連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第85回・2022/8/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第85回〔全125回〕/第17週『あのとき食べたラフテーの』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
※ また、本編最終回が 9/30(金)、全125回決定(情報源)です。
暢子(黒島結菜)とフォンターナのトラブルを心配して沖縄からやってきた姉・良子(川口春奈)。良子の勘違いから、トラブルが多江(長野里美)たちみんなに知られてしまうことに。そんな中、子分を引き連れた権田(利重剛)が再び房子(原田美枝子)を訪ねてフォンターナにやってきた。そして事態は思わぬ展開を迎える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
この数日間、大雨で浸水などの被害を受けられた方には、心よりお見舞い申し上げます
鶴見から雪駄で?
フォンターナから退散しただけで他の店でやるでしよ?
なぜ暢子が言い終わるまで三郎は立って待ってるの?
房子は店の大ピンチを救ってもらったのに、乙女ぶってお礼を言えないの?
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
この数日間、大雨で浸水などの被害を受けられた方には、心よりお見舞い申し上げます。
私はといいますと…
昨朝はウォーキング中に大雨、今朝はすっきりしない雲行きの千葉県北西部。
昨日は、小さな地震と短時間の停電に見舞われました。
どうか、寒暖差も激しく、コロナの第7波が猛威を振るっているので、皆さん無理せずいきましょう。
"これまで描かれた設定"をほぼ無視すれば、ギリまとまっている
さて、冒頭で書いたように15分前編で「?」のオンパレードの金曜日。
累進多焦点遠近両用メガネは使っているが、今作用の色眼鏡は持ち合わせていないから、まず “ドラマ” としてどう思ったかを書いておこう。
過去に描かれた枝葉的な細かいことは別にして、現状の登場人物の設定をおさらいするとこんな感じだ。
●沖縄から上京してきて、一人前の料理人を目指す主人公
●子ども時代に主人公と出会い運命が変わった婚約者の男性
●息子の結婚に反対する母親
●主人公を我が娘のように溺愛する鶴見の沖縄県人会会長
●その会長と戦争前に縁があり戦争で別離した中年女性
●その中年女性は主人公が働くレストランのオーナー
●そのオーナーを好きで引きずっているシェフ
●思い立ったら動いちゃう主人公の兄と姉
●なにかと無駄なお節介しかしない婚約者の上司
これだけ見れば、店のピンチをオーナーに想いを寄せる(た)男性が救世主のように現れて一件落着。
主人公の結婚話も「ラフテー弁当」の味で、母の思いを変えてちょっと前進。 一方の主人公の兄姉はいつも通り単独暴走…
まあ、こんなところで、繰り返すが “これまで描かれた設定” をほぼ気に留めなければ、個々の役割に合わせた言動で、店のピンチは穏便に済んで、結婚話も再始動となって、ギリまとまっている。
もちろん、“連ドラ” としてどうか? とか、面白いと思えるかどうかは、話が違ってくるが…
久し振りに今作で "まともなことを言う人" を見た
褒める部分かどうかはビミョーなところだが、こっちもギリ褒めポイントにしておこう。
三郎「まずは 相手のお母さんのことが先なんじゃねえのか?」
ガッテン! ガッテン! ガッテン!
いやぁ、久し振りに今作で “まともなことを言う人” を見た。
何せ、今作は主人公を始めとして、ほぼ全てと言いたくなるくらいに自己中心的な登場人物ばかりだから “正論で相手を黙らせるキャラクター” が一人いるだけで、ホッとできるというか…
まあ、厳密に言っちゃえば、劇中は昭和53年(1978年)だから、親子承諾なしで結婚したって良いわけだが。
何とか “ホームドラマ” の体(てい)を崩したくないとの “腐っても鯛” 的な作家としての矜持だろうか。
何としてでも、比嘉家、青柳家、平良家、大城家での結婚披露宴は実現させたいようだ。
まあ、不快な人たちが一堂に会したところで、暑苦しくてウザいだけだが。
現時点で"良子のキャラ変"をやったのは連ドラとして致命的
さて、今回のエピソードが “連ドラ” として致命的なことをやっちまった点に触れてみる。
それは、良子(川口春奈)のキャラクターをこの時点で変えたことだ。
前回の感想にも書いたが、賢秀を演じる竜星涼さんのイメージダウンをこれ以上増大させないために、同じ研音所属の川口春奈さんが演じる良子のキャラを変えて世間の矛先を変えたいという大人の事情があったのかも知れないが。
それでも、今回、沖縄から “独り” で東京へすっ飛んで来たことで、今作が “これまで描いてきた設定” を “ほぼ” ではなくて “完全” に無視したのだ。
仕事、家族、夫、子ども、夫の実家…
これ、良子が沖縄から “独り” で東京へすっ飛んで来たことで、仕事は投げ出すわ、家族も放置で、夫の実家とのやり取りもあれで終わり? と思ってしまった。
脚本家や演出家は気づいているのかわからないが、幼い子どもがいる時点で “ほぼ育児放棄” なわけで、賢秀よりもたちが悪い…
