連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第94回・2022/8/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第94回〔全125回〕/第19週『愛と旅立ちのモーウイ』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は自分の店の開店に向けて貯めていた資金すべてを、賢秀(竜星涼)を騙(だま)してビジネスに参加させていた黒岩(木村了)たちに渡してしまう。自分の店をあきらめようとする暢子に、沖縄やんばるの姉・良子(川口春奈)と石川(山田裕貴)がある提案をする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15,18週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17,19週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17,19週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、脚本家などの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。
重箱のど真ん中をスプーンですくい上げてみようと思う
必死に回想シーンを盛り込んで、作り手たちは「今作は “連ドラ” ですよぉ~」と訴えているようですが。
皆さんもお察しの通り、今作は月曜日から水曜日が騒動続きで、木曜日に全部の騒動が解決して、金曜日で白紙状態にして、前に進む構成なので…
今さら回想を盛り込まれても「ああ、そんなこともあったっけ?」程度にしか感じませんね。
こんな風に感じられる時点で、連ドラとして破綻してますが…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
毎回、「重箱の隅を楊枝でほじくる」ようなことはしないと断っているから、今回は重箱のど真ん中をカレースプーンでガッツリとすくい上げてみようと思います。
なぜ暢子たち4人がしれ~っとアバンから登場してるの?
一つ目のカレースプーンですくい上げるのは、警察から解かれた暢子ら四人の言動について、
どうやら、三郎(片岡鶴太郎)が警察に行って事情を話して一件落着したようだ。
ここで良くわからないのは、前回での “ヤバい組織” の “マルチ商法” に加担した賢秀(竜星涼)への “お咎め” も無く…
面倒だから全部書かないがザックリいうと賢秀を “ヤバい組織” から助けようと自分たちで解決しようとした暢子(黒島結菜)たちもしれ~っとしてアバンタイトルから登場していることだ。
警察から解かれた4人と三郎の描き方が、全く腑に落ちない
まず困ったのは、賢秀と和彦と智が一緒に警察署から解放されたような映像になっていたこと。
これ、警察に行って警察を説得できるくらいに三郎に “正義感” があるなら、少なくとも暢子がお金を持って兄を助けに行くのを阻止しなかった、事前に賢秀がマルチ商法に加担していることを知っていた和彦(宮沢氷魚)と、開業資金の大切さを知っているはずの智(前田公輝)の愚行について三郎が触れるべきではないのか?
いや、もっと困ったのは…
三郎は(風の噂で知ったのか、警察から身元引受人として呼ばれたのか不明だが)賢秀を含めて四人を警察に引き取りに行ったとはず。
だったら、四人一緒に自分の自宅へ連れて行って(だって、沖縄料理居酒屋「あまゆ」に他の客がいる可能性もあるわけだから。暢子が「あまゆ」を飛び出して行った時、商店街には人の往来があったし)、三郎が四人にこっぴどく説教を垂れれば良かったのでは?
と同時に困るのは、暢子だけ三郎と単独行動にしてしまったために、兄は自業自得だとして、自分や愚かな兄の痴態に巻き込ませてしまった “夫” と “親友” を全く気にしていないように映ってしまったことだ。
なぜ暢子を「ありがとう」、「ごめんなさい」を言えない人に?
「暢子の単独行動」を、二つ目のカレースプーンでもっとすくい上げると底の方から見えて来るのは、“暢子の人間性の乏しさ、貧しさ” である。
これ、脚本家も演出家もダメなのだ。
暢子を単独行動にして、三郎とのやり取りを順次(志ぃさー)やトミ(しるさ)がいる「あまゆ」を舞台にしたなら、もっと「沖縄県人会」を強調すべきだったと思う。
それこそ、「県人会のみんなが協力して助けてくれたんだぞ」と三郎に言わせて、県人会の絆の深さを描いて、暢子が三郎や順次たちに「ありがとう」、「ごめんなさい」を言うだけで印象を変えることが出来たはずなのに…
いいや、県人会の絆で「開業資金を集めてやろうじゃないか!」と三郎が提案したって良いくらいだ。
だって、主人公の暢子は「沖縄料理店を開業」するわけだから…
暢子がきれいごとを並び立てたラストシーンは意味がない
しかし、脚本家も演出家も気付かないのだ。
身内同然の人たちにさえ「ありがとう」、「ごめんなさい」を言えない暢子が、独立開業して、身内以外の客で店をいっぱいになんかできるはずないと、視聴者は思うことに…
結局、脚本家は結末がわかっているから、わざわざ終盤で房子(原田美枝子)に次のように書いたと思うが、墓穴を掘った。
房子「知らないお客様だけで お店が満席になったら
私は あなたのお店に行く」
こんな、視聴者にとって夢物語のような仮想の結末を書くから、おかしくなるのだ。
これでは、結果的に暢子は “房子しか眼中にない” ことになってしまう。
それこそ、失った開業資金は、身内の良子(川口春奈)と博夫(山田裕貴)が肩代わりしてくれるし、そんなの身内だから当然と、まるで兄の賢秀さながらなのだ。
