連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第71回・2022/7/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第71回〔全120回〕/第15週『ウークイの夜』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
1978年8月。沖縄のお盆、ご先祖様をあの世へお見送りする最も重要な日「ウークイ」に、比嘉家の四きょうだい、賢秀(竜星涼)、良子(川口春奈)、暢子(黒島結菜)、歌子(上白石萌歌)が久しぶりにやんばるの実家に顔をそろえた。母・優子(仲間由紀恵)に起こった再婚話が気になったからだ。一方、新聞社の和彦(宮沢氷魚)のもとに、沖縄での大きな仕事のチャンスが舞い込んでくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14,15週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
「1978年(昭和53年)」は音楽好きには忘れられない年です
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
今回(も)感想を書くのが疲れそうだから、最初に気分をアゲさせていただきたい!
劇中は、1978年(昭和53年)8月18日だそうだ。
まず、1978年8月といえば、テレビ好きならご存知の日テレ夏の特番『24時間テレビ 愛は地球を救う」の第1回放送が、1978年8月26日だ。
しかし、この年は音楽好きには忘れられない(私だけか?)出来事が幾つもある。
1つは、私と実家がすぐ近くの “スーちゃん” こと田中好子さんが在籍していた “キャンディーズ” が4月4日に東京・後楽園でサヨナラコンサートの最終日公演を行った。
また、個人的には、4月2日にハードロックバンド「キッス」の日本武道館公演、4月30日に「チープトリック」の日本武道館公演を見に行った。
特に、チープトリックの公演は、のちに『チープ・トリック at 武道館』という世界的に有名なライブ盤となって発売されている。
背後に聞こえる歓声には自分の声が入っているのは間違いない… と信じ切っている私です。
賢秀を乗り物酔いにしたままバス停に来させるなら…
さて、自己満足は以上(笑)
アバンタイトルから良くわからない。
賢秀(竜星涼)が空港からず~っと “乗り物酔い” だと言っていた。
私は沖縄に行ったことがないし、劇中の “やんばる地区” は厳密な場所指定が無いからどこらへんなのかわからないが。
例えば、那覇空港から、山原地区の代表的な場所として「国頭村役場」の経路をGoogleマップで検索したら、現在の情報で「約2時間30分」と出た。
いくらなんでも、2時間以上も、あんなにぐでんぐでんになる位に乗り物酔いが続くだろうか?
いやいや、バスの本数にもよるが、それこそ、少しは兄を休ませるくらいの妹としての優しさを描いても良かったのでは?
それこそ、ナレーションで「暢子は空港で賢秀に休んで行くように勧めたのですが、『早く着きたいさー』と言って聞かなかったようです…」と被せるだけでも印象は違ったと思う…
今作のメイン演出家に演技指導を期待しても無駄だが…
さ~て、あくまでも “粗探し” や “重隅突き” でもなく、 “ドラマ” や “連ドラ” としての本質をダメにしている部分を掘り下げてみようと思う。
主題歌明け、暢子(黒島結菜)が良子(川口春奈)と歌子(上白石萌歌)に結婚と仕事について問われた時に、次のように答えた。
暢子「結婚も 仕事も 両方というわけにはいかないから…」
別に、どう答えたってどうでも良いのだ。
しかし、気になったのが、この台詞を言い終えた瞬間の黒島結菜さんの表情だ。 私には「略奪愛が成功しました。しめしめ…」的な “魔性の女の微笑み” に見えたのだ。
演出家が黒島さんにどんな演技指導をした結果なのかはわからないが、ここは万人が「今は修行中だから恋愛をしている場合じゃない。キリッ!」って見えた方が得策では?
まあ、今作のメイン演出家に演技指導を期待しても無駄なのは、まるっとスリっとゴリっとエブリシングお見通しだが(困)
なぜ、先週で和彦が迷走しているように描かなかったのか?
上記のことなんて、すり傷程度だ。絆創膏でも貼っておけば明日には治る。
しかし、これから書くことは、ちょっとやそっとじゃ治らない深い傷だ。
まず、最初の大ケガは、「漁夫の利」のつもりが「二兎追うものは一兎も得ず」となった、世間では “クズ彦” と呼ばれることとなった和彦(宮沢氷魚)が上司の田良島(山中崇)に言われた台詞だ。
田良島「婚約者と幼なじみのはざまで さんざん 迷走したあげく」
おいおい!
