連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第58回・2022/6/29) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第58回〔全120回〕/第12週『古酒(くーす)交差点』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)はひょんなことから和彦(宮沢氷魚)と激しい口げんかになってしまい、ふたりの間はますますこんがらがってしまう。和彦と愛(飯豊まりえ)の結婚話は進んでいき、その頃に智(前田公輝)は独立して起業、暢子との将来のためにもがむしゃらに働き始める。一方で沖縄やんばるでは先生の仕事を再び始めた良子(川口春奈)が、子供との問題に直面して心悩ませていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7,12週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
本の所有者によって、和彦が常識の程度が変わってしまう…
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
前回で、房子(原田美枝子)が東洋新聞社の田良島(山中崇)に返却するように本を返却するよう “おつかい” を頼まれた暢子(黒島結菜)が、田良島が帰宅後で不在の編集部にやって来た。
で、残業していた和彦(宮沢氷魚)が対応して、“お持たせ” で房子から頂いた最中を暢子と一緒に食べるシーンから、今回は始まった。
敢えて面倒だから前回は書かなかったが、始まって “秒” で “雑” なのだ。和彦が常識知らずのボンボンとの設定なら、全部アリだが。
でないと、雑過ぎる。
要するに、房子が返そうとした風呂敷に包まれた本は、誰から、どこから借りたのかが描かれていないのだ。
貸したのが田良島で、本も田良島の私物なら、“手土産” は田良島へのお礼だから、和彦が勝手に開けて食べるのは非常識だ。
本は編集部のもので、貸したのが田良島だったら、ぎりぎり “手土産” は房子の「皆さんで どうぞって」の台詞を最優先すれば、和彦が開封するのは常識の範囲。
普通に考えたら、本の所有者によって、和彦が常識人か非常識人間か、分かれてしまうのだ。
こういう、粗探しが針小棒大な指摘を続けたらキリがないのだ。だから、敢えて、ここ数日、これらの類は書かないことにしていたのだ。
まあ、他の理由もあるので、それは後術する…
"ラブストーリーは突然に"と、好意的に受け入れられない!
暢子「何で うちに相談するわけ?
そんな大事なこと いきなり相談されても」
この台詞が、今週(恐らく、来週も続くはず…)のキーワードだ。
そう、「いきなり」。これが、最重要キーワードだ。
文字通り、全ての展開が “連ドラ” なのに “いきなり” なのだ。
いや、ドラマとしては、至って普通なのだ。
自分の気持ちに気づいていながら、相手の気持ちを確かめる程の勇気もない… みたいな。
だから、片思い同士、恋愛初期の二人を描くドラマとしては、至って普通だ。
ただ、問題は “唐突過ぎる” に尽きるってこと。
確かに、小田和正さんの大ヒット曲『ラブストーリーは突然に』のように、突然始まるのだ。
でも、今作に限っては、“ラブストーリーは突然に” と好意的に受け入れるわけにはいかない…
なぜ、そう感じるのか?
主人公・暢子パートは、他のパートに比べて染色が乏しい…
そもそも、「四兄妹を同時並行に描く作戦」を強行中のため、主人公・暢子の出番が極端に少ない。
少ない上に、これと言った特徴が、暢子のキャラにも、エピソードにも無い。
ここで、「四兄妹を同時並行に描く作戦」を分析して考えてみる…
「暢子パート」は、主人公のパートなのに、他のパートに比べて、まず戦力が乏しいのだ。
●まず、主人公パートだから、登場人物の人数はそれなりに集めているが、正直あまり特徴がない。
●特徴あるキャラになればなるほど、癖が強すぎて嫌悪感が漂う。
●逆に特徴のないキャラは、久し振りに登場するだけで、殆ど必要性がない。
●何より、暢子が “主人公” という看板以外は、ほぼ特徴がないのだ。
ちょっと料理のセンスが良くて、騒がしくて、自身の思考力、問題解決力、反省力に乏しい程度なのだ(十分か…笑)
●更に、特徴に乏しいキャラを集めて、人間関係の描写が希薄で雑なのだ。
だから、よく見ようが見まいが、人間関係の変化がわかり難い。
そんな状態で、「暢子パート」に “ラブストーリーは突然に” をやったところで、唐突感と違和感しか生じない。
これを「土曜日版」や「総集編」ではなく、「本放送」で解消するのは、ほぼ不可能だろう。
だって、キャラの魅力や人間関係は、これまでの積み重ねでしか表現できないから…
「沖縄の良子パート」の方が、よっぽど"ドラマらしい!
