連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第59回・2022/6/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第59回〔全120回〕/第12週『古酒(くーす)交差点』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は起業した智(前田公輝)の元を訪れると、智は働き過ぎで倒れてしまっていた。三郎(片岡鶴太郎)たちと、和彦(宮沢氷魚)までが手伝って智の仕事の穴を埋め、事なきを得る。暢子と和彦はその騒動を通して仲直りを果たすが、その夜、暢子は和彦と愛(飯豊まりえ)の恋人同士の模様を偶然目撃してしまう。その頃、賢秀は偶然知り合った会社員の女性との片思いが急展開…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
今回は "納得していない点" について集中的に書いてみる…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
ここ最近の投稿では、つくり手たちの潜在的な事情については一定の理解を示していることは書いている。
しかし、これっぽちも「本放送」の内容については納得していない。
今回は、その点に注視して感想を書こうと思う。
「アバンタイトルと主題歌明けの状況設定」を復習…
最初から、少々面倒な話になって恐縮だが。
冒頭は、前回、智(前田公輝)の「今度 差し入れでも持って 事務所に遊びに来い」の誘いを受けた暢子(黒島結菜)が「明日 仕事 昼からだから 行こうかな」と言って、手作りのサーターアンダーギー持参で智の店を訪れると、智は働き過ぎで倒れてしまっていた… こんな設定だ。
そして、智が倒れてあたふたしているところに、電話が鳴り、暢子は受注だけして、どこかへ助けの電話をした。
更に、三郎(片岡鶴太郎)や順次(志ぃさー(藤木勇人))ら鶴見の沖縄県人会の人たちや和彦(宮沢氷魚)が駆けつけて、とにかく今日一日、店の手伝いをすることになった。
そして、智の事情を知った房子(原田美枝子)は暢子の休暇を許可した… これがアバンタイトルと主題歌明けの状況設定だ。
「連続性の欠如」や「異常な唐突感」は、あれこれ文句を言っても変わらないから、この感想から「ちむどんどんテイスト」として、諦めることにする。
まあ、「作風」ということだ。どうしようもない…(困)
賢秀と良子を全削除して、残りを "4倍" に拡大するべき!
しかし、主題歌を挟んでいるから、実質3分半程度の上記の内容を12分ぐらいまで “4倍” に拡大して(希釈ではない!)、終盤の3分に直結すべきだったと思う。
なぜか?
答えは簡単だ。
実質的に「暢子が映っていた場面」は、「驚いて」、「電話して」、「メモして」、「看病して」、これだけだからだ。
これのどこが、“暢子でしかできないこと” で、“暢子の成長” や “暢子らしさ” なのか全くわからない。
私が考えるのは、なぜ、幼馴染で、東京に心を許せる知り合いのいない智が倒れるという “急場” をつくったのに、そこに“暢子でしかできないこと” や “暢子の成長” を、脚本家が盛り込まずに平気だったのか? なのだ。
今作は、誰もが知るように、実在のモデルが存在しない “完全フィクション” だ。従って、予算やスケジュール調整ができる範囲で自由なのだ。
だったら、“プロ” なら、そこにもっと注力すべきだったと思う。
こうすれば、暢子が「床に伏していた智のそばにいた」だけにならなかった…
例えば… 注文の電話が入るタイミングだ。
これなんて、もっと “あと” にするだけで前々印象が違ってきたはず。
まず、倒れたら、暗記している電話番号で、下宿している沖縄料理居酒屋「あまゆ」の大家・順次に電話をする。
この時も「もしもし、順二さん?」とか「もしもし、大家さん?」と名前を呼ぶのだ。
そして、「私、三郎さんにも電話します」と言って、今度もメモ帳を見ずに電話をかける。
もう、これだけで、暢子は、お世話になっている人たちの電話番号を記憶していることが、視聴者に伝わる。
70年代は、みんな10~20個程度の電話番号は記憶していたものだ。
そんな時代背景も同時に描ける。
そして、三郎たちが駆けつけたあたりで、受注の電話が入ったらどうだろう?
発注を受けるか悩む暢子に、三郎が「商売始めたばかりで断っちゃだめだ。俺たちが何とかする!」とか言って、それきっかけで三郎たちが動き出す。
房子への報告なんかは、そのあとで、ゆっくりやれば良いのだ。
だって、暢子が突然休んだって「店は 大丈夫」なんだから(苦笑)
まあ、電話して、頼んで、電話しての繰り返しで、大して面白い場面ではないが、むしろ、ここを手抜きしなければ、上記のように、“暢子でしかできないこと” で、“暢子の成長” や “暢子らしさ” を、僅かでも描いて、視聴者に印象付けられたのだ。
ここを手抜きした代償は大きいと思う。
だって、15分間を見終えた時に強く残っている暢子の印象は、キスの現場に居合わせたこと以外には、「床に伏していた智のそばにいた」だけになってしまったからだ。
愚かなのは、"暢子の経験" を完全に無視したこと!
