星新一の不思議な不思議な短編ドラマ[再/地上波初] (第3回・2022/7/6) 感想 ※ネタバレと"伏線と回収の解説"あり!

NHK総合・夜ドラ『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』
公式リンク:Website、twitter、Instagram
第3回『不眠症』の感想。
なお、原作は既読。BSで放送中の今作は未鑑賞。
ある事故をきっかけに極度の不眠症に陥った男。新しい枕や睡眠薬を試すも効果がない。たまりかねた男は…!?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
【全話共通スタッフ】
原作:星新一
総合演出:望月一扶(過去作/植物男子ラベンダー)
テーマ曲:出羽良彰(過去作/専業主婦探偵~私はシャドウ~)
タイトル:caico design(kidkanevil - Kyomu ft Phasma (Official Video))
sankaku(『おにぱん!』のOP(ED)のモーショングラフィックス)
サウンドデザイン:長澤佑樹(過去作/あなたの番です 劇場版)
音響効果:阿部真也(過去作/あなたの番です)
美術:森健彦(過去作/ガリレオΦ)
衣装:宮本茉莉(過去作/浅草キッド(Netflix))
メイク:原さとみ
ポスプロスーパーバイザー:稲村剛義(都立水商!~令和~)
映像技術:久野星香(ニッポンに蒸気機関車が走った日)
制作統括:柴田直之(70才初めて産みます~セブンティウイザン、オリバーな犬(Gosh!!))
ほか
制作:NHKエンタープライズ
制作/著作:NHK、テレコムスタッフ
※敬称略
【各話演出・脚本担当スタッフ】
【1】ボッコちゃん:近藤泰教(過去作/植物男子ベランダー)
【2】生活維持省:望月一扶(過去作/植物男子ベランダー)
【3】不眠症:尾沼宏星(過去作/不明)
【4】地球から来た男:永岩祐介(過去作/不明)
【5,6】善良な市民同盟 前・後編:安里麻里(過去作/ただ離婚してないだけ)
【7】逃走の道:渋江修平(過去作/シリーズ・江戸川乱歩短編集)
【8】見失った表情:菅井祐介(過去作/植物男子ベランダー)
【9】薄暗い星で:望月一扶(過去作/植物男子ベランダー)
【10】白い服の男:萩原翔(過去作/小野田さんと雪男を探した男)
【11】ものぐさ太郎:加藤秀章(過去作/不明)
【12】窓:平田潤子(過去作/ペンダント イヴ)
※敬称略
今回の感想は「ネタバレ」を含みます!
今回は「ネタバレ」を含みます。知りたくない方は読まないで…
ネタバレありの実写ドラマ版のあらすじ
事故の後遺症で、数か月間も不眠症に悩む青年がいた。
彼は眠るための努力を続けたが眠ることが出来ず、昼も夜も働くことにした。
そのことで、相当額の貯金ができた。
そんなある日、医師からから海外の高価な睡眠薬を使えば治るかもしれないと告げられる。
その金額は彼の貯金でも足りない高額だったが、青年は投薬を受け入れベッドにる。
男はベッドで目覚めるが、「薬は効かなかった」と不満をこぼす。
しかし、医師は「あなたは事故の後ずっと眠っていた。目覚めさせるには海外の高価な薬を使うしかなかった」と告げられる。
不眠症で働き続けた時間は “全て青年の夢” だったのだ。
そして、医者から渡された請求書を見た男は、こう言って病院から逃げ出す…
「寝ないで働いたって返せっこない!」
そして、青年はベッドでけだるそうに目覚める。
そう、ここまでが “全て青年の夢” だったのだ。
「伏線と回収」がわかりやすい上に作家のセンスが抜群に良い
なぜ、今回は「ネタバレ」するのか?
それは、最近、ドラマ好きの間で話題の「伏線と回収」が、この『不眠症』で、わかりやすい上に、作家のセンスが抜群に良いからだ。
まず、今作の伏線は「事故で頭を負傷した青年が、後遺症による不眠症に悩んでいた」だ。
おいおい、それは「初期設定ではないのか?」との声が聴こえてきそうだが、その通りだ。
今作のようの「短編」では、「伏線と回収」の “距離” を離しておかないと、ストンと落ちないのだ。だから、冒頭で申告する。
そして、読者(視聴者)に、「眠れないのは事故の影響だ」と思い込ませる。これが “伏線の軸” だ。
このポイントは、「眠れない≠事故の影響」だとは、具体的に語って(描いて)いないこと。
そして、今作の “回収” が鮮やかなのは、一般的に稚拙なオチと呼ばれる「夢オチ」を、もう一捻りして「不眠症が夢だった」と、「寝てないのに夢を見ていたの?」と予想をひっくり返して、提示するのだ。
この辺のセンスの良さは抜群だと思う。
あとがき(その1)
原作よりも実写ドラマ版の方が、眠れない男が “睡眠” を捨てて人生を謳歌すればするほど、空虚感にさいなまれるくだりが強調されていますね。
それによって、ちょっぴりヒューマンドラマの部分が強めに出ていたのが、新解釈でしょうか。
半年間、不眠症が依頼を受診した経験のある私にとっては、これもまた、魅力的な解釈だと思います。
あとがき(その2)
原作は、薬を飲んだ後、男は爽やかに目覚めますが、実写ドラマ版では「眠れなかった」と不満をこぼします。
これも、不眠症あるあるで、寝ているのに寝ていないと錯覚する人が多いことを反映しているのかと思います。
また、できれば「未見の読者さん」にも見逃し配信なので楽しんで頂きたいので、ネタバレのコメントは控えていただきますよう、ご協力お願いします。【今作用のテンプレです】
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