オールドルーキー (第1話/初回25分拡大・2022/6/26) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『マイファミリー』
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第1話/初回25分拡大『いけ! 孤高の天才サッカー選手』の感想。
元サッカー日本代表の新町亮太郎(綾野剛)は37歳で選手としてのピークは過ぎたものの、J3で活躍していた。しかし、解散が突然告げられる。そして、移籍先が見つからなかった新町は、現役引退を余儀なくされてしまう。新しい仕事に就こうとするも、サッカー関係の仕事は軒並み断られてしまい、ハローワーク通いを始める。そして一般的な職に就くものの、サッカー以外になにもやってこなかった新町は仕事の厳しさに直面する。
そんな新町に、スポーツマネージメント会社社長・高柳雅史(反町隆史)が「うちで働いてみないか?」と声をかける。喜んで働き始めた新町に、高柳は若くて優秀な深沢塔子(芳根京子)と組むよう指示を出す。新町の初めての任務は、ドイツで活躍するサッカー選手、矢崎十志也の日本滞在中のサポート。しかし、矢崎と新町にはとある因縁があり、しかも矢崎は次々と無理難題を吹っかけてくる。
家族のために、引くに引けない新町は塔子と協力して、この難題を乗り越えることができるのか!?表舞台の選手から選手を支える裏方へ――。セカンドキャリアで懸命に生きる新町の第二の人生がスタートする!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:福田靖(過去作/ガリレオ、DOCTORS全シリーズ、未来への10カウント)
演出:石井康晴(過去作/花より男子シリーズ、逃げ恥、ドラゴン桜2、ファイトソング) 第1話
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、ドラゴン桜2、DCU)
主題歌:King Gnu「雨燦々」
サッカー監修:大久保嘉人(元日本代表プロサッカー選手)
編成:東仲恵吾(過去作/最愛、インジビジブル)
高橋秀光(過去作/ノーサイドゲーム、TOKYO MER)
公園や街路樹で良く見掛ける木に例えると…
「スポーツマネージメント」や「セカンドキャリア」など、いろいろと今風の “枝葉” が生えてはいるが。
“幹” の部分は、表舞台で花形だった元スポーツ選手が引退して、裏方に転じて第二の人生を歩み始める… という、イチョウやケヤキやユリノキのような公園や街路樹で良く見掛ける木。
で、“根っこ” は、2022年6月に開催を予定していた「FIFAワールドカップカタール2022」で日本中がサッカー熱気で盛り上がっているのに便乗して放送する予定だったが…
新型コロナウイルスとロシアのウクライナ侵攻の影響で、11月にずれ込んだため、ちょっとタイミングがズレちゃった。そんなところだ。
既視感しかないのは言うまでもない
有能なスポーツ選手の第二の人生のスタート、男性の主人公が若い女性に仕事を教わるなど、古今東西たくさんの名作映画やドラマで使い回されている設定であり、ネタだ。
従って、既視感しかないのは言うまでもない。
更に、脚本担当の福田靖氏の直近のドラマ『未来への10カウント』が、高校のボクシング部の廃部を機に、主人公が再起する部分も、オーバーラップする。
『日曜劇場』らしいフォーマットの一つで決して悪くない!
しかし、主人公の目の前に、突然大きな “壁” が出現し、仲間たちと共に再生・再起を誓って奮闘するフォーマットは、『日曜劇場』らしいフォーマットの一つだから、決して悪くない。
いや、むしろ、“既視感” を “鉄板ネタ” と思うことができれば。
スタッフもキャストも揃っているし、Jリーグと公益財団法人日本サッカー協会も協力していることもあって…
当初の目論見からは外れたかもしれないが、コロナが少し落ち着いている今夏に、スポーツドラマとヒューマンドラマとホームドラマのいいとこどりをした今作。
いろいろな話題性も相まって、前作『マイファミリー』のように、商業的は上手くいくと思う。
偏った正義感を振りかざすのは『日曜劇場』には無意味…
どんな作品でも、アンチとか反論派はいるわけで。
きっと、「サッカー用語がダメだ」、「サッカー選手の描き方にリスペクトを感じない」、「交通誘導員を社会の底辺のように描くな」的な意見は出ると思う。
ただ、そんな偏った正義感を振りかざすのは『日曜劇場』には無意味なのだ。
日本が沈没しかけているのに、政治家たちが呑気に派閥争いや利権争いをしていたり…
海上保安庁に新設された水中事件や事故の捜査を行う架空のエキスパート集団は殆ど海に潜らないし…
我が子が誘拐されても警察に届けないとか、稚拙な狂言誘拐に警察官が加担しちゃうとか…
そういう “おいおい” 的な設定や展開こそが、いわば『日曜劇場』のお家芸)なのだ。
私は今作の企画を、敢えて称賛したい!
