ユニコーンに乗って (第4話・2022/7/26) 感想

TBS系・火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
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第4話『救世主と運命の出会い!?』の感想。
会社のビルの管理会社が須崎(杉野遥亮)の父・征一(利重剛)率いる不動産グループに代わり、賃料値上げが通告された。佐奈(永野芽郁)と須崎は新たに知り合った投資家の高山(飯田基祐)と面会し、前向きな反応を得る。後日、高山が突然会社を訪問。皆が慌てる中、落ち着いた対応を見せた小鳥(西島秀俊)の存在に安心したという高山が、もっと話を聞きたいと言って佐奈を食事に誘う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大北はるか(過去作/グッドドクター、ラジエーションハウス1,2)
演出:青山貴洋(過去作/下町ロケット2、天国と地獄、DCU) 第1,2,3話
棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013、死役所、インジビジブル)
泉正英(過去作/病室で念仏…・、TOKYO MER、インジビジブル)) 第4話
音楽:青木沙也果(過去作/この初恋はフィクションです)
主題歌:DISH//「しわくちゃな雲を抱いて」
早智の使い方に疑問…
全体的には悪いとは思わないし、予定調和だけどそれなりに楽しめて… は、いる。
前回の1話分を使って、「Episode 0」を描いたからこその展開なのも大いに認める。
だから、だからこそ気になってしまう点が多々あるのだ。
例えば、早智(広末涼子)の使い方。
私は、ヒロスエファンだから出番があるのは嬉しいが、今回の早智の使い方には疑問が残る。
だって、今回は、人生経験、社会経験のある小鳥(西島秀俊)にドリームポニーが助けられる… というのが、1つの軸だったはず。
ならば、早智の発言を聞く前に、小鳥が投資家・高山(飯田基祐)を最初にお見送りした際の一言に反応して “お節介” をするべきだと思うのだ。
なにせ、元銀行員の肩書があるのだから、IT関連の新ビジネスモデルを考えるより、脊髄反射的に高山の “きな臭さ” に気付いて然るべきだと思う。
いや、高山が敢えて口を挟まずに、佐奈(永野芽郁)のやり方を見てみるのは悪くはない。
悪くはないが、小鳥はあれこれ気づくのに、高山だけスルーしたのが解せないのだ。
騒動ありきでストーリーを構築しているから…
まあ、これは現放送中の朝ドラのように「騒動至上主義」になっているのが災いを呼んでいるともいえる。
要するに、騒動ありきでストーリーを構築しているから、小鳥が気付くわけにはいかないのだ。
でも、これも、おかしな話で…
小鳥のLINEを読んで “香水” を渡す “お節介” ができる恵実(青山テルマ)は帰国子女でもあるわけだから、それこそ高山の “きな臭さ” に反応するのがお約束というか…
繰り返すが、決して悪くない。
でも、ここまで脇役にもちゃんと “キャラ設定” を施して強調して描いているのだから、それを活かさないのは宝の持ち腐れで、もったいないと思う…
極端な話、新アイデア以外で成長するのは整合性が取れていない
もう一つの気になったこと。
最初に書いておくが、この件については好意的な脳内補完をして、違和感にまでなっていないが、流石にまだまだ気になっていることってことで。
それは、佐奈がドリームポニーの理念を含めた “理想” と経営を含めた “現実” の両方を語り、動き出すと、佐奈が “現実” を軽視しているように見えてしまうこと。
同時に、佐奈が本気で理想を現実に使用としているようには見えないこと。
繰り返すが、好意的に見ているから、別にどうでも良いのだが。
でも、言っておくと…
佐奈は、自社が扱う教育アプリに「ユーザーに課金を求めない」、「教育の無料提供による平等」を “理念” にしている。
そして、佐奈はそのことを “経営理念” にも掲げている。
でも、一方でアプリを作るにしても社員を養うにしてもお金が必要。
まあ、起業する際に多少の開業資金が必要なのはわかるが。
で、劇中では「お金で何とかならなくても、新しいアイデアで乗り切ってきた」と描いている。
だったら、究極を言っちゃえば、自分たちの貯金だけを開業資金にして、その後は “自らの新アイデア” で会社を大きくするべき。
従って、ベンチャーキャピタル「ゴールドキャピタル」に依存するのも、今回の佐奈がマッチングアプリで高山に協力を求めるのも、厳しいようだが、極端な話、自らの新アイデア以外で成長するのは整合性が取れていないと見えてしまう。
高山の騒動無しで、一時の社内の対立で良かったような…
要するに、百歩譲って「ゴールドキャピタル」の白金(山口貴也)の意見で “別の儲ける道” を探さなきゃいけないなら、別に高山絡みの “騒動” なんて必要なかったことになる。
白金に指摘されて、「常に理念と理想を追及する立場」と「今は理念よりも利益を追求する立場」と「別の解決方法を模索する立場」に分かれた内紛的な “社内の対立=騒動” で良かったと思う。
やはり、“騒動ありき” で物語を構築すると、騒動を成立させるために強引な辻褄合わせをしなくてはいけないことが多いから。
それで絶賛崩壊中なのが某朝ドラなのだが(苦笑)
騒動が多い上に、騒動が上手く連携していないように見える
話を今作に戻そう。
結局、前述の通り、騒動ありきでストーリーを構築している上に、騒動が1つでなく、今回は4つも。
小鳥と早智の件、佐奈と片山の件、須崎(杉野遥亮)と父の件、理想かお金かの件。
この4つの騒動が、上手く連携していないように見える。
なぜ、上手く連携していないように見えるのか?
恐らく、佐奈、須崎、小鳥の本業(仕事)以外の描写が多過ぎて、他の社員を含めてドリームポニーの社員たちが “何のために働いているのか” を描くのが薄まっているからだと思う。
理想や理念を描くのと、“何のために働いているのか” を描くのは、厳密には違うこと。
でも、今作はそこを曖昧にして、「お仕事ドラマ」と「大人の青春ドラマ」の両方を盛り込んで、誤魔化しているように見えてしまう。
やはり、原則は「お仕事ドラマ」を通して「大人の青春ドラマ」も匂わせることでは?
だって、みんなドリームポニーという会社が好きだから集まっているわけで、まずは「お仕事ドラマ」としてしっかりと描くことが重要だと思う。
あとがき(その1)
ちゃんと「お仕事ドラマ」であることをメインに描けば、会社の成長と社員の成長が描けて、その結果として自然に「大人の青春ドラマ」になると思うんです。
あとがき(その2)
脚本の曖昧さに演出家が迷っているように見えた編集がありました。
23分頃、佐奈のピンチを救おうと走る小鳥と須崎のカット割りと編集です。
小鳥は上手(かみて:画面右)へ、須崎は下手(しもて:画面左)に走るカットが編集で合成されていました。
あそこ、普通は真正面を向いて走るとか、同じ方向を向いて走るカットでないと「同じ場所に向かっている」とは映像的に解釈しづらいのです。
でも、小鳥は「お仕事ドラマ」、須崎は「恋バナ」とすれば、逆向きが演出のセオリーです。そう、究極の目的は違うわけですから。
あとがき(その3)
個性的で魅力的な俳優さんが揃っているので、あれこれ盛り込みたくなるし、大人の事情もあるでしょうが、まずはメインを定めて、「お仕事ドラマ」として「?」と思われないように経営部分だけでも固めた方が、より面白くなると思います。
今後に期待!
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