連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第14週/土曜日版・2022/7/16) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第14週『渚の、魚てんぷら』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)、愛(飯豊まりえ)らと濃密な1日を過ごしてから、何か吹っ切れたように元気に働いていた。だが暢子の思いをよそに、智は暢子に思いを告げようとして、それぞれの恋愛模様は大きく動き出していく…。そんな中、沖縄やんばるの比嘉家では、優子(仲間由紀恵)にとある騒動が巻き起こる。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10,14週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
"和彦への不信感"と"暢子への違和感"が更に強調されただけ
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
さて、今回の「土曜日版」の見どころは、次の一点だと言っても過言ではない。
どうやって「週5放送の本編」で生じた “和彦への不信感” と “暢子への違和感” を「土曜日版」で言い訳をして、払拭できるか?
結論からいうと、“和彦への不信感” と “暢子への違和感” が更に強調されただけだった(笑)
いや、なんとか編集で修繕しようとしているのは理解する。
しかし、“ない袖は振れぬ” なのだ。
いいや、今、演出部が手持ちの札を有効活用するだけでは印象を変えることは可能だったと思う。
私の提案くらいの大胆な解釈変更と編集をしないと無理…
例えば、今週の数々のエピソードから、次の3つのエピソードを全部削除する(苦笑)
●包丁事件(包丁でケガをして… ってやつ)から始まる暢子(黒島結菜)の初恋エピソード 略奪愛エピソード
●角力大会での弁当以外の全シーン
●智(前田公輝)の熱烈プロポーズ
上記を全部削除した上で…
愛(飯豊まりえ)が会社に仕事を認められて、自分自身の存在意義を見出して、(和彦からの「全部 なかったことにしてくれ」も全削除で)和彦に手紙を渡して「読んでみて」と立ち去るカットだけ残す。
で、一方的に別れを告げられた(ことになった)和彦が、あとから愛の手紙を読んだ時点で初めて “自分が暢子を好きなこと” に気づく。
この程度で良かったのだ。
これなら、「な~んだ、和彦はモヤモヤしていただけか?」とは納得しづらいが、包丁事件や角力大会での暢子への奇妙な言動が描かれなければ、好意的に脳内補完はできると思う。
まあ、私が確認できる映像素材で言い訳するなら、このくらいの大胆な編集と解釈をしないと無理だと思う。
撮影前、脚本段階だったら、もっとやりようはあったはず…
でも、これが撮影前、脚本段階だったら、もっとやりようはあったはずだ。
例えば、そもそも今週で大人の事情を含めて、愛がタイムリミットで退場せざるを得ないなら、いっそ「愛の退場週間」として、思い切って “スピンオフ週” にすれば良かったのだ。
“スピンオフ週” なら、主人公の暢子は登場しなくても不思議でないし。
で、本編が先々週あたりからやり続けて来た “愛の仕事と結婚物語” へ完全にすり替えたら良かったと思う。
もう完全に愛を主人公にして…
親からは結婚をせっつかれ、和彦は煮え切らず、仕事は認められるかどうかの瀬戸際で。
そんな中で…
愛は和彦が暢子のことが好きなのを知ってしまいダメだこりゃってなって…
仕事も上司に認められて憧れの海外勤務も出来ちゃうことになってラッキーになって…
斎藤工さんと泉里香さんの『インディード』のCM(参考リンク)みたいに「エイヤッ!」って感じで…
一方的に和彦に分析結果を送り付けて、バイバイキーン和彦~~~って(笑)
そして、週明けの月曜日は、いつも通りに “白紙状態” になって、「邪魔者がいなくなって良かったねぇ~」って感じのラブラブな暢子と和彦が、一本のイカ天ぷらを両方から食べ合うアップからアバンタイトルを始めるとか…(寒っ)
今週を「暢子と愛の新たな旅立ちの1週間」に仕立てる手も…
スピンオフ化がダメなら、他の手だっていくらでもある。
例えば、今週を「暢子と愛の新たな旅立ちの1週間」に仕立てるのだ。
もちろん、前述の「3つのエピソードを全部削除する」は必修科目だ。
そして、「土曜日版」で盛り込むとは思わなかった、「フォンターナ」で騒動を起こした西郷親子を利用する作戦だ。
やり方は簡単。
西郷親子のくだりで、暢子が房子(原田美枝子)の裁量の上手さに感激したという「暢子の独立夢物語」を並行して描くのだ。
それこそ、「自分にとって仕事とは何か?」を改めて問い質す関連映像として、良子(川口春奈)と石川博夫(山田裕貴)の “理想の教師像” を重ねるのもアリだ。
暢子は自分は「コックとして、お客様に美味しい料理を提供するだけで良いのか?」を自問自答するわけ。
別に、愛から和彦を略奪する必要なんてこれっぽっちもないのだ。
暢子が「房子のようになりたい」と思う印象が少な過ぎる…
ただ、問題なのは、ここからだ。
いや、正確に言うなら、今週に至るまでに、「暢子が房子のようになりたい」と感じたような印象的な場面が極端に少ないことが問題なのだ。
思い返してみれば、「暢子が房子をスゴイと思った時」は、5月下旬放送の「ペペロンチーノ対決」と今週前半の「厨房スタッフが3人同時に退職した急場しのぎ」と、今週の「ボルチーニ茸のリゾットの気遣いエピ」だけ。
流石に、この要素だけで、「一流のコックさんになる夢」を飛び越えて、「自分の店を持つ夢」にすり替えるのは、やり過ぎとしか言いようがない。
これ、大人の事情で暢子と房子のツーショットをたくさん撮影できないスケジュールの可能性もある。
でも、だったら、暢子の料理人としての成長をもっと強調すべきだったのだ。
料理人としてそれなりに成長したから、次の夢や目標に進むのは当然と思わせるように…
暢子がつくった自慢の弁当の味への評価を描くべきだった!
