ユニコーンに乗って (第2話・2022/7/12) 感想

TBS系・火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
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第2話『おじさん部下とドタバタな毎日!』の感想。
元銀行員の小鳥(西島秀俊)を仲間に加えた新生「ドリームポニー」。佐奈(永野芽郁)は早速ネットの仮想空間に誰もが無料で通える学校を作るという目標を設定!実現に向け、資金獲得に奔走するも簡単にはいかず…。そんなとき、アナログ人間の小鳥は小さなトラブルを連発!そんな小鳥に佐奈はついイライラ…。一方須崎(杉野遥亮)は、元カノの凛花(石川恋)と、とあることで会うことになり。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大北はるか(過去作/グッドドクター、ラジエーションハウス1,2)
演出:青山貴洋(過去作/下町ロケット2、天国と地獄、DCU) 第1,2話
棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013、死役所、インジビジブル)
泉正英(過去作/病室で念仏…・、TOKYO MER、インジビジブル)
音楽:青木沙也果(過去作/この初恋はフィクションです)
主題歌:DISH//「しわくちゃな雲を抱いて」
本格的に始まった第2話としては、正しい方向性
第1話を見た感じでは、≪お仕事ドラマ≫と≪青春ドラマ≫と≪第二の青春ドラマ≫の三つの要素でも、相当欲張りな企画な作品だと思ったが。
初期設定の説明が終わった第2話となり、イマドキの仕事に慣れない元銀行員の小鳥(西島秀俊)を仲間に加えた新生「ドリームポニー」を描いてきた。
そのため、方向性が≪お仕事ドラマ≫の比重が大きいドラマになってきた。
やはり、欲張り企画のままでは全体が曖昧のままだから、良いとは言えない。
その意味では、方向性を絞り込んで、少しだけ他の要素も匂わせたのは、本格的に始まった第2話としては正しいと思う。
小鳥をあそこまで"デジタル音痴"に描く必要性について
ただ、少しだけ気になるのは、小鳥くらいのキャリアがある人を、あそこまで “デジタル音痴” に描くの不自然ではないか? って部分。
会社内での「デジタルデバイド(デジタル機器を使いこなせない人と、使いこなす人との間に情報格差)」を強調する必要があるのか?
もちろん、決して “絶対的なアナログ推し” に描いているわけではないが…
でも、この類の “ギャップ” を描く必要のあるキャラクターの場合、大切なのは〔徹底的に攻めの姿勢で、ギャップを描くこと〕だ。
ドラマとして面白くするためには、これくらい「?」を思わせる程度までは攻めて描くのは間違っていない。
「全体の整合性はどうなってるの?」と思ってしまった場面
但し、他の部分では「全体の整合性はどうなってるの?」と思ってしまった場面もある。
それは、各登場人物たちの “公私の線引き” が曖昧なこと。
例えば、アプリをPRしようと人気のカフェに来るくだり。
須崎(杉野遥亮)は元カノの凛花(石川恋)に、佐奈(永野芽郁)は妹・依里(武山瑠香)に直接会った。
今作は《青春ドラマ》に “恋バナ” を欲張って内包してしまっているから、描かざるを得ないのは理解する。
しかし、そもそも、わざわざ鉢合わせさせる必然性がない。
しかも、佐奈も須崎も “仕事に紐づく行動” を “プライベート” で描いている。
その対照的なシーンが、森林の中で小鳥が早智(広末涼子)に偶然出会うくだり。
こちらは、40歳過ぎのキャラと若者キャラとの違いを描くために必要だ。
そして、小鳥は仕事とプライベートを切り分けるために、休日にバードウォッチングをしている。
でも、そこで偶然に “仕事に紐づく行動” を取らざるを得なかったのだ。
そう、後者は、小鳥が “公私の線引き” をしようとしているのに、早智が突然現れたハプニングで “日常” が “非日常” へ変わったのだ。
登場人物を “非日常” に置くのは “ドラマ” として、とても重要。