まだ、沖縄を出る直前に夫に「ありえん… 絶対 許せない(第93回)」ではなく、「子どもをお願い」と言って出て来る場面でもあれば救われるのだが。
本当、良子の言動の方が、よっぽど “ありえん” なのだ。
実のところ何の決着もしていない
●従業員の権利書持ち出し事件
●店への嫌がらせ
●暢子と和彦の結婚話
●房子と三郎の思い出話
●和彦と母・重子の関係修復
●三郎と反社との関係
●暢子の兄姉のおせっかい話
これら「7つ」を「週5放送」に詰め込むこと自体が無茶なのに、あろうことか 三郎(片岡鶴太郎)の房子(原田美枝子)への罪滅ぼしの話と、「中原中也」で強引に決着に持ち込んだ。
いや、実のところ何の決着もしていないのだ。
権田(利重剛)たちは別の店では嫌がらせを続けるだろうし、脚本家は「中原中也」で “描いたつもり” だろうが、他人の詩を利用して自らの言葉で表現することを諦めただけにしか見えないのだから…
「7つの騒動」全部が中途半端だし、説得力が乏し過ぎる
結局、「7つ」も騒動を盛り込んでおきながら、全部が中途半端だし、説得力が乏し過ぎるのだ。
当然、7つもの騒動の解決案を提示するほど暇もないし、労力を費やすつもりはないから書かないが。
せめて、まずは二ツ橋(高嶋政伸)、良子と賢秀、田良島(山中崇)は全削除で。
更に、当時を考えれば戦争であれこれあった男女はたくさんいたわけで、静かに暮らす大人たちに首をツッコむ暢子も削除。
我が子のように可愛がっている暢子の店のピンチを三郎が救って、ついでに権田たちに “堅気” になるように説得。
ついでに、暢子にも、自分のことより相手のお母さんのことを考えろと説得。
これで、良くない?
やはり、わたし個人としては、大切な琉装を暢子に結婚衣装として準備してくれている多江(長野里美)への心遣いや思いやりが微塵も感じられない暢子の言動に腹が立つ。
でも、「暢子の言動を正義とする展開」が幅を利かせているから、全てが “暢子が正義” になっちゃう。
登場人物たちの中で、暢子ほど “自己中心的” で “自分を相手に押し付ける” キャラは他にいないのに… だ。
結局、「騒動至上主義」と「暢子の言動を正義とする展開」を続ける限り、残念だが今作に決定的な打開策は無いと思う。
あとがき(その1)
ここ数日、今作に対する沖縄の人たちの嫌悪感を取り上げた意見がネットニュースにあがり始めています。
「沖縄県人を侮辱している」朝ドラ「ちむどんどん」史上最低レベルの視聴率に県民が挙げた"A級戦犯"の名前(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
伸び悩む『ちむどんどん』理由は沖縄への “上から目線”…県民は「バカにするな」の大合唱(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
私も、以前に紹介した沖縄生まれ育ちの知人に聞きましたが、「沖縄県民が全員あんな人たちばかりだと思われると困る」と。
まあ、普通の視聴者なら「フィクション」と「現実」の区別はできるでしょうから、心配ないと思います。
でも、これ、放送番組として、沖縄県民を侮辱した描写がある事で、BPO(放送倫理・番組向上機構)審議入りでも良いような。
まあ、BPOは朝ドラについては忖度するから話題にも入らないと思いますが。
あとがき(その2)
最後に。いつもは粗探しも重隅突きもしませんが、どうしても “連ドラ” として気になったので。
最後の「まかない」の「ラフテー丼」ですが、今作で「まかない」は余った食材で、料理の腕前を磨き見せるチャンスだと描いていたような。
まあ、豚バラ肉の固まりは、イタリアンでも「ポルケッタ」や「塩釜焼き」などで使いますから、冷蔵庫にある可能性はゼロではないと思います。
だったら、少し前に暢子が「ラフテー」をアレンジした創作メニューが採用されたみたいな描写を入れたら、「もう7年目? まさかや~」とは思われなかったと思います。
さあて、来週も騒動の連続で、正義の味方・暢子が結婚するようです。
そして予算の話もないまま、純白のドレスでレストラン・ウエディングですか…
あとは、独立して店を持つしかないのに、2か月も埋まるのかお手並み拝見です。
「土曜日版」及び、来週もよろしくお願いします。
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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第13週『黒砂糖のキッス』
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第14週『渚の、魚てんぷら』
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第15週『ウークイの夜』
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第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』
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第17週『あのとき食べたラフテーの』
81 82 83 84
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