連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第100回・2022/8/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第100回〔全125回〕/第20週『青いパパイアを探しに』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は矢作(井之脇海)に、自分の店で働いてほしいと望んでいるが、矢作は頑(かたく)なに拒む。暢子は三郎(片岡鶴太郎)の協力で、姿を消していた矢作を見つけると、かつて働いていたフォンターナに連れていく。矢作は以前に散々(さんざん)迷惑をかけてしまったオーナーの房子(原田美枝子)と気まずい再会を果たす。房子はそんな矢作のために、意外な準備をしていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16,20週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
いったん≪きれいごと≫や≪ご都合主義≫については無視
今週に入ってから、私のリアルな知り合いからも続々と「見るのを止めました」の連絡が後を絶ちません…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
まず、今回の感想を書くにあたって、大前提を書いておく。
1つは、“ドラマ” にありがちな≪きれいごと≫や≪ご都合主義≫についてはいったん無視すること。
2つ目は、粗探しは原則するつもりはないが、ほぼ全編が “粗” だから “粗” を書かずして感想が成立しないこと。
最後3つ目は、「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」ってこと。これが “連ドラ” としてとても重要なのだ。
「雨垂れ石を穿つ」とは、「雨垂れも長く続けば石に穴が空く」が語源で、「小さなことでも根気よく続ければ、大きな成果になる」という意味のことわざだが、小さな粗(=雑)だって、連続すれば大きな雑(=致命傷)になると思う。
だから、今回は「雨垂れ石を穿つ」にこだわって感想を書いてみようと思う。
大逆転のチャンス【クズ男キャラ二人の"大更生"】が…
アバンタイトルが、すでに不可解過ぎる!
なぜ、前回のラストシーンに直結するシーンの舞台が「フォンターナ」なのか? が大きな問題だが、その前に…
面倒だが、一つ一つ解決していこう。
まず、サクッと済ませておきたいのが…
矢作「警察に突き出すなり 好きにしてください」
私が先日、今作が起死回生する唯一の突破口が【クズ男キャラ二人の “大更生”】であるようなことを書いたのを覚えておられるだろうか?
私の身近な多くの脱落者と離脱者の声を聞くと、「流石に、賢秀と矢作が犯罪を繰り返すのに謝罪も攻勢もしないことにあきれるし腹が立つ」が視聴停止の大きな原因だ。
だから、ここ最近出番のない賢秀(竜星涼)は望みを残しているが、今回の上↑の台詞で、矢作(井之脇海)への望みがほぼ完全に断たれたと言って良い。
これは、今作にとって大きな失敗だと思う。
もちろん、作り手たちは、ちゃんと房子に土下座して謝ったからきれいに回収だと思っているだろうが…
房子が矢作に「退職金」だと封筒を手渡していたが…
では次の問題は、舞台が「フォンターナ」であることへの疑念だが…
おっと、その前に房子(原田美枝子)が矢作に「退職金」だと封筒を手渡していたが、あれ、退職金なら暢子(黒島結菜)にも渡したのだろうか? という単純な疑念だ。
暢子の場合は、高卒で自己都合退職ででも、5年以上の勤続だから数十万円の退職金はもらえると思うが、なぜ描かれない?
いや、「お金、お金、お金の朝ドラ」だからこそ、描くべきでは?
なぜ"鶴見"で見つけた矢作が、"銀座"のフォンターナに?
で、本格的な疑念の解明だ。おっと、もちろん、納得できる答えなんて一つも出来やしないが…
まず、今回の10分ごろ、ご都合主義&きれいごとのオンパレードの真っ最中に暢子がポロっと喋っていた…
暢子「矢作さんは 鶴見に来てからも 何軒も飲食店を回って…」
そうなると、前回で三郎(片岡鶴太郎)が矢作を見つけたのは、三郎が “杖を突いていた” ことからも「ほぼ鶴見」であることは確実だろう。
では、なぜそこに直結するシーンの舞台が「東京・銀座」の「フォンターナ」なのか???
