連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第11週/土曜日版・2022/6/25) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第11週『ポークとたまごと男と女』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)のレストラン「アッラ・フォンターナ」でシェフの二ツ橋(髙嶋政伸)に見守られながら修業を続け、厨房の花形「ストーブ前」をこなせるまでに成長していた。そんなある日、二ツ橋が大けがをして入院するという大事件が起こる。二ツ橋を失った厨房は大混乱。退院までの1か月、厨房の司令塔・シェフの役割を誰が代わりに担うのか。房子が二ツ橋と相談して選んだ「シェフ代行」は…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
「土曜日版」を見るのをお勧めしたい人、3選!
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
やはり、私は、次の人たちには、是非とも「週5放送」の本編と合わせて、「土曜日版」を見るのをお勧めしたい。
●今作を "ドラマ" として楽しみたい人
●今作で "連ドラ" とはどういうものかを知りたい人
●脚本家や演出家が今作で何を伝えたいのか知りたい人
なぜなら、必要部分しか残せない "15分間" の「土曜日版」だから、"残したい" や "削れない" 部分しか放送されないからだ。
そんなことを思いつつ、今日の「土曜日版」を見ると、本放送では大したことだと思わなかった "大きな気づき" があった。
今回の感想では、そのことから書こうと思う。
「土曜日版」で、つくり手がさり気なく強調してきたこと
まず、「土曜日版」で、つくり手がさり気なく強調してきたこと。
それは、暢子(黒島結菜)を "シェフ代行" になったのは、房子(原田美枝子)の指名は結果であって、自分の代行者としてシェフの二ツ橋(髙嶋政伸)が推薦したことだ。
これによって、(視聴者は別にして)つくり手たちは、現役シェフである二ツ橋の目には、料理のセンスや人柄などの "暢子の長所" が "未来のシェフ" に相応しいと映った… と、説明を加えたわけ。
確かに、「土曜日版」だけ見た 《好意的な視聴者さん》 なら、次のように捉えるのではないだろうか?
暢子はシェフとしての才能を秘めているが、房子と二ツ橋以外の厨房スタッフは気づいていない。
で、「親戚だから」、「女だから」と嫉妬を差別から、意地悪の仕放題。
そんなパワハラの中で孤軍奮闘する暢子が、母の言葉で "自分の長所" を再認識して素直になったら、一件落着… っと。
でも、これは、あくまでも "つくり手側" の自己矛盾を隠すための都合の良い "弁解" でしかすぎない。
だって、多くの視聴者は、本編を見て、上↑のようにとらえてはいないのだから…
本放送時の感想には一切書かなかったこと!
さて、改めて「土曜日版」を見ても、微塵も説得力を感じなかったことがある。
本放送時の感想には一切書かなかったことなのだが… 今回、初披露してみる。
それは、主人公が厨房スタッフに謝罪をしただけで、どうして厨房スタッフたちとの "いざこざ" が解消したのか? だ。
そこが全くもって、“解釈不能” であり、“支離滅裂” だと思うのだ。
本放送の感想では口が酸っぱくなるほど言い続けたが…
そもそもの “いざこざ” の原因は、「土曜日版」にも残っていた通り、房子が暢子を “親戚だから”、“えこひいき” していることなのだ。
それを、特に「土曜日版」では、和彦(宮沢氷魚)や 良子(川口春奈)のエピソードを絡めて編集して、意図的に “女のくせに” へ、すり替えた。
しかし、賢明な視聴者は厨房スタッフの本音を次のように、まるっとスリっとゴリっとエブリシングお見通しだ!