異論反論あると思う。面白いかと言えば、ビミョーなのは間違いない。
しかし、冷静に見れば、「沖縄の良子パート」の方が、よっぽど “ドラマ” らしい。
そう思う理由は簡単だ。
良子(川口春奈)と博夫(山田裕貴)の「夫婦の役割の話」にしても…
良子が学校で直面して悩んでいる「教師と生徒との問題」にしても…
「若い夫婦のホームドラマ」として見れば、わかりやすい “よくある話” だし。
「学園ドラマ」や「教師ドラマ」として見れば、わかりやすい “よくある話” なのだ。
だから…
特段に、好意的な脳内補完をしなくても、普通に見ていれば内容は入って来る。
良子パートは、一度"白紙状態"にしているからわかりやすい
余程 “ドラマ” らしく見える理由は、他にもある。
それは、良子は結婚したことによって、これまでの良子を “白紙状態” に出来ているからだ。
そのことは、オーディションを落選して、歌手への道を断った歌子(上白石萌歌)も同様だ。
それに準ずれば、暢子と賢秀(竜星涼)が家を出たことで、母・優子(仲間由紀恵)も同様なのだ。
そう、一度、ざっくり「沖縄パート」とするなら、設定が “白紙状態” になっているから、受け入れやすいのだ。
その上、“白紙状態” からスタートしているから、状況説明も丁寧にされている。
従って、繰り返しになるが、面白いかどうかは別にして、沖縄の母子家庭の “ホームドラマ” としてスッキリしており、且つ、うなずきやすいのだ。
「暢子パート」が、「烏合之衆(うごうのしゅう)」であるとは言い過ぎかもしれないが。
少なくとも、「良子パート」は少数精鋭にして、「夫婦の役割の話」と「教師と生徒との問題」に特化して描いていることが、“ドラマ” としての納得感を創出しているのは、間違いないのでは?
「わじわじーする」のは、劇中の登場人物でなく視聴者たち
これが、ほぼ間違いなのは、「良子パート」が終わって、再び「暢子パート」に戻って来たらわかったと思う。
賢秀(竜星涼)を追加増員して “騒動” の予感を更に匂わせ、智(前田公輝)を過労で倒して新たな “騒動” を始めて、暢子が「智 どうしたわけ?」と騒いだところで…
多くの視聴者の心境は…
「で、どうなるの?」でなく
「どうせ、ニーニーはまた騙されるんでしょ?」
「どうせ、和彦たちが協力して、智の穴を埋めるんでしょ?」
程度だと思う。
やはり、「わじわじーする」のは、劇中の登場人物でなく、視聴者たちなのだ。
「総集編」等で、尻拭いや言い訳しても殆ど意味は無いが…
最後に、序盤で書き残したことを書いてみる。
それは、最近、プロの執筆家を利用したアゲ記事が増えていることに加えて、プロのライターがSNS上の「#ちむどんどん反省会」の “陳腐な粗探し” を記事にして、大衆ウケを狙った記事が大量発生していることだ。
しかし、こんな雑なドラマに於いて “粗探し” をし、微小なミスを指摘しても意味が無いのだ。
だって、一つひとつの台詞、ワンシーン毎の描写、個々の人間関係、そのどれを取っても違和感しかないのだから。
ただ、これだけは言っておきたい。
実は、今作のつくり手たちも、微々たるものだが、ちょっとは努力しているのだ。
例えば、普通の「総集編」では滅多にないことだが、先日の前後編の「総集編」で、ヒロイン役の黒島結菜さんがナレーションの一部を担当して、内容を補強した。
また、先日(25日)放送された第11週の「土曜日版」では、「本放送」で話題&問題になった “和彦の男女差別” の台詞を、本編では使わなかった(恐らく)NGカットの「それは どうかな?」を引っ張り出して来て、“和彦の男女差別” の印象を薄めたのだ。
「総集編」や「土曜日版」で、尻拭いや言い訳染みたことをしたところで、殆ど何の意味も無い。
しかし、私は、少なくとも「本放送」の放送後に気づいた点を修正したい… とか、世間の評判を耳にして補強したい… という意思や意図はあると信じたいのだ。
いや、信じなければ、それこそ “わじわじー” しながら、毎日見て、感想を書くなんて、愚行そのものになるからだ。
従って、今後も、ただ重箱の隅を楊枝でほじくるのでなく、期待を寄せた感想を書こうと思う。
あとがき
もっと、暢子の恋愛感情を繊細に描くとか、和彦の複雑な心境を丁寧に描くとか、智の本音をピリピリと描くとか。
そういうのが、3つ上手く重ならないと、この度のエピソードに納得感は出ないでしょうね。
今のところ、今回は出番が無かった房子の全開の台詞、「どうなるにせよ 逃げたら駄目よ」を週後半に活かして、房子が暢子のレイアい感情を目覚めさせるくらいはやらないと、何もないまま来週になっちゃいます…
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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第10週『あの日、イカスミジューシー』
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第11週『ポークとたまごと男と女』
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第12週『古酒(くーす)交差点』
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