だって、“ドラマ” はキャラの “非日常” から動き始めるものだから。
しかし、前者のカフェのシーンは違う。
仕事がらみの言動で動いて、プライベートを盛り込んでいるのだ。
これは、ハプニングであり、トラブルではあるが、残念ながら “非日常” ではない。
だって、あのような結果になるのは、当事者だってわかっていたはずだから。
≪お仕事ドラマ≫の大原則として、公私の線引きはちゃんとした方が良い
結局、前者も後者も「プライベートで仕事のことを考える、仕事がらみをやる」の部分では似ているが、実は似て非なるものなのだ。
ここで忘れてはならないのは、今回で描いたのは、小鳥が就業時間内で必死にデジタルを含めた「ドリームポニー」流のやり方に奮闘している姿だということ。
例えば、海斗(坂東龍汰)が小鳥を “サボリーマン” だと揶揄したシーンだって、脚本家の意図は「小鳥は仕事中に仕事をする」なのだ。
そう、脚本家は、小鳥は “公私の線引き” ができる人として描いているのに、佐奈たちは “公私混同” しているのだ。
これ、インフルエンサーに依頼するのも、会場をリサーチするのも “仕事” なのだから、どっちも就業時間内にやるべきだったと思う。
まあ、百歩譲って、“公私混同” するのも「若い人たちの会社だから」と受け取っておくが…
やはり、≪お仕事ドラマ≫の大原則として、公私の線引きはちゃんとした方が良いと思う。
うまくやれば、多くの人たちに夢や希望を与えるドラマになるかも…
全体的には、第1話より好印象だ。
それこそ、若い人たちは「?」と思うかも知れない。
でも、最近のドラマは、「13歳から49歳の女性視聴者」をターゲットにつくり、コア視聴率を上げるのに必死な作品が多い。
これが原因で、どれもこれも似たような作品になってしまうのだが。
それは、置いておいて。
今作は、劇中の台詞にもあったように、「ジェネレーションハイブリッド」を狙っている可能性がある。
それこそ、男女を含めた幅広い層に向けて制作しているかも知れない。
だから、欲張り企画になっている可能性は払拭できない。
しかし、イマドキのドラマにしてはちょっと古臭い台詞を小鳥に言わせていた。
小鳥「同じプライドなら
誇りの方を大事にしたいと思っています
自分の仕事に誇りを盛っていれば
どんなことでも やりがいに変わりますから」
この台詞、幅広い人たち、特に中高年の人たちには刺さったのではないだろか? 当然、若い人たちには、須崎のように感じるだろうが。
恋愛要素が顔を覗かせる度に「またか~」の印象はあるが、全体的には明るくて前向きで悪くないと思う。
いや、うまくやれば、多くの人たちに夢や希望を与えるドラマになるかも知れない…
あとがき(その1)
今回の小鳥の戸惑いっぷりを見ていたら、以前の自分を思い出しました。
10年程前でしょうか。5年ぶりに結婚披露宴の現場に復帰したら、音源はMDからSDカードに、音響卓はアナログからデジタルへ、資料もペーパーレス化。
慣れるまで大変でしたが、逆にデジタルだと階層が深くなってチャックのし忘れが起こる事例がある事を見つけたこともありました。やはり、排他的な考え方は注意が必要ですね。
あとがき(その2)
今作に限ったことでは無いですが…
特に、今朝、ネットの記事を読んでみると、意外にもSNSでは「○○がリアルじゃない!」的な意見が多いと知って、驚きました。
まあ、どんな作品にもアンチな人はいるし、粗探しを楽しみに見ている人もいるのは承知しています。
ただ、今作を含めて “ドラマ” って「フィクション」、「創作物」なのですよ。
刑事ドラマで凶悪犯がシートベルトを締めて車を運転して逃げることや、カリスマ外科医が脳外科から臓器移植、動物診療までするのを許容するなら、「なぜ?」しかないです。
それこそ、昨日(7/12)の朝ドラ『ちむどんどん』で、「スパークリングワインが泡立っていない!」だって(失笑)
ツッコむのは、そこじゃないのに…
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【これまでの感想】
第1話
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