連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第45回・2022/6/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第45回〔全120回〕/第9週『てびち!てびち!てびち!!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は、基本を重視する考え方と、新しいアイデアとの二本立てで、屋台のおでん屋の立て直しに再び挑戦する。そして、ある日おでん屋に、立て直しを命じた房子(原田美枝子)が現れる…。その頃、沖縄やんばるの実家では良子(川口春奈)と石川(山田裕貴)の騒動が急展開。一件落着する。そして、歌子(上白石萌歌)は会社勤めをしていたが、健康に問題が…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん) 第8週
大野陽平(過去作/Eテレドラマ「あやとり」脚本兼、ここは今から倫理です。) 第9週
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
アンティパスト〔antipasto=前菜〕
改めまして… ハイサイ~ 皆さん、管理人の “みっきー” です!
今週の読者さんたちのコメントを読ませて頂きまして。
ドラマは離脱して、この感想だけ読んでくださっている読者さんが多いので、今後は、感想だけでも内容がわかるように、ネタバレは別にして、少し工夫して書こうかなと思います。
もちろん、できればドラマを見て欲しいですが…
前回の感想の補足…
その意味で、前回の感想の補足を。
前回、「これも後出しジャンケン?」と書いたのは、今週のサブタイトルにある料理である「てびち(豚足を柔らかくなるまで煮込み、味付けしたもの)」が…
実は幼少期に賢秀が良子と奪い合う位に、比嘉家の “てびち” が好きだったことを、“まるっとスリっとゴリっと” 回想で盛り込んで来たのだ。
全43回を見直してみたが、類似の描写はあっても、前回の映像は見つからなかった。だから、後出しジャンケンだと書いたのだ。
こんなの、第1週で父・賢三(大森南朋)が亡くなるまでに、ちょこっと盛り込めば済んだこと。それをやれないくらいに「騒動至上主義」が横行していたってことなのだ。
というわけで。もはや、どれがストゥッツィーノ〔Stuzzino=食前酒に合わせるおつまみ〕なのか、セコンド・ピアット〔Secondo Piatt=メインディッシュ〕なのか、わからないから、思いつくままに書いてみる。
他人事でも、許せることと許せないことがある
まずは、アバンタイトルだ。
我那覇社長(田久保宗稔)に “また” 騙された賢秀(竜星涼)が、お金を借りた母への罪滅ぼしなのか、大量に余った「紅茶豆腐」を比嘉家に送って来た。
それを見て、馬鹿馬鹿しくなった良子(川口春奈)と歌子(上白石萌歌)が、母・優子(仲間由紀恵)に、なぜ兄に金を送ったのか責めるくだりだ…
優子「親として でることは してやりたいさぁ。
困っている時は お互いさま。家族なら なおさらでしょ?」
久し振りに、脇役の母・優子に触れてみよう。
母心、いや親心として、わからなくもない。
この手の親はいつの世にもいるから。
但し、一般的には、他人事でも許せることと許せないことがあるのだ。
朝ドラ、ホームドラマで犯罪をしれ~っと描いてはいけない
ろくでなしの息子が、家族から借金をして、ギャンブルだ、投資だ、と金を注ぎ込むのは、他人事だし、ドラマだし、まだ許容範囲だ。
それが、明らかに怪しい人物や会社で、失敗や持ち逃げが予想できても、許容はできる。
ただ、許容範囲を逸脱しているのは、いくら賢秀が相手を信じて傾倒しているから商売の全容が見えていないとしても、賢秀自身が “人を騙している” のを自覚しているように見えること。
そして、賢秀が、母の金はともかく、ジム会長から給料を前借りしたり、妹の金を盗んで、逃走(失踪)を繰り返していること。
こっちは、確実に、賢秀自身が “人を騙している” という自覚があるように見える。
これは、14歳以下なら刑法「親族相盗例」で免除されるが、15歳以上なら家族間で物を盗んだ場合でも「窃盗罪」となる。要は、犯罪なのだ。
だから、本来は、朝ドラで、ホームドラマで、しれ~っと描いてはいけないのだ。
賢秀が犯罪かどうかを判別できないとか以前に、制作陣が精査できていないのだ。
だから、賢秀を見る度に不快になる。そして、そんな賢秀を家族が擁護するから、更に変な家族に見えるのだ。
ホント、竜星涼さんが気の毒でならない…
房子は自分の発言が"破綻"していることに気づいていない?
