連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第55回・2022/6/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第55回〔全120回〕/第11週『ポークとたまごと男と女』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は家族からのアドバイスを受けて、新たな気持ちでシェフ代行の仕事に挑む。房子(原田美枝子)の見守る中、態度を改めた暢子への、矢作(井之脇海)たち男性スタッフの反応は…。と沖縄やんばるでは、優子(仲間由紀恵)の支えを得て、良子(川口春奈)が再び学校の先生として働きはじめる。和彦(宮沢氷魚)が新聞社でまきこまれていたトラブルは、房子のアイディアのおかげで急展開する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6,10週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
田中陽児(過去作/きれいのくに、麒麟がくる 総集編) 第11週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
アバンから"解釈不能""支離滅裂""自己矛盾"だらけ…(困)
ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
「金曜日くらいは、マシに締めくくって欲しい」と願っていたのだが。
アバンタイトルから、有名なギャグ「閉店ガラガラ」をもじれば、「完全閉店のお知らせ」レベルだ。
もはや、好意的に見ようにも、“解釈不能” “支離滅裂” “自己矛盾” だらけと言わざるを得ない。
"ドラマ"としては、王道中の王道でどこも間違っていない!
とにかく、冒頭から次の【迷言=っともらしく見えるが、意味の分からない言葉】に頭が痛くなる。
暢子「素直に頭を下げて 皆さんの知恵や力を
借りるべきだと 反省しました」
別に “ドラマ” としては間違ってはいない。
元メジャーリーガーのイチロー氏も次のように言っている…
「壁というのは、できる人にしかやってこない。
超えられる可能性がある人にしかやってこない。
だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」
by イチロー(情報源)
という言葉を残しているくらいだ。
だから、暢子(黒島結菜)が壁にぶち当たり、母・優子(仲間由紀恵)の言葉で自分の長所に気づいて、壁をポジティブに捉えて、反省して態度を改めた… のだ。
そして、《1分15秒》 もの長尺の台詞で、大きく反省して、同僚たちに協力を仰いで共感を得た…
ということらしい。
一人で空回りしまくっていた主人公が、ようやく反省して、一人では何もできないことに気づいたのだ。
従って、“ドラマ” としては、どこも間違っていない。
いや、むしろ、王道中の王道と言っても過言でない。
プロの先生方の4つの重大な失敗をランキング形式で発表!
しかし、これらは、今作が1話限りの「単発ドラマ」なら… という限定付きで… の話だ。
ご存知の通り、今作は「連ドラ」だ。しかも、全放送24週のうちの11週(約48%)も放送を終えている連ドラなのだ。
それを加味すると、プロの先生方には申し訳ないが、4つの重大な失敗をおかしていると、私は思う。
では、偉そうになるが、ワースト4を、ランキング形式で発表しよう(これ位のテンションでないと、書いていられないし、読むのも苦しいでしょうから…笑)
【ワースト4位】暢子の横暴・横柄な態度の演出や演技指導