いつの間にか同じ内装で、「フォンターナ・鶴見店」が開店していたなら話は別だが(苦笑)
でも、鶴見店オープンの方が瞬間移動のつじつまは合うが(大苦笑)
房子と暢子の言動の整合性が全く取れない
次の疑念は、房子が “秘密兵器” を用意していたこと。
そのことを、矢作と一緒に来たはずの暢子が知っていたのも解せないが。
とにかく、どうやって、房子は矢作が見つかったことを知ったのか?
そして、どうやって、房子は矢作の妻・佳代(藤間爽子)に連絡したのか?
これ、二つのことが考えられるから厄介なのだ。
一つは、房子自身が個人的に “電話” などを使って「フォンターナ」で矢作を捜していたとして、とある情報筋から矢作が見つかって、鶴見にいる矢作を暢子と三郎が取り押さえるように “電話” で命じたとする。
すると、まずわからないのは、暢子と三郎は「あまゆ」などの “電話がある場所” に一緒にいたってこと?
外を捜さずに?????
更に、妻だって夫を捜していないと “秘密兵器” に説得力がないから捜しているはずだが、外を捜しているのに?????
おっと、劇中の昭和54~55年(1979~80年)には、外から見えないくらいの小型の携帯電話があったのか!(驚)
もう一つは、三郎が県人会などの仲間を利用して矢作を見つけたなら、まず、前回のラストシーンで仲間がいないのが不自然。
でも、それをスルーして百歩譲っても、矢作のところに駆けつけるのは三郎一人でないと…
だって、暢子と合流している間に逃がしてしまう可能性があるわけだから…
でも、暢子は開店準備で忙しいわけで、それなのに “電話” がある「あまゆ」で三郎と一緒にのんびり待機?
「フォンターナ」でなく「ちむどんどん」で良かったのに…
いやいや皆さまも面倒だろうから、矢作が放浪していたのが「鶴見 or 銀座」なんて議論は置いておこう…
要するに、「見つけるシーン」なんて無しで、今回の冒頭のシーンの舞台を開店準備中の「ちむどんどん」にするだけで、ストーリーの流れもせっても状況もずっと自然になったのだ。
「ちむどんどん」に和彦(宮沢氷魚)と房子がいて、矢作の妻は隠しておいて、そこに暢子と三郎と取り押さえられた矢作が合流すれば良かっただけ。
これなら、「あまゆ」のスタジオセットに原田美枝子さんが参加しない大人の事情も回避できるし(笑)
なぜ、あの場面で「沖縄のそば」が出て来ちゃうの?
そして、みんなで食べるのが「沖縄のそば」っていうのも、おかしいような。
だって、誰がいつ作ったの?
二ツ橋シェフが?? 暢子の作り置き??? 名店で????
そういうことだ。
だって、本格的な「沖縄のそば」でなければ、話に説得力がないわけで。
でも、映像的には暢子は鶴見から矢作を連れて来て、更に “最終兵器” を出す房子の段取りも知っていて、「沖縄のそば」も仕込んでおいたってこと(爆)
ラストシーンに登場した「パパイヤリチー」もこじつけか?
そして、ラストシーンに登場した「パパイヤリチー」。
暢子は、おっと脚本家は完全にスルーしているが、矢作が知らない料理を?
