連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第60回・2022/7/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第60回〔全120回〕/第12週『古酒(くーす)交差点』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)と愛(飯豊まりえ)の様子を偶然に見てしまったことに動揺する。賢秀(竜星涼)がひょんなことから暢子の勤め先、レストランのフォンターナで、房子(原田美枝子)の酒を勝手に飲んで酔いつぶれてしまい、迎えに行った暢子は、房子とふたりで差し向かいで酒を酌み交わすことになってしまう。房子との会話の中で、暢子は生まれて初めての「恋愛感情」に気づいてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
今作は、添削問題として、"超初級クラス"の簡単な問題集!
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
昨日、ある読者さんの質問に「今作は添削問題のつもりで見る方が良い」とお答えした。
そう、要は「間違い探し(粗探しではない)」のつもりで見れば、少しは気が楽になるってこと。
だって、添削問題として、“超初級クラス” の簡単な問題集、いや、ドリルだから。
毎日、解けば、少しは実力がつく…(笑)
いきなり和彦を意識している暢子の心情が良くわからない!
しかし、今回は全体の半分が終わる記念すべき「第60回」だから、それなりに難問になっていた。
私なんて、つくり手たちが、今回、今週で描きたいことの本質が全く見えて来ないから、今回を3回も見直してしまった。
そして、得られた結論は、“今さら” になって “暢子の初恋” を “ダラダラ” と描いて “暢子の成長” を描いている “つもり” だということだ。ふ~~~っ。
そもそも…
愛(飯豊まりえ)が初登場したのは、ちょうど1か月前の5月31日(月)の第37回での東洋新聞社のシーンだ。
そこで、大人になった、和彦(宮沢氷魚)とも再会を果たした時だ。
(劇中の)時は、今から5年前の昭和48年(1973年)で、暢子は20歳の時。
「新聞社修行」のくだりで、視聴者も暢子も、和彦と愛が “恋人同士” であることは(描かれていたから)既知の事実のはずなのだ。
それなのに、アバンタイトルから、無理矢理に取り立て、“暢子の横恋慕” や “暢子の嫉妬心” を描き始めた。
別に、和彦と愛の見てはいけない現場を見たわけでもないのに、いきなり和彦を意識している暢子の心情が良くわからない。
それも、婚約して結婚直前の和彦を突然に意識し始めた理由がわかりにくい。だから、「無理矢理に取り立て」と感じてしまう。
"赤ペン先生"こと、管理人みっきーの模範解答は、こちら…
ここで、添削。こんなの簡単なのだ。
智(前田公輝)と和彦に対する暢子の立ち位置を正確に描けば良かったのだ。
まあ、智については、“兄みたいな存在” だから、スルーしても差し支えない。
しかし、ここまで和彦を絡めるなら、絶対に “暢子と和彦の関係” を、着実に積み重ねて描くべきだったのだ。
上記が、“赤ペン先生” こと、管理人みっきーの模範解答だ。
何事も計算し尽くした "下地" や "基礎" が必要!