ワースト4位。これは、前回の感想にも書いたが。
一番の下っ端が先輩たちに謝罪し、協力を仰ぐなら、誰よりも先に出社すべき! ってこと。
詳しくは前回の感想を参照して欲しい。
とにかく、下準備をしている手を止めさせて、「皆さん 聞いてください!」なんて横柄な態度は、演出の失敗だ。
みんながいる時に一気に話す方が、演出は簡単だから、やったに違いない。
しかし、こんなの、暢子が誰よりも早く厨房に出社して厨房の掃除をしているところに、矢作(井之脇海)がやって来て「なんで、こんな朝からいるんだよ」とひとこと言わせ、カットが変わって「皆さん 聞いてください!」で、良いのだ。
気付いてやらないなら手抜き、気づかないなら…(自粛)
【ワースト3位】暢子は6年間で何も変化・成長していない
ワースト3位。
今作が、暢子が上京し就職してからの「6年間」で、(説得力の有無は別にして)主人公・暢子の試行錯誤や成長や変化を描いてきたことは認める。
ペペロンチーノ対決、新聞社修行、おでん屋再建、看板メニュー開発などなど…
なのに、今さら…
暢子「素直に頭を下げて 皆さんの知恵や力を
借りるべきだと 反省しました」
と、改まって反省の念を述べることが、私には “解釈不能” なのだ。
もちろん、脚本家や演出家が、反省したのは母親をはじめとした家族や知り合いたちの助言によって… と、前回同様に〔論理のすり替え〕をしたいことは十分に “解釈可能” だ。
しかし、ここで気づいて欲しい。
これまで、ペペロンチーノ対決に始まって、主人公は“壁” を乗り越えると、“一応” 変化をし、成長を描いてきたのだ。
でも、“解釈不能” なのは、今作は、1か月以上もの間、イタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」で折角描いた「変化や成長」を、暢子が “壁” を乗り越える度に、すぐに “白紙” に戻してきたのだ。
そう、皆さんも薄々感じておられると思うが、実は「暢子は、6年間でな~んにも変化・成長していない」のだ。
暢子「皆さんに迷惑をかけてしまって」
暢子「二ツ橋シェフと同じように できるわけがない」
暢子「男とか女とか関係なく」
こんなこと、微塵も思っているはずないのだ。
だから、終盤での暢子の次の台詞も説得力も、信ぴょう性もないのだ。
暢子「代行をやったことで
いろんな人の立場や 気持ちが分かって」
だって、また “白紙” に戻すのだから(嘲笑)
そして何より、「暢子は暢子のままで 上等!」なのだから…(冷笑)
【ワースト2位】暢子が「親戚だから」を謝罪しない設定
さあて、惜しくも1位を逃したワースト2位。
これは、今週のサブタイトル『ポークとたまごと男と女』に関わる案件。
今週は、和彦(宮沢氷魚)を中心に「女だから」「男女同権」を強引にゴリ押ししてきたことに由来するから、前述の「男とか女とか関係なく」と暢子の台詞にも盛り込んだのは間違いないと思う。
しかし、ここでも〔論理のすり替え〕をやっているのだ。
それは、今週の描写で、厨房スタッフたちは、明らかに「女だから」ではなく、「親戚だから」を理由に、暢子への憤りや不快感を抱いていたと描かれていたのに… ってこと。
だって、1976年といえば、まだまだ職人の世界では男尊女卑が普通にあった時代で、若くて血気盛んな若いスタッフたちが、“女性” のオーナーに敬意を表しながら働くなんてあり得ないと思うから。
ここが、描写の “自己矛盾” だってこと。
〔論理のすり替え〕に感じさせない方法は、ホント簡単なこと。
暢子に、次のように付け加えて言わせるだけで良いのだ。
暢子「男とか女とか関係なく
オーナーの親戚だからって うぬぼれないで
お客様の笑顔のために」
【ワースト1位】「教育と学習」の描写や概念が乏しすぎる!