さて、本編の感想だ。房子(原田美枝子)が完成した「暢子のおでん」を食べて言った一言だ。
房子「できるだけ お客様に合わせた味を心がける」
「まさかやー」である。
そして、房子よ「あびらんけー(これ以上しゃべるな)である。
もう、失笑を飛び越えて、爆笑である。
おいおい、房子は自分が喋ったことが、喋ったそばから破綻していることに気づいていないのか? おっと、気づいていないのは、脚本家や演出家か…
とにかく、補足すると…
房子は上記の台詞の前に、「おでんは出汁が大事」とか、「足てびちが隠し味」だとか、「おでんは気温や湿度で味を変える」とか能書きを並べていたのだ。
でも、最終的には “お客様に合わせた味” に帰着しちゃった。結局、「お客さまのことを思って、料理を作りなさい」ってことだ。
これって、先々週の「ペペロンチーノ対決」で、試食する人のことを思って、さっぱり風味にした房子が暢子に勝ったのと、言ってることは “まるっとスリっとゴリっとエブリシング” 全く同じだ。
更に “相手のことを思うこと” と拡大解釈すれば、先週の新聞記事ネタも、ほぼ同じ。
もちろん、ネタも過程も違うが、言わんとしていることは同じだ。
但し、問題なのは、3週連続で、同じ “相手のことを思うこと” の大切さを描いているのに、全く繋がっていないこと。
そして、大問題なのは、何よりも、主人公が成長しているように見えないことだ。ここが、連ドラとして致命的のような…
致命的な理由は暢子の紆余曲折とオチが最適化されていない
原因は明確だ。結末に至る “主人公の葛藤や苦悩” している過程(紆余曲折)が、オチに対して最適化されていないから。
例えば、今週の「おでんの味」について。今作は、「イタリア風おでん」が失敗したから、賢秀の思い出の味「足てびち」と、和彦(宮沢氷魚)の忠告から、「豚足の出汁」を引き出して、房子のご機嫌を取った。
でも、私はこう思う。方法は2つ。
1つは、逆パターン。
最初に、暢子が沖縄料理をおでんに活かそうとして「てびち」を利用するが、イマイチ関東の人には受け入れられない。
そこでイタリア風の味付けで洋風にしたら、売れちゃった。
これなら、暢子の沖縄料理への思いも、イタリア料理への思いも描ける。
もう1つは、自己満のイタリア風おでんを何とか改良したいと悩んでいる。
そこへ和彦が「得意の沖縄料理を活かしたら?」とアドバイス。
突然現れた賢秀が食べたいと言った「てびち」からもヒントをつかむ。
これくらいしないと、3週連続で繋がっている共通因子が、もはや “料理” しか、ないと思う。
ヨシのおでん屋再建計画の"オチ"が違うような…
さて。ヨシが序盤で「暢子のおでん」を食べて、次のように言っていた。
ヨシ「普通のおでんみたいだけど この出汁 どう作ったんだい?」
そもそも、ヨシ(大島蓉子)の味付けでは、客が減ったのだ。
で、前述のように、房子は一口食べて、おでんの隠し味が「足てびち」であることを見抜いた。でも、ヨシはわからなかった。
だったら、暢子がヨシに一から「暢子のおでん」を教えるシーンが欲しかった。
まあ、13分頃にヨシの笑顔があったから、ぎりぎり許容するが。
でも、本来は、房子が「あとは、ヨシさんに、丁寧にこの味を伝えるのよ」と告げて、暢子がヨシと一緒におでんをつくり、“その年の冬のおでんシーズン” を暢子とヨシが一緒に笑顔で満席のおでん屋で接客する姿を見たかった。
というか、そこが、このエピソードのオチであり、正しい着地点だと思うが…
流石に、暢子の料理シーンが盛り付けと味見だけってのは…
更に、暢子がおでん屋の修行が終わって、早速、レストラン「アッラ・フォンターナ」で、オリジナルな味付けの「寒ビラメのカルパッチョ」のリベンジをするくだりで、二ツ橋(高嶋政伸)に褒められた。
まあ、間違っていないが。
ここも、暢子のイタリア料理に関する紆余曲折の描写がゼロ。料理シーンの撮影が困難なのはわかるが、料理が大きなテーマのドラマで、盛り付けと味見のシーンばかりなのは、ちょっと笑える…
なぜプロの料理人である暢子はヘアスタイルに鈍感なのか?
劇中が「1976年(昭和51年)」へ時間経過した。おでん屋修行に出たのが1974年の11月頃だから、2年くらい経過したってことのようだ。
で、よくわからないこと。
おでん屋修行中は、三角巾を被って髪を出来るだけ前に出ないようにしていた暢子。
なのに、レストラン「アッラ・フォンターナ」に復帰したら、また、例のお団子ヘアにコック帽。
で、時間経過後の予告編の暢子は、また髪を全開に?
そう、あの第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』での「10連勤」の時の、肩まで届くミディアムヘアをコック帽から丸ごとはみ出させていたスタイルへ???
これと、房子の主張である「お客さまのことを思って」が一番繋がらないのだが…(失笑)
ドルチェ〔dolce=デザート〕
やっと、1週間が終わりました。来週も、「ちむわじわじー」しながら、見守ろうと思います。
『あさイチ』のゲスト、竜星涼さんを見ていたら、ホントに気の毒で。
でも、「地道に働いてほしいと僕も思いながらやっています」「振り切って、ウザい芝居を目指しています」と語っておられたので、役者魂!があるなぁと感心しちゃいました。
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
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【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
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第2週『別れの沖縄そば』
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第3週『悩めるサーターアンダギー』
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第4週『青春ナポリタン』
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第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
31 32 33 34 35 土
第8週『再会のマルゲリータ』
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第9週『てびち!てびち!てびち!!』
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