雇われる身なのに横暴な言葉づかいで条件を畳み掛けてきた矢作へ、オーナー暢子としての “パワハラ”それとも “自慢” かと思ってしまった。
いや、むしろ、これくらい負けず嫌いで意味不明の方が、房子の段取りに合わせて動く暢子より、ず~~~っと「暢子は、暢子のままで上等!」で “連ドラ” として間違っていないと思うが(失笑)
こんな雑で適当な"流れ"と"描写"で結末にたどり着くなんて
以前も書いたが、ご存じでない方は下記のネットニュースを読んでいただければわかると思う。
朝ドラ『ちむどんどん』の苦境 「脚本チーム制」が裏目に出たか|NEWSポストセブン
記事には下記が引用されている
「執筆にあたっては、まず初めに最終週までのプロットを作リました。これを土台に第1週から話の展開やセリフーつ一つを詰めていき、さらに小林さん(制作統括)と木村さん(チーフ演出)と3人で揉んで、また書いては揉んでと、何度も打ち合わせを重ねました。相当な試行錯誤でしたよね」
(『連続テレビ小説ちむどんどんPart1 NHKドラマ・ガイド』NHK出版)
要するに、脚本家だけでなく、チーフ演出と制作統括というドラマ制作における “トップ3” が集まって、「結末から逆算してストーリーを構築」したのだ。
もしこれが事実なら、房子と妻の言葉で改心する矢作も、矢作を料理人として雇う暢子も、こんな雑で適当な “流れ” と “描写” でたどり着くなんて「ありえん!」のだ。
だって、ズブの素人の私だって、雑で適当なのがわかるし、改善策だって思いつくのだから…
「結局、粗探し、重隅突きをやってるじゃん!」と、思われる人へ
読者様の中には、「結局、粗探し、重隅突きをやってるじゃん!」と思われる人もいると思う。
ただ、冒頭で書いたように、“連ドラ” は「雨垂れ石を穿つ」という危険性を常に孕んでいるのだ。
だから、毎回15分の中に1つ、2つの “雑” や “適当” や “違和感” も、同じようなことを繰り返したり、「今度はこれ!?」と言わざるを得ないことを積み重ねれば、やがては「雨垂れ石を穿つ」になるってこと。
これ、世間で言われている今作の離脱理由に「内容が無い」、「キャラが不愉快」、「展開がご都合主義」、「結末が見えちゃう」なんてことを挙げる人が多いが…
今この感想を読んでくださっている “最終回まで見届けようと思っている人” ならわかると思う。
上記の理由なんて小さなことで、毎日見ていれば、雑で適当な “流れ” と “描写” で安直に結果にたどり着いちゃう「騒動至上主義」こそ、「雨垂れ石を穿つ」の諸悪の根源であることに…
だから、だから、こんな雑な1週間だったからこそ、金曜日だけは納得できる “流れ” と “描写” で「料理人の料理への熱意」や「料理店の経営者の人徳」を丁寧に描て欲しかった…
あとがき(その1)
昭和の大経営者である松下幸之助さんが次の名言を残されています。
「徳がないと、部下はついてこないな」
「ひとことの力: 松下幸之助の言葉 単行本」より
正に今回は “人徳” が房子から暢子に受け継がれたことを描く絶好のチャンスだったのに…
あとがき(その2)
8月28日(日)に「ファン感謝祭in名護」が開催される予定です。
黒島結菜さんのほかに、脚本担当の羽原大介さんも参加されるそうで。
恐らく、そこでクランクアップ(撮影終了)のアナウンスがあると思います。
あとがき(その3)
いよいよ、スタッフと私たちの根競べの様相を呈してきましたね(笑)
まずは、明日の「土曜日版」が先週以上のナレーション投入で激変するのを期待しましょう!
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
この度、今作への熱意のあるコメントへの返信は難しいことが多いため、通常のコメント欄では納得できるお返事ができないので閉鎖させていただきます。
また、頂戴したコメントによってはお返事できない場合がありますが、貴重なものとして読ませていただきます。
状況が変わりましたらコメント欄を復活させるつもりですので、しばしご協力お願いいたします。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
36 37 38 39 40 土
第9週『てびち!てびち!てびち!!』
41 42 43 44 45 土
第10週『あの日、イカスミジューシー』
46 47 48 49 50 土
第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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第13週『黒砂糖のキッス』
61 62 63 64 65 土
第14週『渚の、魚てんぷら』
66 67 68 69 70 土
第15週『ウークイの夜』
71 72 73 74 75 土
第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』
76 77 78 79 80 土
第17週『あのとき食べたラフテーの』
81 82 83 84 85 土
第18週『しあわせのアンダンスー』
86 87 88 89 90 土
第19週『愛と旅立ちのモーウイ』
91 92 93 94 95 土
第20週『青いパパイアを探しに』
96 97 98 99
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