いよいよ、堂々のワースト1位だ。
それは、今作には「教育と学習」と言う描写や概念が、著しく欠如していることだ。
これは、主人公の変化や成長を描く “ドラマ” として致命的とも言って良い。
要するに…
誰かが指導したり、教えたり。
教わったり、習ったり。
試行錯誤したり、学習したり。
そういう描写が極端に少ないのだ。
(当然、完全にゼロとは言わないが)
しかし、著しく欠如しているために、主人公の変化や成長が見えないだけでなく、主人公が置かれた “環境” への不信感や不快感に及んでしまっていると思う。
だから、房子(原田美枝子)が次のような指示を出したところで、説得力も神通力もほぼ無いのだ。
房子「言葉だけではなく 行動で示しなさい」
だって、当の房子が、「みんなで助け合って」「指示を出します」と言いつつ、店を放置して外出しているのだから(失笑)
主人公の子ども時代に両親から教わる描写が少ないから…
このことは、「フォンターナ」に限ったことでない。だから、根深い問題として、ワースト1位にしたのだ。
それは、当ブログでも何度も書いてきたように、主人公の子ども時代に、父から料理を教わったり、母から常識を習うことを、丁寧に描いて来ずに、都合の良い時だけ、唯一と言って良い回想シーンを持ち出して、次の台詞を引用するのだ…
優子「『ありがとう』と『ごめんない』を大きな声で言えるところが
暢子の一番いいところよって」
そんな “一夜漬け” “にわか仕込み” みたいな描写をしたところで、しっかり丁寧に仕込んで味がしみ込んだような味わいなんて、伝わらないのだ。
それが、“連ドラ” の怖さでもあり、醍醐味なのだから…
従って、「教育と学習」という描写や概念が乏しいことは、この先で補強・補完することは、ほぼ無理なだけに悔やむしかないと思う。
主人公以外を盛り込むなら、ちゃんと描くべき!
暢子以外の脇役の話は、どうでも良い。
興味も関心も無いし、この程度なら「土曜日版」では、ほぼ残らないだろうから。
しかし、言いたい。
今作は無謀でも「四兄妹を同時並行に描く作戦」をずっとやって来たのだ。
そのために、描くべきとをやらなかったり、無駄を異常に盛り込んで、“主人公の物語” を何度もぶち壊したのだ。
だから、プロのつくり手として最後まで責任をもって、"三きょうだい" を描く責任があると思う。
暢子パートも、沖縄パートも、銀座も鶴見も雑では、お話にならない。盛り込むなら、ちゃんと描くべきだと思う。
今週のサブタイトルが今までで最も内容とかけ離れていた!
そして、今回の、今週の終わり方。正直、今回が最終回でも良いと思ってしまった。
だって、どうせまた "白紙" に戻すだろうし。成長しないヒロインなのだから。
まあ、終盤のナレーションにあったように、次週から恋バナになるようなので、どうでも良いのだが。
それにしても、サブタイトルの『ポークとたまごと男と女』。
もちろん、1976年に河島英五氏がソロ名義で初めて発売した楽曲『酒と泪と男と女』を引用したものだが。
これまでの11個のサブタイトルで、最も内容と乖離していたと思う。
いや、きっと、このサブタイトルありきで、沖縄料理「ポークたまご」と「男女同権」を1週間にねじ込もうと企んだのだ。
もちろん、少なくとも私には、全くピンと来なかったが…
あとがき
いやあ、予想以上にひどい内容でしたね(←前回と同じです!)
今作に不満を持つ視聴者が多い原因の一つが、結論ありきで、そこに至る過程が雑過ぎるのです。
だって、各登場人物のキャラクターが不明瞭(例えば、オーナー・房子とか、東洋新聞社 学芸部デスク・田良島とか)のままで、更に登場人物間の人間関係も曖昧で。
そんな状態や状況のまま、結論ありきで「週5放送」で決着に導こうとするから、不明瞭や曖昧を良いことに、適当に紡いじゃうのです。
「どうせ、気づかないでしょ?」と言わんばかりに。でも、気づきますよ。繋がっていないから、オチがオチとして成立していないことに。
まあ、ここまで、酷ければ、もうこれ以上は堕(お)ちることはないと思いたいです。
ということで、あとは…
のびしろしか無いわ
(Creepy Nuts『のびしろ』/作詞:R-指定)
最後に。遂に、来週、私の専売特許だった?「わじわじー」が登場しますね(笑)
来週も、一緒にわじわじーしながら “のびしろ” に期待しましょう!
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22> 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
36 37 38 39 40 土
第9週『てびち!てびち!てびち!!』
41 42 43 44 45 土
第10週『あの日、イカスミジューシー』
46 47 48 49 50 土
第11週『ポークとたまごと男と女』
51 52 53 54
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