そのために今週でやっておくべきだったのが、県人会の遠足で、沖縄料理にこだわりがあるであろう県人会の人たちの “暢子がつくった自慢の弁当の味” への “評価” だ。
モブ(群衆)が「おいしいねえ」、「もっと食べたいヤッサー」と口々に言うカットでは意味がないのだ。
だって、皆さんも経験があると思うが…
屋外で食べると基本的に冷めた弁当だって美味しいのだ。
みんなで食べると美味しく感じるのだ。
遠足に来ているから空腹で、空腹なら何でも美味しいのだ。
だから、ここは「沖縄の味がするね」とか「おばあちゃんの味みたい」とか、「新しい魚てんぷらの弁当の味で美味しいね」でないと意味がない。
もちろん、ここで「イカ天ぷらは本来そうじゃない?」とか「イカ天ぷらは弁当にしない!」とか「イカ天ぷらは沖縄ではおやつ…」みたいは、粗探しに一切の意味がないことは断っておく。
“ドラマ” としての本質は、そんなところにはないのだ。
問題なのは、今作の子ども時代から描き続けられている「暢子の料理の腕前がどんな位置づけなのか曖昧なまま」だということ。
●若いわりに美味しいのか?
●素人と比べて美味しいのか?
●イタリアンシェフとしては沖縄料理が美味しいのか?
●弁当のわりに美味しいのか?
これらの “料理を扱う連ドラ” として “最低限描くべきこと” さえ、描写できていないのが今作なのだ。
あとがき(その1)
昨日に投稿した『7/15Web拍手へ:「ちむどんどん(第70回・2022/7/15)感想」への「今作、どうにかなりませんか?」についてお答えします! ※加筆&修正あり』で次のように書きました。
腹は立ちますが、見続けるとするなら、「この脚本家と演出家は、どこまで “騒動至上主義” と “《暢子が正しい》を基準とする展開” を貫くのか見届けてやるか!」的な傍観者として見た方が精神的に楽だと思います。
この「土曜日版」だけの評価なら、“騒動至上主義” と “《暢子が正しい》を基準とする展開” は薄まっていませんでしたね(涙)
やはり、先日の総集編や土曜日版のように、言い訳に使える映像素材がなかったということだと思います。
それが、今作のメイン監督が演出した週ですから、先が思いやられます…
あとがき(その2)
さて、世の中のいわゆる “考察廚” と呼ばれる人たちも、この連続性のない連ドラでは考察のしようがないのでしょうね(苦笑)
結局、考察を諦めて、重箱の隅を楊枝でほじくるような “粗探し” に走っているようです。例えば下↓…
でも、粗探しとかミス捜しは、本編が秀作だからこそ面白いし、感心するのです。
例えば、有名な映画シリーズ『スターウォーズ』でも、数々の撮影・編集ミスが指摘されています。良かったら、見てみてください。
あとがき(その3)
また、一部地域限定かも知れませんが、今日(7/16)の午後3時からフジテレビ系で映画『ジョーズ』が放送されます。
サメが来るのは展開上わかっているのに、それでも演出は煽ります。煽って煽って、脅されるのがわかっているのに驚いちゃう。
そんな若かりし頃のスピルバーグ監督の一流の演出を見て、気分転換するのもアリだと思います。
そして、ドラマ『HERO』の「♪ダラッ、ダラッ」のイントロは、「♪ダ~ダッ、ダ~ダッ」のイントロだけで『JAWS』とわかるジョン・ウィリアムスのメインテーマへの服部隆之氏のオマージュなのです。
是非、名作を見て心を洗いましょう!
では、来週も一緒に毎朝観ながら「ちむわじわじー」しましょう(苦笑)
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
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第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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第13週『黒砂糖のキッス』
61 62 63 64 65 土
第14週『渚の、魚てんぷら』
66 67 68 69 70
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