田良島の目には、第12週『古酒(くーす)交差点』、第13週『黒砂糖のキッス』、第14週『渚の、魚てんぷら』と3週分も割いて描き続けて来た「愛の仕事と結婚の物語」が、“婚約者と幼なじみのはざまで さんざん 迷走した” ように見えており評価したのなら、視聴者にもそう見えるように描くべきだったと思う。
二股をかけて、女たらしのように描くのではなく、十数年ぶりに再会した “あのおてんばな女の子” が今の婚約者より “魅力的な大人の女性” に見えるように、頑張って見せるだけで良かったのだ。
まあ、第11週までのボサボサ髪をコック帽から出して調理したり、大声で沖縄弁を話したり、自分勝手好き勝手にやっているだけの暢子しか描いて来なかったから至難の業だと思うが。
だったら、やはり、ナレーションを利用して “婚約者と幼なじみのはざまで さんざん 迷走した” ように見せるしかなかったと思う。
マイナスイメージなるようなカットしか活用しない演出だから、どうしようもないが…
それでも、先週と今週の演出はメイン監督なのだから、角力大会での和彦の言動をもっと正しく精査して演技をつければ、少しは和彦が “初めての感情で、どうしたら良いかわからない…” ような印象操作はできたと思う。
素人が思い付くことをプロがやらないのを “手抜き” というのだが(苦笑)
おっと、少しだけ演出家を擁護しておくと。先週の角力大会を撮影した千葉県南房総市「岩井海岸」でのロケの時は、その部分の脚本しかできていなかった可能性があるってこと。
屋外ロケの分だけ先に書いて渡されて、今週の分の内容は知らなかった可能性があるのだ。
とはいえ、メイン監督が全体の流れを知っていないのも、逆に解せないが…
同居してるのに「お母ちゃんは どこに?」は無責任すぎる?
終盤、村唯一の商店である「共同売店」へ母・優子(仲間由紀恵)との関係を聞きに善一(山路和弘)に会いに行って、母がいないことに気づいた良子が次のように言っていた。
良子「お母ちゃんは どこに?」
おいおい!×2
良子と歌子は優子と同居しているのに?
優子は孫も面倒もみているのに??
これ、今回の描写だけを見ても、和彦が洞窟にやって来た日が “優子の初勤務日” には見えない。
むしろ、一緒に作業をしている男性とのやり取りの演出からは、以前からやっていたように見せようとする意図さえ感じた。
そして、洞窟シーンの前段の共同売店の描写でも、新垣カメ(きゃんひとみ)と安室トメ(あめくみちこ)らの演技から、やんばる地区の人たちはみんな知っている感じになっていた。
で、知らぬは比嘉家の人たちだけ… みたいなオチで。
結局、脚本の思い付きで、「折角、沖縄ロケをやるなら…」的な下心出して、ドッキリ番組みたいなことをやるから、繋がらなくなるのだ。
ドラマの中で騒動をつくって登場人物たちが"ドッキリ"や"ビックリ"をやってるだけ
以前に投稿した『安倍元首相の銃撃事件報道の無意味な演出 ※銃撃映像の"ながら見"や"繰り返し視聴"にはご注意を!』に次のように書いたのを、読んで下さった読者さまは気づいたと思う…
そして、拡大解釈するならば、テレビの中の “ドッキリ” や “ビックリ” を見せることが、テレビだと勘違いしていることは、テレビドラマにも浸食してきています。
視聴者を感動や感心させるのでなく、ドラマの中で騒動をつくって登場人物たちが “ドッキリ” や “ビックリ” をやってるだけの作品がなんと多いことか?