更に、今回の描写で “惜しい” を通り越して、“愚か” なのは、これまで描いてきた “暢子の経験” を完全に無視したことだ。
ご存知の通り、智は上京してから、何かと暢子のチカラになろうと頑張ってきたキャラクターだ。
そして、智は、「沖縄パート」の登場人物では唯一と言って良い “食べ物に関わるキャラ” なのだ。
ペペロンチーノ対決や、おでん屋修行、シェフ代行の時も、“食べ物に関わるキャラ” として、暢子が試作をする際は “試食” に協力するシーンが描かれたし、映像は無いが “食べ歩き” の仲間でもある。
特に、おでん屋修行の際は、暢子に協力して “仕入れ” をする映像までちゃんとあったのだ。
だから、幼馴染で協力者である智の大ピンチの時こそ、暢子が “恩返し” というカタチを使って、“暢子の経験と実力” を発揮させて、そこを中心に描く、絶好の機会だったのだ。
暢子の成長が一向に見えて来ない理由は、これ!
更に、先週の「男女差別と同権」のエピソードまで受け入れることもできたと思う。
今日の劇中で三郎が暢子に、次のように指示を出した。
三郎「暢子ちゃんは ここで電話番」
これだって、暢子が黙って電話番をするから、繋がらないのだ。
「いいえ、私はプロの料理人で、シェフ代行もやりました。だから、野菜のことは私に任せて下さい。みんなに私が指示を出します」くらいで良かったのだ。
これくらい、暢子は鼻っ柱が強いくて、ちょうど良いのだ。
で、三郎が「よし、暢子ちゃんに任せよう。みんな、いいな!」で良かったと思う。
こういうのが、連ドラに於ける “連続性を担保する” ことなのだ。
そして、手抜きをしてやらないから、「ちむどんどんテイスト」の特徴である「連続性の欠如」や「異常な唐突感」になってしまう。
更に、こうやって “毎週毎週” 一週間単位で、新しい騒動をつくっては、適当に一件落着させてしまうから、前回の感想に書いた通り、毎週 “白紙状態” になってしまい、暢子の成長が一向に見えて来ないのだ。
今回に、賢秀と良子パートは不要だった…
さて、先日の感想で、良子(川口春奈)(パートは、それなりに単独で楽しめる… みたいなことを書いた。
それを撤回するつもりはない。
しかし、好感度が高くない賢秀(竜星涼)パートは、多分、みんなが予想がついている結末の展開しかないはずだ。
そして、良子パートは、母・優子(仲間由紀恵)と歌子(上白石萌歌)が絡んでいるとは言え、私には暢子パートとの共通項が見当たらない。
そんな二つのエピソードを、暢子が智への “恩返し” というカタチを使って、“暢子の経験と実力” を発揮させて、そこを中心に描く、絶好の機会に割り込ませる必要はなかったと断言したい。
いくら、「四兄妹を同時並行に描く作戦」を遂行中とはいえ、今回くらいは、ガッツリと “暢子の経験と実力” を描くべきだったし、見たかった。
そして、それが描かれてこそ、暢子の恋バナを見ようという気持ちになるのではないだろうか?
全てに於いて、視聴者の期待の裏を進んでいるのが、本当に “わじわじー” する…
このまま、智の病気も店も、一件落着で良いのか?
最後に。
今回を最後まで見た感じでは、智の病気、智の店も、事なきを得たように描かれていたが、この一日だけ… で良かったのだろうか?
若いから一日で大丈夫! ではなくて。智の孤軍奮闘を描きたいのは理解するが。
それこそ、ここで県人会の協力や応援も描くチャンスではないのか。偉そうにのさばる三郎を描けば良いというものでは無いと思うが…
あとがき(その1)
まあ、今日のネット上は、「社長、我那覇じゃなかった。まさかやー」と「塙さん、捜査一課長の棒演技健在!」、そして、博多華丸・大吉のお二人の “朝ドラ受け” の三つでしょうね。
あとがき(その2)
明日で、遂に「全120回」の “半分” が終わります。
『カムカムエヴリバディ』なら、錠一郎(オダギリジョー)がデビューアルバムのレコーディングのため東京で生活することになった頃。
『エール』なら、コロンブスレコードと契約して5年が過ぎ、裕一(窪田正孝)はご当地ソングや「大阪タイガース」など球団歌を数多く手がけ、安定した作曲家生活を送っていた頃。
両作品共、明らかに “折り返し地点” なのです。
でも、今作は、折り返すどころか、主人公が発展途上で停滞中。如何に、積み重ねが不足して、前に進んでいないかがわかると思います。
新たに過去を積み上げるのは、ただの “後出しジャンケン” で面白くないですから、やはり、サクッと結婚して、新しい人生を描いちゃった方が良いと思います。
あとがき(その3)
最後に。ホッとする話題をお届け。
日本ハムの2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷(我が家から行ける距離!)で行われる7月2日ファーム交流戦のソフトバンク戦で、歌子の幼少期を好演した子役の布施愛織(あいり=9)ちゃんが始球式を務めることが決まったそうです。
【日本ハム】7・2は鎌ケ谷で“ちむどんどん”しよう 幼少期の歌子役・布施愛織が始球式&三線
北海道日本ハムファイターズのキャンプ地が、沖縄県名護市と 沖縄県国頭郡国頭村だからの “ご縁” でしょうか…
当日は、三線(さんしん)を弾きながら「椰子の実」を歌い上げるそう。ああ~、あの頃の『ちむどんどん』は、ちむどんどんしたのになぁ~

©日刊スポーツ
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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