連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第62回・2022/7/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第62回〔全120回〕/第13週『黒砂糖のキッス』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)が務めるイタリア料理店フォンターナで、厨房のスタッフが3人同時に退職をするという大事件が起こってしまう。通常なら営業することはできない。しかし、オーナーの房子(原田美枝子)は、店は休まないと宣言する…。果たして無事に一日を終えることができるのか…。そんなとき、暢子と話すために、愛(飯豊まりえ)がやってくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8,13週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
褒められる時に褒めておかないと、次がいつになるか…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
立った、立った、クララが立った! わーい!
ではなくて…
暢子が仕事をしている!
先日の6月末の異常気象ともいうべき猛暑は、この予兆だったのか!? そう思えてしまうほど、ありえん展開だ。
とにかく、驚きは、暢子(黒島結菜)が仕事をしている上に、上司の言うことを聞いて動いていることや、自分から仕事を見つけて動いていることだ。
おお、これ、暢子の仕事史上では初、暢子の人生史上では、高校時代の料理部対決以来の2度目では?(苦笑)
これまでも、暢子が意地を張って単独で厨房で動く場面はあったが、今回は房子(原田美枝子)の指示に反応して動いているし、他のスタッフの言動にも気を配っている。
更に、客に給仕するだけでなく、客の反応を見る余裕まで描いた。
これは、唐突すぎるとは別のこととして、褒めるべき描写だ。
そもそも、これくらいを"暢子の日常"として描くべきだった
いやいや、褒めるのは早いか…
そもそも、これくらいを “暢子の日常” として描くべきだったのだ。
過去にも、似たような描写があったのは認める。
しかし、そこには、プロの料理人らしさが、ほぼ感じ取れなかったのだ。
しかし、今回の描写なら、なんとかプロの料理人らしくは見える。
なぜ、こんな簡単なことをやらずに進んでしまったのか疑問だし、できるならさっさとやってくれ! と愚痴も言いたくなる…
暢子が「諦める」と、わざわざ愛に宣言した理由が不明瞭…
但し、褒めるのはここまでだ。
暢子「きれいさっぱり諦める」
予告編通りの展開だが。
なぜ、仕事が忙しくて、オーナーの働く姿に見惚れて、清々しい汗を流した、充実感に満ちた夜の仕込み作業の中で、和彦(宮沢氷魚)を「諦める」と、わざわざ愛(飯豊まりえ)に宣言したのかが、良くわからない。
「片思いなんて、そんなもの…」とか、「仕事が充実していれば、恋愛よりは…」なんて、ご都合主義的な辻褄合わせを必要としているのではない。
暢子の台詞を含めた言動から、そのような理由がにじみ出なければ意味が無いのだ。
そう、映像で見せてもらったから、「そうなのか…」と思うしかない。
しかし、そこに至る過程が雑にしか描かれていないから、納得しがたいのだ。
主人公の言動に一貫性を感じ難い理由を数学問題に例えると
数学大好きな私だから、ちょっと数学に例えてみる。
例えば、次のような数学の難しい計算問題があるとする。その問題は…
結婚相手のいる男性を好きなった女性が、男性の交際相手の女性に、どんな言動をとるのか?
その模範解答は、「片思いの女性が身を引く」だ。
だから、今回の暢子の答えは、模範解答と整合性がある。
しかし、答えを導き出すための、途中計算が雑なのだ。
何となく、それらしい計算式を幾つか並べて、お茶を濁しているような感じだ。
私の例えが貧弱で分かりづらいと思う人は、下記のサイトを参照して欲しい(汗)
数学得意な子達の途中式は美しい!
計算問題で丁寧に途中過程を書き出すことができるかできないかで数学の能力に明らかな差が見られる
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このサイトは、次の言葉で締めくくられている
結局、あまり省略せずに書き出す事が近道。
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正に、その通りなのだ。だから、今作は “連ドラ” なのに、主人公の言動に一貫性を感じ難い。
まあ、最近書いているように、今作はすぐに1週間単位で “白紙状態” にして、仕切り直してしまうのだ。先週と今週も、上記の通り。
だから、もう、とっくに “連ドラ” として取り返しがつかないくらいに破綻していると思う。
和彦と愛の結婚話が停滞している理由がすり替わっている?
