連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第84回・2022/8/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第84回〔全125回〕/第17週『あのとき食べたラフテーの』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
※ また、本編最終回が 9/30(金)、全125回決定(情報源)です。
フォンターナが危機に陥る中、暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)に、ずっと気になっていた、房子が三郎(片岡鶴太郎)と結婚しなかった理由を尋ねる。一方、鶴見のあまゆでも、和彦(宮沢氷魚)が三郎に同じことを聞いていて…。房子と三郎の、語られなかった過去が、暢子と和彦に話されることに…。そんな中、暢子を訪ねて鶴見にやってきたのは、意外な人物だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12,17週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
寺崎英貴(※)(過去作/オーディオドラマ 青春アドベンチャー「嘘か真か」) 第17週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※「崎」の漢字は本来「たつさき」
※敬称略
最初から"暢子が店を持つ"と"房子の引退"を合体させれば良かったのでは?
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
粗探しも辻褄合わせも、するつもりはないが。
前回で房子は雰囲気から察して「自分の年齢を考えると、ぼちぼち最後かな?」的な感じだった。
今作は、特に房子についての年齢設定に関わる部分は曖昧に描いているから、房子が何歳なのかハッキリわからないが。
でも、時代を考えても、房子がぼちぼち現役引退を考えてもおかしくないのは、ほぼ間違いない。
いや、先日も書いたように、この脚本家は最終回から逆算して書いているのだ。
だったら、こののちに暢子が店を持つことは決まっているわけで。
そこで、その “暢子が店を持つ” と “房子の引退” を合体させれば良かったのだ。
逆算するなら、これくらいは思い付いて欲しい…
例えば、店がどんどん(ちむどんどんではない…)人気が出て忙しくなり、房子が小さなミスを繰り返すようになる。
従業員たちはみんなでカバーするが、ある時、大切なお客さんか大事な取引き先に面倒をかけてしまう。
いよいよ自分の現役引退を考え始めた房子が、一足先に現役引退している三郎に相談しに行って…
三郎の妻・多江(長野里美)とのやり取りを入れたっていいし…
こうすれば、あざとく、且つ不自然に暢子を絡ませて “騒動” にする必要なかった。
確かに、房子が大ミスをするのは “騒動” だが、あくまでも “きっかけ” でしかないから許容できる。
こんな展開にしておけば、房子が暢子を “後継ぎ” に指名して、当分は二ツ橋(高嶋政伸)に店を任せるという二ツ橋の将来に光がさすし、その後の “暢子が店を持つ” と展開にも違和感なく連結していけると思うのだ。
この展開を自画自賛しちゃうのは、ストーリー的に「フォンターナを任される」か「独立する」を “結婚” より先にすることで、暢子が働く女性として成功しているという既成事実が作れるから、その経営者としての交渉スキルを武器にして重子(鈴木保奈美)と結婚の交渉をすれば自然な展開になると思うからだ。
この展開なら、強引に “騒動” を大きくする必要が無い。
あくまでも “騒動” は房子の年齢からくる引退をほのめかす火種で、あとは火種を大きくするだけだから違和感が少ないはず。
逆算するなら、これくらいは思い付いて欲しい…
房子と三郎が結婚しなかった理由に興味がない"3つ"の理由
折角、感想を読みに来て下さった読者さまには申し訳ないが「開店休業中」の看板を下げたい気持ちだ。
とにかく、主人公の結婚はおろか、成長物語だってしっかりと描かれてない状況で、興味関心の薄い脇役同士の結婚しなかった理由とか、どうでも良いのだが。
「さっさと、先に進んで欲しい」くらいしか感想が思い付かない(苦笑)
前回から描かれている房子(原田美枝子)と三郎(片岡鶴太郎)が結婚しなかった理由について興味関心がほぼ無い理由は明らか。
大きく分けて “3つ” ある。
当事者が自分の過去を語る描写は"最低に野暮"だから…
1つは、私自身が登場人物である当事者が自分の過去を語る、それも複数で語り合うくだりこそ、“ドラマ” の描写に於いて “最低に野暮” だと思っているからだ。
当事者が改めて過去を語る位なら、最初から時間軸通りに描けと思うが、本当の問題点は当事者が過去を語ると完全に物語の流れが止まるからイヤなのだ。
それも、興味のない脇役の過去で…
「多元中継風」で"ドラマ"を描いたつもりになっているのがイヤ
2つ目は、今作の脚本家も演出家が苦手な「多元中継風」で “ドラマ” を描いたつもりになっているのが腹が立つからだ。
7月20日放送の第73回で、比嘉家のルーツを描くくだりで “三元中継風” をやって、大失敗したのを覚えておられるだろうか?
詳しくは書かないが、あの時は3か所を連携させて、1つの話を描いたが、わかり難さが勝って大失敗。
そして今回は「フォンターナ」と「あまゆ」の “二元中継”。
結局、重複した内容もあって、回りくどいだけで失敗。
一体、いつになったらこのスタッフは学習するのだろうか?