こんな主人公がきれいごとばかりを並び立てたラストシーンの笑顔を見せられても、苦笑どころか失笑しかないないのは当然だと思う。
暢子がお客様のことを考える料理人になるチャンスは三つあった
さて、カレースプーンは一先ず置いて、ちゃんと考えてみよう。
暢子が「ありがとう」、「ごめんなさい」を言える人、お客様のことを考える料理人になるチャンスは、三つあった。
一つ目は、おでん屋修行の時の “独りよがりのイタリア風おでん” で失敗した時。
二つ目は、訳ありの “西郷親子” の思い出料理で房子のプロの心遣いを学んだ時。
三つめは、和彦の母・重子(鈴木保奈美)が自分の料理を認めてくれた時。
上記の三つを確実に積み重ねていけば良かっただけなのだ。
しかし、前回の感想で書いた通り、「騒動至上主義」で手抜きをして、「毎週末で白紙状態」にするから、きっと脚本家と演出家の頭の中では、いつまで経っても暢子は “自分のことしか考えない人” なのだ(失笑)
だから、今回だって、誰にも「ありがとう」、「ごめんなさい」を言わない人でも気にならないのだ(困)
でも、視聴者は好意的な脳内補完を必死にやっているから、誰にも「ありがとう」、「ごめんなさい」を言わない人に違和感を覚えるだけなのだが…
きっと、このまま続けて行けば、作り手たちと視聴者の間の隙間は最終回まで埋まらないような気がする…
良子の一家が海外旅行をするのが不自然だと思ったが…
先日の展開で、良子の一家が海外旅行をするのが不自然だと思ったが、まさか今回の姉夫婦からの資金援助で利用するとは思わなかった。
これ、普通に「何かあった時のためにためたお金だから使って?」じゃダメなのだろうか?
むしろ、旅行資金にしたために、良子と博夫が恩を着せるように見えてしまう(良子夫婦にそんな気は無くても)。
こういうことを普通にやっちゃうから、房子の西郷親子への心遣いも独りよがりに見えてしまうし、房子の弁当送り付け作戦も身勝手な行動として、繋がっている印象になってしまうのだ。
まあ、今さら書いても遅いが…
そもそも、兄がマルチ商法で騙されて妹の貯金が奪われるなんてエピソードが必要か?
賢秀がマルチ商法に手を染めて、組織から賢秀を取り戻すために大切な開業資金を奪われて、姉が妹を助けてくれたから、開業できます… なんてエピソードが、そもそも必要か?
だって、放送前から主人公はイタリア料理店で修業して、沖縄料理店を開業することまで、とっくにアナウンスされている。
ならば、暢子も和彦も自分たちの予想が甘いことを反省しつつも、その予想以上に開業資金が足りずに途方に暮れて、良子に相談するだけで良かっただけ)では?
家族だから頼って、家族だから助けて、家族だから素直に感謝を伝えて、家族の絆を深める… じゃダメなのか?
いや、今の “現実社会” なら、身内だからって容易にお金を貸したり、連帯保証人になるのははばかられるのは百も承知だ。
しかし、“今作の世界” は、賢秀が過ちを繰り返し、「暢子の言動を正義とする展開」が堂々とまかり通っているのだから、ちょっぴり<お伽話>のような “朝ドラだからこその世界” を構築しても罰は当たらないと思う。
まあ、簡単に 200万円もの大金を妹に貸す姉も、電話一本で借りちゃう妹も、人間的にどうかと思う。。。
という根本的な疑問は、「与の重箱(“四” は縁起が悪いとされるから)」の最下段の煮物の下にしれ~っと隠しておくか(笑)
あとがき(その1)
開いた口が塞がらないほど、すべてが雑。
登場人物の感情の推移や描写が雑で、家族と親戚と県人会と友人しかいない簡潔な人間関係なのに描写が雑で、ワンパターンな話の流れと予定調和な毎週の結末も雑で…
ぶっちゃけ、暢子の開業準備が順風満帆じゃないのを描きたいなら、勝手にフォンターナを辞めること決めて、物件探しを始める暢子を、和彦と悟、そして三郎と順二が言い聞かせだけで十分だったような…
あとがき(その2)
博夫は「あのニーニーがいたから、おれたちは結婚できたんだから」
う~~~ん、これホントですかね。
確かに博夫の立場からしたら賢秀のお陰かも知れませんが、賢秀は、良子と地元の社長の息子・喜納金吾(渡辺大知)との結婚話の時、金吾の父に「良子につきまとっている 中村という人がいる」と吹き込んで、手切れ金10万円を搾取しようと詐欺を働く気満々だったと記憶していますが。
「ニーニーがいたから」の場面があるなら、回想シーンでインサートして欲しかったです。
あとがき(その3)
最後に。
Web拍手に数々のコメントを頂戴しておりまして、ありがとうございます。
ただ、この感想を投稿するだけで2時間以上かかるので、これ以上『ちむどんどん』のことは考えたくないのが今の本音です。
というわけで、私の気持ちが「毎週末で白紙状態」になったらお返事差し上げます(謝)
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
この度、今作への熱意のあるコメントへの返信は難しいことが多いため、通常のコメント欄では納得できるお返事ができないので閉鎖させていただきます。
また、頂戴したコメントによってはお返事できない場合がありますが、貴重なものとして読ませていただきます。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
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第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第18週『しあわせのアンダンスー』
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