連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第19週/土曜日版・2022/8/20) 感想 ☆今回の「土曜日版」は比較的よく出来ている!

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第19週『愛と旅立ちのモーウイ』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)は、もともといたあまゆの部屋で新婚生活を始めていた。先日の披露宴で、暢子は「沖縄料理の店を開く」と宣言し、みんなを驚かせたが、房子(原田美枝子)も重子(鈴木保奈美)もどうやら応援してくれる様子。暢子が独立に向けて動き始めたころ、賢秀(竜星 涼)にも何やら動きが…。一方、沖縄では、給食主任を任された良子(川口春奈)が、子どもたちの野菜嫌いをなくそうと奮闘していて…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
今回の「土曜日版」は、かなりの好印象、好感触で…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
8月19日(金)放送の第95回の感想に…
おそらく今週中に「クランクアップ(撮影終了)」のニュースが飛び込んでくるから、今後に期待するには撮影は無理だから編集しかない。だから、「土曜日版」の編集テクニックを見て、最後の望みをかけられるのか見てみよう! と、書いた。
結論からいうと、「このナレーション原稿と編集なら期待はできそう…」だ。
そう、諦めかけていた私にとっては、かなりの好印象、好感触だということ。
これまでの「土曜日版」との違いを掘り下げてみる
では、今回の「土曜日版」が、これまでの「土曜日版」とどこが違って見えたのかについて掘り下げてみる。
これまでは、週5放送(15分×5回)を 1回15分に “まとめる” ことが最優先されていたから、どうしても「騒動と結末」の羅列のようになってしまい、“ストーリー性やテーマ性” は ほぼ無視されていたに近い。
従って、良くも悪くも「ダイジェスト版」だから、マイナス要素も凝縮された印象になっていたのだ。
本編で伝わらなかったことを積極的に伝えようとする試みを感じた
しかし、今回の「土曜日版」は “まとめる” ことよりも、“ストーリー性やテーマ性” を描き直すことを重視したように感じた。
具体的な手法は、まず「大量のナレーション」だ。
計算したわけではないが、印象的には全体の半分以上はナレーションによる補強、補完があったと思う。
この「大量のナレーション」によって、不明瞭だった登場人物たちの感情が見えて来ただけでなく、登場人物同士のやり取りが自然に見えるようになった。
特に良かったのは、本編で描いた “つもり” だったこと…
●父・賢三との約束
●比嘉ファミリーの絆
●主人公・暢子が沖縄料理へ拘る意味
●青春ナポリタンの伏線の回収
を、「土曜日版」では何とか伝えようと積極的に試みた取り組みを感じることが出来たことだ。
そのために、詳細は省くが本編で無駄、蛇足、ミスだと思われるカットやシーンを徹底的に削除して、使える台詞だけ残して編集し、それに見合うようなナレーション原稿を書いたように思う。
「ニワトリが先かタマゴが先か?」ではないが、編集が先かナレーション原稿が先かはわからないが、編集された映像に合わせてナレーションを最適化したのは間違いないだろう。
今作のテーマやプロットを基礎に"再構築"しようと頑張った
とにかく、これまでの「土曜日版」は “ざっくりまとめ” て、ジョン・カビラさんの即興の発想でつけたナレーションで “沖縄っぽさ” を加えただけの印象しかない放送回が多かったが…
今回に関しては、ちゃんと今作のテーマ(主題)やプロット(構想)を基礎に “再構築” したのが大きな違い。
今回の監督とナレーション原稿作家(助監督か?)と編集担当なら、撮影済みの映像素材を利用して “再構成” して、なんとか意味不明さは極力減らした本編を作ることが出来るかも?
犯罪行為の見逃しや、開店準備の過程の雑さの方が際立ったのは?
ただ、これが面白いか、納得できるかどうかは別の話だ。
それこそ、今週で描くべきは、暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)が “ピンチをチャンスに変える” 様子を通して “夫婦の新たな旅立ち” だったと思う。
でも、ピンチを “騒動” にするために、賢秀(竜星涼)では犯罪行為を創作し、暢子では開店準備資金の損失を創作した。
これらによって、“夫婦の新たな旅立ち” が取って付けた “結末” になって、犯罪行為の見逃しや、開店準備の過程の雑さの方が際立ってしまったのは、完全に “蛇足が過ぎた” からの当然の結果だったと思う。
今作の"法やルールに関する描写"が独特になり過ぎでは?
今さら遅いが…
「土曜日版」でも気になったことの一つに、幼少期の描写をあまりにも “比嘉家流の家族愛” を強調するがために、法やルールに関する描写が独特になり過ぎて、ちょっと付いて行けない部分がある。
例えば、今週の賢秀が盗みを働いた時の父・賢三だが、共同売店から他の子どもたちは物品を万引きしたのに、我が息子はレジから小銭を盗んだにもかかわらず…
「俺が刑務所に入る」と土下座したところで何の謝罪にもなっていないし、暴力で叱るのは良くないが「お前は悪くない」と抱擁するのも違うような…
これ、沖縄の風土に合わせた “いい感じの放任教育” を描いているつもりだったら、最低限 “大人が子どもには約束やルールは守るもの” と教える場面が無いと、あまりにも偏執した描写に見えてしまうのでは…
そこを、今作は「○○は○○で上等」とくっつけちゃうから、ややこしいし、誤解を生んでいる。
いや、普通に見ていれば “誤解” ではなく、見たままを “解釈” しているだけなのだが(苦笑)
あとがき(その1)
個人的には、もっとナレーションを増やして “再構築” どころか、可能な限り “改良・改善” しちゃえば良かったと思います。
また最近は、本編は離脱して「土曜日版」だけ見ている視聴者が増えているようなので、こんな感じの「土曜日版」が続くなら、こっちだけ見るのは十分アリだと思います(無理して本編を見るよりは精神衛生上良いと思うので)
あとがき(その2)
まあ、本編が今後変わることはほぼ無いんでしょうね。 だって、「騒動至上主義」を変えることは無理でしょうから(困)
でも、≪ドラマのお勉強≫として、ナレーションと編集でここまで印象や言いたいことを変えることが出来るということは学べると思います。
私は映像編集がまだリニア編集(アナログ・テープ編集)だった1980年代からやっていますが、監督と同じくらい編集は面白いです。
編集者の技術一つで、伝わる意味合いも密度も変えることもできますし、訴求する感動の量も調整できますから、ホントやりがいのある作業です。
編集担当者の仕事のことも、今回の「土曜日版」と「本放送」の両方を見た読者さまなら、わかっていただけたのでないでしょうか?
【感謝!】3100万アクセス達成いたしました! ありがとうございます
【お待たせしました】8/14~19分の名作 or 迷作「ちむどんどんの感想」への Web拍手コメント"9つ全部"へ一気に返信させていただきました!
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22> 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
36 37 38 39 40 土
第9週『てびち!てびち!てびち!!』
41 42 43 44 45 土
第10週『あの日、イカスミジューシー』
46 47 48 49 50 土
第11週『ポークとたまごと男と女』
51 52 53 54 55 土
第12週『古酒(くーす)交差点』
56 57 58 59 60 土
第13週『黒砂糖のキッス』
61 62 63 64 65 土
第14週『渚の、魚てんぷら』
66 67 68 69 70 土
第15週『ウークイの夜』
71 72 73 74 75 土
第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』
76 77 78 79 80 土
第17週『あのとき食べたラフテーの』
81 82 83 84 85 土
第18週『しあわせのアンダンスー』
86 87 88 89 90 土
第19週『愛と旅立ちのモーウイ』
91 92 93 94 95
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