矢作「少しは俺たちを上から見なくなったし
頼ってきたし 謝ってもきたし。
そんなことより、独裁的に君臨するオーナーの親戚じゃあ
引き下がるしかないか…トホホ」
矢作(井之脇海)らの顔を見たら、そんな風にしか見えないのだ(苦笑)
暢子の謝罪で一件落着する展開を不自然に感じさせない方法
こんな風に見えないようにする簡単な展開は、いくらでもあったと思う。
例えば、最も簡単なのは、矢作たちが二ツ橋に「なんとか、シェフ代行を辞めさせてください」と、泣きを入れるだけ。二ツ橋が暢子の推薦人だから、シェフとして何らかの解決策を考えて、それを暢子に伝授する方法。
やはり、ここで「二ツ橋 → 房子 → スタッフ」の流れになると、“親戚だから” になっちゃうから。
もう一つは、お客様への影響が出始めた不協和音が鳴り響く厨房を、傍観してはいられなくなった房子が、矢作たちに、二ツ橋の推薦であることと、自分が暢子に期待しているという “本音” を話して、納得させる方法。
これなら、“親戚だから” ではなく、“オーナーの言うことだから” と納得も不自然にならないと思う。
やはり、矢作たちが信頼しているのは、房子と二ツ橋なのだから、この二人のどちらかが説得して納得するという展開でないと、厨房スタッフたちの不満って、暢子の謝罪だけで解決しちゃうの? ってなるのだ。
そうなると、矢作たちは、自分より才能とコネのある暢子に嫉妬しているだけの “努力知らずのわがまま先輩” に見えて、本末転倒になると思うのだが…
今週のエピソードに於いて、最もダメな部分について…
さて、今週のエピソードに於いて、最もダメな部分について書いてみる。
それは、「男女差別」や「コネ入社」的なエピソードばかりを大きく扱って、“女だから” と “親戚だから” が原因での “いざこざ” を重視したことだ。
少なくとも脚本家が考えた今週の着地点は、“ドラマ” としては強引ではあるが、前述の通りに “暢子の長所” だと思う。
だったら、「男女差別」や「コネ入社」的なエピソードなんて描かずに、暢子自身も、厨房スタッフも、そこに気づいて円滑になったことを描くべきだったと思う。
だって、今作の主人公の才能や能力について、殆ど説得力がないのだ。(描かれても無かったし…)
従って、普通のドラマのような「女だからできた」とか、「性別に関係なくできた」とか、「主人公だからできた」も、1週間のエピソードの落としどころとしては弱すぎる。
やはり、「暢子は暢子のままで 上等!」を活かして、“暢子らしさ” を前面に押し出して、その結果として、主人公を際立たせた方が良かった。
これ、主人公を際立たせるのを先にやってしまうと、「主人公だから…か?」と落胆になるから、順序は大切だと付け加えておきたい…
あとがき(その1)
盛り込み過ぎは良くないことを大前提に話しますと。
それでも、一つの方法として、暢子自身が “オーナーの親戚だから” を重圧に感じて、潰されそうになっているという “壁” をつくっても良かったと思います。
コネ入社の悲哀みたいな感じですね。で、そんなことも知らない矢作たちとの対比と、重圧を与えていることに罪悪感を抱き始める房子を混ぜて描くとか…
あとがき(その2)
いつも、茶化したような感想になってしまうので、今日の締め括りは真面目に行きます。
恐らく、一部の視聴者さんは、入社6年目の店で一番下の新人レベルの暢子が、1か月間、銀座の名店の経営(仕入れや経理もやっていた設定)をやれたのは無理があると思ったのでは?
はい、私もそう思います。ただ、ちょっとだけ脚本家を擁護します。
それは、暢子は、地元高校料理部対抗の料理コンテストで優勝した際に、「東京で西洋料理のコックさんになる」という夢を見つけましたよね。
一方で、二ツ橋は一度独立して店を持ちましたが、失敗して戻ってきた設定ですよね。
要するに、二ツ橋にはレストラン経営のセンスはあまり無いってことです。
でも、「フォンターナ」の仕入れや経理は二ツ橋でもできる。
そう、二ツ橋ができるのだから、暢子にやらせてみたいと思う親心に似た房子の気持ちも、二ツ橋自身の気持ちも、ちょっとは理解できるじかなぁって。
ただ、擁護し切れないのは、暢子は「コックさんになりたい」と主張しているだけで、「自分の店を持ちたい」とは言っていないからです。
まあ、入社6年目で宣言されても困りますが。
それでも、“連ドラ” としては、少しでも良いので、そろそろ暢子が「自分の店を持ちたい」と言う意思がある事を匂わせても良いかなと思います。
そのきっかけに、恋バナ、延長線上に結婚があるなら、それはそれでアリな気もします…
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
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【これまでの感想】
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