛二)を上手く利用して “恋バナ” に行きそうで、いつもの石子の映像解析のお手伝いをさせることで、 “柔らかく温かみ” のあるエピソードで緩急をつけた。
このような大庭の使い方なら、大いに歓迎だ。
やはり、いくらメリハリをつけるためと言っても、蛇足に見えたらおしまいだから。
今回のように、必要枠として描くなら描くのが正解だと思う。
あとがき
今回は、久しぶりに「痛快さ」、「爽快さ」、「安堵感」があったストーリーだったと思います。
やはり、“マチ弁” とはいえ “事の善悪” を明確に描いて、更に弁護士ならではの解決を魅せてこそ “ドラマ” としての面白みがあると思います。
あまり「社会派ドラマ」寄りにせず、今回くらいの「身近なテーマ」を描いた方が良いと思います。
また、少女・ひなを演じたのが今や “TikTok美少女” で有名な片岡凜さんで、広末涼子さん所属事務所「フラーム」で売り出し始めた女優さん。
更に親の虐待を受けた美冬を演じたのが、2009年のカルピスのCMで注目された子役の小林星蘭さん、すっかり大人になりましたね。
下↓の動画、懐かしいと思う人は、私と同じ「こちら側のオジサンとオバサン」かも(笑)
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