更に、良くわからないのが、和彦と愛の結婚話が停滞している理由が、すり替わっているように見えることだ。
具体体には、当初は、理由が暢子への未練か、仕事の夢かは不明だが、停滞しているのは “煮え切らない和彦” が原因に描かれていた。
しかし、今週に入ってから、愛の “仕事への未練” と “優柔不断な和彦への不満” が原因に、すり替わっているように感じてしまう。
いや、もっと遡(さかのぼ)れば、愛の両親が二人の気持ちを無視して、結婚話を進めることへの “和彦と愛、二人の問題” だったのだ。
そこへ、劇中の時代背景として、“男女差別問題” を盛り込んで、更に愛の仕事を強引に加えて描いてきたのだ。
だから、そもそもで言うなら、「ポークたまご」の頃から、じわじわとすり替えて来たのが今作なのだ。
今作が描くべきなのは、主人公・暢子の変化や成長の物語!
だったら、「ポークたまご」の時、前回の感想でも書いたが。
愛が「ポークたまご」と取り分ける時に、和彦や智(前田公輝)ら男たちの期待を裏切って、「ポークたまご」を均等に4等分して、「女だって、食べないと働けないから。ねっ、暢子ちゃん?」みたいに言わせるべきだったのだ。
もちろん、その前に、連ドラとして、ちゃんと、「暢子の新聞社修行」のくだりで、ミスをした和彦を、暢子と愛が協力してナイスアシストする “伏線” がなければ、「諦める」で “回収” すら出来ずに、ゴミ収集車は走り去ってしまうが(笑)
やはり、愛の仕事をここまで食い込ませるなら、「男性社会」で孤軍奮闘する女性として、暢子と愛を連携&連動して描くべきだし。
なんなら、その大先輩として房子を絡めて、より暢子が房子に一目置くような展開でも良かったのだ。
だって、今作が描くべきなのは、脇役の結婚話ではなく、主人公・暢子の変化や成長の物語なのだから…
本気で「全話の構成」を考えてから、執筆を始めたのか?
結局、暢子の次の台詞に帰着するのだ。
暢子「うちも いつか オーナーみたいに なりたいさ」
だったら、6月21日(火)放送の第11週『ポークとたまごと男と女』の「第52回」で、矢作(井之脇海)が房子の “親戚贔屓” に対して、次のように愚痴をこぼした時…
矢作「結局 親戚だもんな。世の中 コネには かなわねえや」
今回、辞めた3人が、ず~っと “わじわじー” していることを描いて、前回に繋げるだけで良かったと思う。
別に、騒動も恋バナも必要なかったのだ。ただ、「フォンターナ」の人出が急に不足して、房子が厨房に立てば良かっただけ。
まあ、そう考えてしまうと、更に1回前の「第51回」で二ツ橋(高嶋政伸)が両足骨折で入院した時に、房子が厨房に立てば、10回分は省略できた計算になる。
ホント、本気で「全話の構成」を考えてから、執筆を始めたのか疑いたくなる…
高校時代の料理対決のライバルを男子生徒にしても良かった
これ、一度見ただけでは本当に良くわからないから、3回見直してみた。
で、この私の “わじわじー” した感情の根っこは何なのかを考えてみた。
実は、すり替わっているのは “和彦と愛の結婚話が停滞している理由” だけではないのだ。
今回の全体の落としどころは、「女性が輝くのは、好きな仕事をバリバリやること」のようになっていた。
しかし、そこが、もう “わじわじー” するのだ。
まず気になるのは、その落としどころに、かなりの成分として「男性社会で女性として活躍する=女性の輝き」が入っていること。
まあ、時代を考えれば「女性として」という成分を強調したいのはわかるが。
そもそも、暢子は「女性コック」になりたいのではなく、「東京でコックさん」になりたいだけだったのだから、そこのフラグが弱いのだ。
だったら、最初から、「東京で、女性でもバリバリ働くコックさん」まで言及しても良かったのだ。
まあ、それを言ったら、いっそのこと、料理対決をした南山原高校の料理部部長・屋良ひとみ(池間夏海)を “男性キャラ” にして、男女対決しても良かったくらいだ。
そう、暢子に「料理じゃ、男性には負けない!」くらいの負けん気を出して。
でも、一方では、父に教わった沖縄料理の味が、暢子の料理の原点になっているという “複雑さ” や “深み” を持ち合わせた主人公でも良かったと思う。
あとがき(その1)
愛も、この度の「ファッション企画」を発端に、本気で仕事に軸を置くのか、独身時代の最後の思い出づくりなのかが、不明瞭なんですよね。
それは、暢子が、「女性コック」なのか「コック」なのか、目指すのが曖昧なのと一緒。
もう、テーマ的な部分が曖昧では、どうしようもありません…
あとがき(その2)
最後に。暢子(黒島結菜)より愛(飯豊まりえ)の方が、タマネギの薄皮剥きの下処理作業が上手いって?(苦笑)
演出家さん? 出来る人、やりたい人にやらせるのでなく、できない人に芝居を合わせないと、世界観が崩壊しますよ。
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
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第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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