そう。正に今回の「お母ちゃんは どこに?」が、つくり手の “勘違い” なのだ。まさか、こんなに素敵な作例が出て来るとは思わなかったが…
暢子の"日常"に、もっと「遺影」を盛り込んでも良いと思う
さて、今回の感想はもう少し書いてみようと思う。
これは、今作が “ドラマ” としても “連ドラ” としても、本質的に致命的な部分だから、≪残りが約3/5≫になったので、おさらいを兼ねて考えておきたい。
まず、なぜ、今作には “季節感” や “年中行事” に関する描写が少ないのか? だ。
これは、今までも幾度か異議を唱えていることだが。
今回の “帰省” について掘り下げてみよう。
暢子と賢秀の行動原理(行動の根源的な動機)は “突然わいてきた母の再婚話が気がかりだから” である。
ナレーションが補足していた “沖縄のお盆、ご先祖様をあの世へお見送りする最も重要な日「ウークイ」だから” ではない。
単に、偶然で「気がかりになった時節=ウークイの時節」というだけ。
それこそ、沖縄の比嘉家のシーンがあっても、亡き父・賢三(大森南朋)の遺影や墓、墓参りもほどんど描かれない。
まあ、今となっては、急に賢三の遺影や墓参りを描かれたら、違和感しかないが(苦笑)
それなのに、今回は明確に「1978年(昭和53年)8月18日」と指定をして来た。
比嘉家にいる登場人物にとっては「遺影・墓・墓参り」そのものが “日常” だから “敢えて描かない” 選択肢はアリだが、横浜・鶴見在住の暢子の “日常” に最低限「遺影」を盛り込むべきでは?
いや、朝起きた時「父の遺影」に手を合わせるだけで良いのだ。
暢子の父への愛や尊敬の念を描き続けるからこそ、暢子が “突然わいてきた母の再婚話が気がかりだから” 動けるのだ。
こんな簡単な描写にも気づかず、ビックリ&ドッキリをやっても、何の意味もないと思うが…
帰省する直前に暢子と早苗が会っていた方が良かったと思う
もう1つだけ、 “ドラマ” としても “連ドラ” としても、本質的に致命的な部分を。
善一と優子の再婚話を創作した段階で思いついて欲しかったことでもあるのだが…
それは、善一と優子の再婚話が、やんばるの人たちが知るほどの “噂話” になっていて、その噂が巡り巡って暢子の耳に届いた時点で、善一の娘で、暢子の幼なじみである早苗(高田夏帆)とのやり取りを盛り込んで欲しかったということ。
それこそ、先週の金曜日で「すぐ帰る、タイム」なんてくだらないことをやるなら、良子たちとの電話を切ったら、そのまま早苗に電話して「早苗は知ってたの!?」となって、今回のアバンで早苗に久し振りに会って…
暢子「このままだと、うちと早苗が “ぎきょうだい” になっちゃうよ~」
で主題歌に行って、やんばるのバス停で良かったような…
まあ、大人の事情で撮影不可能だろうし、そんな思い付きもしないだろうから “ありえん妄想” だが。
でも、このようなアイデアが出て来ないし、出来ないことこそが、“ドラマ” や “連ドラ” としての本質をじわじわとダメにしていると思う。
あとがき(その1)
いやぁ、混沌としてきましたね。もはや、褒めるところがほぼ無い…(苦笑)
従って、感想を書くのに時間が掛かってしまって…
これなら、映像素材をうちでもらって、私が再編集した方が感想を投稿するより絶対に速い…
あとがき(その2)
そして、ネットニュースも “アゲ” と “サゲ” が混在してきましたね。
擁護すれば突っ込まれるし、指摘すればNHKから睨まれますし…
で、次のニュースを見つけました。
読むかどうかは、あなた次第。お化け屋敷に入ったような寒気を無料で体験できます!
あとがき(その3)
なお、当ブログは引き続き “粗探し” や “重隅突き” はせず、どうやれば今作がマシになるのかを考えて行こうと思います。
さあ、良かったら愚痴をこぼしつつ… 今週も一緒に “わじわじー(イライラ)” しましょう!
最後に。今日は「海の日」ということで、私の好きなサザンと沖縄のコラボの楽曲を。
この楽曲の三線と指笛の演奏は石垣島出身のBEGINのギタリスト、島袋優さんです。曲中に沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」のメロディーがあるので探してみてください。それと、宇宙人、どことなく賢秀を彷彿させません?。
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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引き続き、皆様のご協力をお願い申しあげます。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/17062/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22> 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
41 42 43 44 45 土
第10週『あの日、イカスミジューシー』
46 47 48 49 50 土
第11週『ポークとたまごと男と女』
51 52 53 54 55 土
第12週『古酒(くーす)交差点』
56 57 58 59 60 土
第13週『黒砂糖のキッス』
61 62 63 64 65 土
第14週『渚の、魚てんぷら』
66 67 68 69 70 土
第15週『ウークイの夜』
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