それこそ、タイムスリップできることなら、子ども時代の… 東京からの転校生・青柳和彦(田中奏生)が東京に帰った後も、暢子(稲垣来泉)と文通をしばらく続けていた設定にしておいて…
高校に進学した頃からお互いに忙しくなって疎遠になり、新聞社で偶然再会すれば良かったのだ。
そうすれば、和彦に恋人の存在がいても、暢子と和彦は互いの気持ちを文通で何となく感じていたように描いておけば、この度の “横恋慕” も、少しは説得力を持つ。
やはり、何事も計算し尽くした “下地” や “基礎” が必要なのだ。
そして、その “下地” や “基礎” を視聴者がきちんと納得できていれば、恋の結末がどうなろうと、視聴者は受け入れられるはず。
だって、暢子が和彦を略奪しようが、身を引こうが、それは “暢子の選択” だ納得するしかないのだから。
結局、どんな展開になろうが、視聴者が受け入れられるか? 納得できるか? 次第で評価は分かれる。
だから、何度も書くが、計算し尽くした “下地” や “基礎” が必要なのだ。
そして、“下地” や “基礎” を展開に活かし続けることこそが、“連ドラ” なのだ。
わざわざ粗探しをしなくても、最初からず~っと見えている
しかし、今作は、先日も書いたように、簡単に “白紙状態” にしてしまう。
この度のエピソードだって、子ども時代の暢子と和彦の関係は、完全に “白紙状態” にしてしまったのだ。
これでは、“連ドラ” とは言えない。
「#ちむどんどん反省会」「#ちむどんどん離脱」の人たちが天下を取ったように、粗探しをやっているようだが、こんなのわざわざ探さなくても見えているのだ。
潮干狩りに例えるなら、砂地を掘り起こさなくても、波間にたくさん浮いているのだ(涼)
今日のドリルの【注目問題】
では、猛暑で暑くて辛いから、ぼちぼち、サクッと今日のドリルの【注目問題】に移ろう。
今日のドリルの【注目問題】は、終盤に描かれた暢子と房子(原田美枝子)が、“二人で差し向かいで酒を酌み交わしたシーン” だ。
なぜ、このシーンが【注目問題】なのかというと…
つくり手にとっては【視聴者向けの超サービス問題】につくったのに、実は、つくりてにとっては【間違いだらけの回答】と、皮肉な結果になったからだ。
では、つくり手にとっては【視聴者向けの超サービス問題】、ジャジャン!
問題… 「あれで、一体なにを描きたかったのか?」
出題者の模範解答は、「暢子が生まれて初めて “恋愛感情” に気づいた衝撃」だと想像する。
確かに、普通に見ていれば、模範解答に間違いはない。
確かに、暢子が “恋愛感情” に気づいて驚いているのだから。
つくり手の模範解答には、大きな穴が2つも空いている!
しかし、この模範解答には、大きな穴が2つも空いているのだ。
1つ目の大穴は、房子に “わざわざ” 暢子の母・優子(仲間由紀恵)と父・賢三(大森南朋)の話をさせ…
更に今回の序盤で、良子(川口春奈)(土屋希乃)と歌子(上白石萌歌)に家族や夫婦の話をさせ…
賢三の遺影までインサートカット(挿入)したのに…
なぜ、暢子に父のことや、父と房子の昔の思い出話を聞かせなかったのか? ってことなのだ。
だって、なに一つとして “直接的な行為” を目撃したわけでもなく、時代はあろうが普通に婚約者同士が “直接的な行為” をしようとしているのを偶然に目撃しただけで、あれだけの行動に変化が表れるのが暢子。
だったら、ず~っと気になっているはずの “東京にいた時の父” や “父を房子の関係” を、“酒のチカラ” を借りて、聞き出しても良さそうな。
なぜ貴重な"2人のプライベートシーン"をもっと利用しない?
もう1つの大穴は、わざわざ暢子に「やんばるの頃に 戻りたいさぁ」まで言わせたのに、暢子に実家へ電話をさせなかったこと。
それこそ “酒のチカラ” を借りて、社長室の電話を勝手に使って、遠距離電話を掛けさせれば良かったのだ。
例えば、小論文的に私の回答を書くなら…
暢子が千鳥足で電話に辿り着いて、もどかしい手つきで電話を掛けようとする…
「どこに掛けるの?」「実家です!」「酔っぱらってるし、夜だからやめなさい!」と房子の制止する暢子に、「オーナー、シェフ代行の私にダメっていうつもりですか!」と食って掛かって…
「あなた、本当に酒癖悪いわね。お父さんは、きれいにお酒を飲む人だったのに…」とかね。
要するに、親戚関係なのに、(依怙贔屓(えこひいき)はしていたが…)人前では “他人行儀” だった暢子と房子が、ほぼ “初めて” 親戚のように描かれた、言わば貴重な “二人のプライベートシーン” なのだから、なぜ、もっと効果的に利用しないのか? ってことなのだ。
今回の表現では、単純に、房子が人生の先輩の親戚として、暢子のもどかしさに我慢できなくなり、つい口を出して “恋愛感情” に気づかせてあげただけ… になってしまった。
模範解答は間違っていないが、大きな減点要素がある!