だから、私は今作の企画を、敢えて称賛したいのだ。
日本の小説や漫画を原作として拝借したり、海外製のドラマを焼き直したり、更に時には改悪までしたり。
また、「シーズン○」のような続編とか、似たり寄ったりのラブコメとか、料理紹介がメインとなってしまった “食テロ系ドラマ” とか。
これらのような(語弊があるかも知れないが)一種の安直な企画の連ドラよりは、既視感が漂おうが、類似作品が頭に浮かぼうが、背筋を正して “オリジナル脚本” として勝負に挑む方が、今のマンネリ化が止まらない日本のドラマ界として評価したいのだ。
もちろん、血気盛んに挑戦したところで、面白いか、次回を見たくなるかとは、連動しないが…
オープニングシーン、スタジオセット、芳根京子さんのヘアスタイルについて
さて、演出的なことにも少し触れてみる。
前作では民放初の映像技術『バーチャル・プロダクション』が採用された。今作の見どころも幾つかあるが、まずは冒頭のサッカーシーンのCG合成。
そして、毎回登場するであろうスポーツマネジメント会社「ビクトリー」の社屋のスタジオセット。
社長室もある二階建てセットで、抜け感を意識して一階を見渡せる造りになっていた。
更にスタジオセットでは珍しいのが “天井付き” ってこと。これによって、更に高さを感じるカットが撮影されていた。
また、芳根京子さんは、イライラしがちなキャラクターを演じるために、演技プランの一環として、髪を20センチ切ることを演出家に相談し、OKが出たそうだ。
これによって、髪をかきむしる動作をしても、サッとヘアスタイルが戻るので、演技を止めないで撮影ができるという。
見終えて、良いなぁと感じたこと
見終えて、良いなぁと感じたこと。
●ドラマの世界観への導入部分が自然で、ス~っと引き込まれるような感じがしたこと。
●『日曜劇場』にしては珍しく、あざとい手法で感動の押し売りをしないこと。
●スポーツ庁が提唱する、【スポーツとは「する・みる・ささえる」のそれぞれの関わり方で、誰もが気軽に楽しめるもの】を映像化していること。
全体的に、押しつけがましくなく、丁寧に描写を重ねて、説得力を持たせようとしているのは良いところだ。
「この先どうなるの?」でななく、「主人公の先が見たい!」と思わせたのも正解だと思う。
ただ、気になるのは、主人公が元サッカー選手だから、今回のエピソードはできたが、他の種目でどんな話になるのか? だ。
でも、競技に関係なく、“スランプ” や “イップス” はあるから、そんな “壁” なら、話を膨らませるかも?
まあ、この辺は、次回以降に期待したい…
あとがき
今作の音楽担当は木村秀彬さんで、ドラマ『TWO WEEKS』も担当されました。
で、ドラマ『TWO WEEKS』で三浦春馬さん演じる主人公の娘・はなちゃんを演じたのが、稲垣来泉さん。
今放送中の連続テレビ小説『ちむどんどん』でヒロイン暢子の子ども時代を好演しました。流石の演技力ですね。
それにしても、私にとって大変珍しいのは、嫌いな俳優さんがレギュラ陣に一人もいないことです。それだけで、安心して見られます。
コロナ禍で、未だ仕事が激減中です。
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