正直不動産〔全10回〕 (第9話・2022/5/31) 感想

NHK総合・ドラマ10『正直不動産』
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第9話〔全10回〕『決戦!眺めのいい部屋』の感想。
なお、原作となった漫画:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読。
また、本作は、2022年3月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
登坂不動産の業績は、ミネルヴァ不動産の工作により、悪化の一途をたどっていた。その裏には、ミネルヴァ不動産社長・鵤聖人(高橋克典)と、登坂不動産社長・登坂寿郎(草刈正雄)との、数十年に渡る因縁があり、永瀬財地(山下智久)も否応なしに騒動の渦へと巻き込まれていく…。そんな中、月下咲良(福原遥)も、ミネルヴァ不動産の営業社員・花澤涼子(倉科カナ)と、富士山が見える物件をめぐって対峙(じ)することになる…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1,2、相棒シリーズ、フルーツ宅配便、ハコヅメ)
演出:川村泰祐(過去作/闇金ウシジマくんシリーズ、ドS刑事、屋根裏の恋人) 第1,2,7回
金澤友也(過去作/ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~) 第3,4,8回
野田健太(過去作/ギルティ~この恋は罪ですか?~) 第5,6,9回
音楽:佐橋俊彦(過去作/ちりとてちん、テミスの剣、集団左遷!!、行列の女神)
主題歌:小田和正「so far so good」
※原作は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読ですが “内容に関するネタバレ” はありません。
これまでチラ見せさせてきた"縦軸"の答えが見えた!
いよいよ、残り2話となった『正直不動産』。早速、今回の主軸のエピソードだが…
これまでだったら、単純に「登坂不動産 VS ミネルヴァ不動産」の構図で “つづく” だったが。
今回は、これまで “縦軸” としてチラ見せしてきた2つの案件に、ある種のネタバレを提示してきたのが、大きな違いだ。
●ミネルヴァ不動産社長・鵤聖人(高橋克典)と、登坂不動産社長・登坂寿郎(草刈正雄)との、数十年に渡る因縁
●ミネルヴァ不動産の営業社員・花澤涼子(倉科カナ)の過去
この二つだ。当然、次回が最終回だから… が理由だが。
それでも、これまで “陰で暗躍している” を巧みに映像で見せてきた鵤社長だからこそ、登坂不動産に乗り込んで来たシーンは、圧巻の怖さ。
また、敢えて営業時間前に乗り込んで来るあたりは、意外にフェアプレーって感じで。
だからこそ、良い意味でイラっとして、ドラマとしては面白いのだが。
居酒屋の店内の壁の装飾「海老で鯛を釣る」が活かされた
実写版ドラマとして… というと。
映像的な工夫として(考えすぎかも知れないが…)、居酒屋「しょうじきもん」の店内の壁の装飾が、ドラマの内容と微妙にシンクロしていた。
それは「海老で鯛を釣る」だ。ご存知の通り、高価な鯛を安い海老で釣ることから、少ない元手や僅かな労力で大きな利益を得ること。
1つ目は、光友銀行八起支店の榎本美波(泉里香)が “肉じゃが” で、永瀬財地(山下智久)のハートを掴んだ。
2つ目は、永瀬が “モンブラン” で桐山貴久(市原隼人)から鵤社長の情報を聞き出した。
そして3つ目は、月下咲良(福原遥)が “芋焼酎3本” で花澤の過去と本音を聞き出した。まあ、偶然かも知れないが…
あとがき(その1)
いよいよ、次回が最終回。原作が連載中なので、どこを結末にするのか?
描き方次第では、続編のつくれると思います。
昨日、公式サイトで新情報がアップされたので、詳しくは下記の投稿を読んでみて下さい。まだまだ、『正直不動産』は終わらない!
【緊急決定】ドラマ10「正直不動産」 最終話放送翌週6/14(火)『正直不動産 感謝祭』放送決定
あとがき(その2)
原作の内容を知らない人は、下記は読まない方が良いです。
書いちゃいますよ~
今回のエピソードは、原作の漫画の第10巻収容の第73,74直「眺望悪化マンション(前後編)」がもとになっています。
原作との大きな違いは、永瀬と榎本さんのくだりはありません。
逆に、原作は、もっと、購入希望の夫婦と、花澤の過去にフォーカスしています。
そのことは、富士山が見えるマンションの名称でわかります。
「ディヴォルツィオ田無」の「ディヴォルツィオ(divorzio)」は “離婚” を意味するイタリア語。ですから、原作では離婚問題にまで発展する大きな事件なのです。
もう一つは、ドラマではカットされていたこと。原作では、富士山が見えなくなるのは「建設予定のマンションが建つから」でした。
で、原作では、1コマだけ建設予定地が描かれます。そのマンションの施工会社が、花澤が以前に勤めていた「唐松建設」なのです。
ここにも因縁があるわけです。原作では花澤は「知らなった」と言いますが。
また、今回もドラマ版のサブタイトルのつけ方が素敵ですよね。
原作は「眺望悪化マンション」なのに、ドラマでは「決戦!眺めのいい部屋」ですから。ちなみに、原作のサブタイトルは、すべて基本的に「不動産用語」的にアレンジされています。
あとがき(その3)
さて、前回も書きましたが。実写ドラマ版は、漫画と全く異なった価値観を創出しています。特に、永瀬と月下の “成長過程” がわかりやすく、感動的に描写されているのが特徴です。
更に読んでみるとわかりますが。実写ドラマ版の主人公・永瀬のほうがコミカルで、そこを絶妙に山下智久さんが演じているのもわかるはず。読み比べるの、絶対おすすめです!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16913/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話
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