房子は優子が存在を否定した人物だから、私も拒否したい
3つ目は、 房子は比嘉家の親戚であることは間違いないが、主人公・暢子の母・優子(仲間由紀恵)が存在を否定、拒絶したのが房子なのだ。
ほじくり返さないが、劇中年表の今から15年ほど前の昭和39年(1964年)に多額の借金を抱えた比嘉家が暢子を東京にいる賢三の叔母に面倒をみてもらうことにした時に、優子は房子の存在に気づかなかった。
そして、更に8年後の昭和47年(1972年)に「フォンターナ」で働き始めた時にも、優子はお礼も言わず、暢子だって房子に興味を抱かずに何も聞かずスルーしていたのだ。
そんな、劇中の主人公とその母が興味関心が薄い “親戚の房子” の過去をダラダラと描かれたって、それこそテレビの外の “赤の他人” が面白く見られるはずがないのだ。
従って、Yahoo!テレビのあらすじには「ずっと気になっていた」と好意的に書いてあるが、どう見ても房子が一方的に暢子に過去の話を無理やり聞かせているように見えてしまう。
まあ、この点は “血筋” なのだろうか、暢子がやっている「一方的な思い込みで弁当を毎日無理やり配達する作戦」に似ているが(苦笑)
こんなところは、似ていなくて良いのだ… と、言うまでもないが。
今回も賢秀でやるのが"連ドラ"の一貫性とか連続性では?
そして、今回のエピソードで “お節介を焼く役” は良子(川口春奈)らしい。
今作のお約束なら賢秀(竜星涼)だが、流石に大人の配慮か忖度なのか、竜星涼さんと同じ研音所属の川口春奈さんにバトンタッチ?
まあ、流石に竜星涼さんが可哀そうだから、しょうがないと思うが。
そう思う人は、是非とも下記の記事を読んでみて、竜星涼さんを応援して欲しい。
朝ドラ「ちむどんどん」の“ニーニー”竜星涼さんの人生の転機とは?<ニュースLIVE! ゆう5時>見逃し配信あり
ただ、竜星涼さんには申し訳ないが、今回も賢秀でやるのが “連ドラ” の一貫性とか連続性。
結局、こういうことをするから、どんどん “連ドラ” として破綻していくのだ。
もちろん、前述の通り、騒動にせず、房子が三郎に相談に行って昔話をする中で、三郎の妻・多江との関係も修復すれば、ニーニーもネーネーも要らぬ当番をしなくて済んだことは疑う余地もないが。
盛り込みたくても、現実的に盛り込めることには制約がある
ここで、私の仕事の話にちょっと逸れてみようと思う。
私はフリーランスでホテル専門のイベント・ディレクターをやっている。
多分、フリーでやっているのは日本で私だけだと思う。
で、よくイベントの計画をクライアントと立てるのだが、大体「あれをやって、これもやって、そうそうそっちもやらないと…」と正味2時間のイベントではとうとう終わらないスケジュールができる。
で、私は、「いやいや食事の時間が必要ですよ」「乾杯も」「祝辞も」「謝辞も」「お出迎えとお見送りも」「中締めだって必要」って言って、結局は実質1時間もなくて「ディレクターさん、どうしたらいいの?」って聞かれてしまう。
要するに、どんなに頑張っても盛り込みたいものを全部盛り込むのは普通は不可能だってこと。
例えば、2時間の宴席なら「これくらいが自由に使える時間」というのが決まって来るのだ。
司会者の「続いては○○です」を"騒動"に置き換えただけ…
上記のことを、今作の脚本や演出に当てはめるとわかると思う。
この作家は最終回から逆算したのだから、言わずもがな「あれをやって、これもやって、そうそうそっちもやらないと…」になったはずだ。
でも、本来はこの時点で「登場人物の紹介には○日分が必要」「子役時代は○日が決定事項」「結婚生活は○週分」「独立してからは○日間必要」などの絶対に削れない尺が出るはずなのだ。
その残りで、あれこれを割り当てるしかない。
これが、ホテルのイベントなら司会者が「さて、続いては○○です」と強引に進めることが出来る。
イベントに参加しているゲストの皆さんも “サプライズ” っぽく受け取ってもらえるから、イベントしては悪くない。
しかし、連ドラ、特に分かり易さを重視すべき “朝ドラ” には似合わない。
でも、ここのスタッフは、「さて、続いては暢子が重子に弁当を毎日届ける嫌がらせをします」とか「さて、続いては権田たちが店に嫌がらせをします」とか「さて、今度は良子が鶴見に乗り込んで来ました」みないに、司会者の「さて、続いては○○です」を “騒動” に置き換えたのだ。
まあ、「安直!」の一言。
こんなことでしか、先に繋げないのでは、残り2か月を切ってはいるが、巻き返しはだいぶ難しいと思う。
あとがき
前回の感想に書いた通り、「騒動至上主義」が度を越えてきましたね。
せめて、良子でなく賢秀にしておけば「またか…」で済んだのに、良子にしたから更に不可解さと違和感が…
それにしても、比嘉家に振り回されっ放しの多江さんが気の毒過ぎる…
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
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