「暢子が生まれて初めて “恋愛感情” に気づいた衝撃」という、出題者の模範解答は間違っていない。
しかし、「暢子と房子の貴重な “二人のプライベートシーン” で、あなたが脚本家や演出家だったら、何を描きますか?」という小論文のテーマだとしたら、上記の模範解答では、大きく減点対象だ。
今道 琢也 (著)『全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文』に書かれている、合格ラインを超えるための「12の減点基準」を例に挙げると…
●消極的な表現で印象を落とす
●課題解決型の問題を「一点突破」で押し切る
上記の2つに引っ掛かる。
要は、もっと “家族” や “夫婦” を絡めて、“恋愛” や “結婚” を描けば、より “二人のプライベートシーン” が際立ったし、次週の展開を「続きが見たくなる」に出来たかもしれないのに、〔恋愛教授〕だけで終わらせたから、大きく減点ってことだ。
俳優さんたちは手抜きや妥協せず、ベストを尽くしてる!
最後に、今回を見て、改めて感じたのは、黒島結菜さんをはじめ、俳優さんたちは手抜きや妥協せず、ベストを尽くして演じておられるということ。
これだけは、しっかりと画面から伝わってきた。
※演技の良し悪しについては、個々の好みがあると思う…
それだけに、脚本や演出には、残念という気持ちしかない。
だから、俳優さんたちのためにも、リアルタイム視聴してから、休憩することなく、こんなに時間をかけて感想を書く気になったのだ。
あとがき(その1)
感想の下書きをしながら、次のことを考えました。
今作の主人公と、物語の初期設定には、そもそも、毎朝、全120回を描き通せるだけのポテンシャル(潜在能力)が無かったかも知れない… ってことです。
この件については、再構築して、【脚本プチ講座】として、別の投稿にまとめようかと思います。
あとがき(その2)
「イタリアワインの女王」バルバレスコ(Barbaresco)の1970年のヴィンテージは当たり年ではありません。
更に、房子が秘蔵の高級ワインの産地と言っていたのは、次の4つの州です。
ピエモンテ州は、イタリア共和国北西部に位置する州。州都はイタリア第四の都市であるトリノ。
ロンバルディア州は、イタリア共和国北西部に位置する州。州都はイタリア第二の都市であるミラノ。
トスカーナ州は、イタリア共和国中部に位置する州。州都はフィレンツェ。
カンパーニャ州は、イタリア共和国南部のティレニア海沿岸にある州。州都はイタリア第三位の人口を擁する都市であるナポリ。
あとがき(その3)
では、最後の最後に。「値段より、美味しいと思ったワインが世界一」をモットーにしているワイン好きのみっきーがおすすめする、暑くなると飲みたくなる、イタリアのスパークリングワイン「プロセッコ」と「フランチャコルタ」をご紹介します。
「プロセッコ」は、リーズナブルで、発砲が強くて、飲み味がスッキリしているのが特徴です。水の都ヴェネツィアを州都にかまえる北イタリアのヴェネト州でつくられてます。洋なしやメロンなどの甘い果実の香りが特徴です。
「フランチャコルタ」は、少しお値段が高いですが、イタリアワイン最高ランクの「DOCG」に分類され、フランスのシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵なので、品質は良好です。酸味と甘みがバランスよくて、焼いたトーストの香りも楽しめます。
また、飲み残しても、ちゃんとシャンパンセーバーを使って選をして冷蔵庫で保存すると、翌日には芳醇な味わいを楽しめます。
【注目のネット記事】
日本ドラマ復権なるか…NHK「チームで脚本作り」の挑戦と勝算
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※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22> 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
36 37 38 39 40 土
第9週『てびち!てびち!てびち!!』
41 42 43 44 45 土
第10週『あの日、イカスミジューシー』
46 47 48 49 50 土
第11週『ポークとたまごと男と女』
51 52 53 54 55 土
第12週『古酒(くーす)交差点』
56 57 58 59
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