連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全125回〕 (第78回・2022/7/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第78回〔全125回〕/第16週『御三味(うさんみ)に愛をこめて』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
※ また、本編最終回が 9/30(金)、全125回決定(情報源)です。
暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)との結婚に反対する、和彦の母・重子を翻意させるために、「美味(おい)しいものを作って食べてもらう」と宣言。ようやく、重子にあまゆに来てもらい、料理をごちそうする手はずを整える。一方で和彦は和彦なりに、頑(かたく)なな母と向き合おうと努力をして…。その頃、やんばるでは暢子に失恋した智(前田公輝)が久しぶりに歌子(上白石萌歌)を訪ねてきた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/羽原大介・作「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」脚本協力)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13,16週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
いつも通り、以下↓らの粗探しは無視!
暢子(黒島結菜)が毎朝弁当を届けるのは弁当の押し付けはストーカーか?
暢子が仕事前に鶴見から毎朝弁当を届けられる青柳家はどこあるの?
なぜ暢子は重子(鈴木保奈美)に腕前を披露するなら「フォンターナ」に招待しないの?
なぜ暢子は「フォンターナ」で朝の仕込みをやらなくて良いの?
いいや、暢子は「フォンターナ」をクビになったの?
青柳家のお手伝いさん・岩内波子(円城寺あや)が手皿で食べるのは良いの?
とまあ、重箱の隅を楊枝でほじくると出るわ出るわ。
でも、いつも通り、これらの粗探しは無視。
そんなの1つずつ挙げるなら、私が自分で脚本を書き直した方が速いから(苦笑)
暢子の料理が相手を大きく変えた印象的なネタがないのに?
ということで、今回の感想も、今作の本質に迫ってみようと思う。
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
そもそも…(ほら、来た!笑)
そもそも、この度のエピソードが、“連ドラ” として成立しない。
その理由は、今作に於いて「暢子の料理が “相手側の暢子の印象” を変えたエピソード」がほとんど無い」からだ。
こう書くと、擁護する、または反論があるとは思う。
確かに…
高校時代の料理部対決では、暢子の料理で投票者の心が変わったと解釈もできる。
房子(原田美枝子)とのペペロンチーノ対決では、房子や従業員たちの暢子への印象が変わったと解釈もできる。
おでん屋修行では、暢子の斬新な洋風おでんが客の心をつかんだと解釈はできる。
暢子の数年間の働きを見た房子や二ツ橋(高嶋政伸)、果ては淀川(本田博太郎)らが、暢子に一目置くようになったともいえなくもない。
しかし、上記のエピソード群が「暢子の料理が “相手側の暢子の印象” を変えたエピソード」だと決めるは早すぎる。
例えば、料理部対決は「ライバルに勝ちたいから」だし、ペペロンチーノ対決は「オーナーより作れるのを証明したから」だし、おでん屋修行は「オーナーに言われたから」だし、他も「それなりに勤めて来たから」というだけなのだ。
それを、脚本と演出が誤魔化して、暢子の料理が “変えた” と解釈の押し付けをやったに過ぎない。
要するに、今作は “料理” を軸に扱う “ドラマ” なのに、料理が作り人や食べた人の人生を変えることがあるという “テーマ” にすごく隣接したことさえも、まともに描いて来なかったのだ。
比嘉家と青柳家で行った那覇のレストランの印象の薄さ…
それは、今作の本来は大転換期のはずだった幼少期の比嘉家と青柳家で行った那覇のレストランの印象の薄さでもお分かりの通りだ。
それこそ、あの時、レストランのシェフがホールに出て来て、「今日は皆さんの一生の思い出に残っても恥ずかしくない料理を作ったので、最後まで楽しんで下さい」とか言って、食事後に店の前で、シェフを囲んで両家の記念写真でも撮影すれば良かったのだ。
そして、暢子と和彦は今でもその写真を大切に持っているとか…
そういうのが “連ドラ” であり、“伏線” というのだ。まあ、今さら遅いが…
暢子が"重子のために"料理に向き合う姿を徹底的に描くべきだった…
だから、もしも、この度のエピソードを正当化したいなら、和彦と重子の喫茶店対決なんて一切必要ない。
もちろん、智(前田公輝)と歌子(上白石萌歌)の失恋の傷のなめ合いも全部要らない。
削った尺で描くべきは、徹底して、暢子が “重子のために” 料理に向き合う姿しかないのだ。
だって、暢子は勤め始めの頃に房子から「コックは食べる人のことを考える…」と教えられ、2年目頃には「時と場合をわきまえた会話、言葉遣いができなきゃ、客商売はやっていけない」と教えられたのだ。
だったら、自分が美味(おい)しいと自信を持った弁当や料理を振舞うのではなく、それこそ結婚相手の和彦の協力を得て “重子の好み” や “好きな料理” を聞き出して、更に沖縄料理アレンジを施したオリジナル料理を作ることに切磋琢磨して、切磋琢磨する姿を描くべきだと思う。
それこそ、順次(志ぃさー)やトミ(しるさ)や多江(長野里美)が「おいしい」と評価しても、「重子さんが美味しいって言ってくれる完璧な料理を作りたいの!」でしょ?
それが、暢子の心理描写というものだし、その描写こそが視聴者が暢子を応援したくなるきっかけになると思う。
その意味で、毎朝弁当を届けると決めた暢子に「毎朝?」と切り返した和彦こそ “クズ彦” なのは書くまでもないが(苦笑)
とにかく、今回も、過程を描かないから、暢子が≪弁当押し付けストーカー≫にしか見えないし、弁当を届けるだけなら和彦のおつかいで十分だ。
あとがき(その1)
もう、和彦が6年交際した愛と別れる前に暢子に見え見えの求愛行動をした和彦も、愛という婚約者がいる和彦に奪う気満々で近寄った暢子も、愛と別れてからタクシーを乗り換えるように暢子に求婚したのも、戦争話にかこつけて結婚話になったのも、全部忘れます。
もう、繋がりだ、連続性だ、なんて言いません。
ですから、せめて、せめて、無料の民放ドラマとは違うのですから受信料分くらいは “まとも” に作って欲しいです。
あとがき(その2)
しかし、前回と今回で、暢子が料理をしているように見えたでしょうか?
そこが、映像作品として根本的な欠陥ですよ。
脚本には「暢子、卵焼きを作る」とか「暢子、ラフテーに煮汁を掛ける」しか書いてなくても…
演出家が「暢子が煮汁の味見をして首を傾げているカット」とか、「味見をして頷いた暢子が “おいしいものノート” を出して書き込むカット」などを撮って “行間” を埋めたら良いのに。味見とノートに書くだけなら、料理監修と小道具さんの協力だけでできると思いますよ。
無理でしょうけど(失笑)
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
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【これまでの感想】
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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