元彼の遺言状 (第8話・2022/5/30) 感想

フジテレビ系・月9『元彼の遺言状』
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第8話『遂に最終章! 殺人犯篠田の過去は…!? 遺言状事件再び勃発』の感想。
篠田(大泉洋)から素性を打ち明けられて程なく、麗子(綾瀬はるか)は会社社長の西園寺(金田明夫)の依頼を受け、篠田、紗英(関水渚)と共に屋敷を訪ねる。すると刑事の橘(勝村政信)らがいて、西園寺が遺体で発見されたという。ところが、長男で通報者の渉(駿河太郎)がうつぶせだった遺体の顔を見て、父親ではないと言い出した。そこに次男の恭介(石垣佑磨)が現れ、兄弟は遺産を巡って言い争いを始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小説・新川帆立「元彼の遺言状」
脚本:杉原憲明(過去作/SUPER RICH、嘘から始まる恋) 第1,2,4,5,7話
小谷暢亮(過去作/闇の法執行人、DCU) 第3,6話
中園勇也(過去作/脚本協力「SUPER RICH」) 第4,8話
脚本協力:中園勇也(過去作/脚本協力「SUPER RICH」) 第1,2,5,6,7話
伊吹一(過去作/地上波ドラマ不明) 第1,2,5,6,7,8話
演出:鈴木雅之(過去作/ラジエーションハウス1,2、ショムニ、HERO、婚カツ!) 第1,5話
澤田鎌作(過去作/不毛地帯、監察医 朝顔、ナイト・ドクター) 第2,3,7話
西岡和宏(過去作/ルパンの娘2020、ラジエーションハウスII) 第4,6,8話
音楽:川井憲次(過去作/花燃ゆ、すべてがFになる、まんぷく)
約28分で終わってしまったが(笑)
今回は、二部構成。前半は「一話完結ミステリー」で、後半は「今作の縦軸ミステリー」だ。
個人的には、そもそも短編的な小規模なプロット(筋書き)の尺を物理的に伸ばして、引き伸ばして面白さが薄まるだけだからおすすめしない。
その意味では、約28分で終わってしまったが(笑)
単純でも、今回の出来なら、良く出来ていると褒めたくなる
紗英「悪くない推理ね」
劇中の紗英(関水渚)の台詞の通り、単純なプロットではあるが、“悪くないミステリー” だ。思わせぶりな描写もなく、あざいとい演出もなく、目障りなカットもなく、一気に結末まで走り抜けた。
そんな潔ささえ感じた前半。
これくらいに、単純でも、ミステリーとしての面白さ、オチの納得度を含めて、良く出来ていると褒めたくなる。
麗子のメイクが、前回とは違うから…
まあ、前回までとはちょっと違う演出だな? と最初から思っていた。それは、麗子(綾瀬はるか)のメイクが微妙にだが違うから。
これまでは、目立ち&ハデハデ重視の明るい雰囲気で “喋り好きなデキる女” 風だった。
でも今回は、ちょっと落ち着いたトーンでアダルトな雰囲気で “落ち着いて冷静な女” を強調した感じ。だから、演出家の交代が見えたのだ。
脚本と演出担当が変わると、こんなに仕上がりが違うのか!
そして、クレジットを見ると。第4話を担当した脚本担当・中園勇也氏と演出担当・西岡和宏氏のコンビ。脚本協力は、第1,2話でも脚本協力だった伊吹一氏。
これで納得だ。第4話の感想でも同じことを書いたのだ。脚本と演出担当が変わると、こんなに仕上がりが違うのか! と。
そして、今回も、それが証明されたわけだ。
今回の後半を、第3話のあとに直結しても良かったような…
そこで、無駄な提案をしてみたい。
今回の後半の「今作の縦軸ミステリー」部分を、第3話のあとに直結したら良かったのではないかと。
もちろん、連ドラの前半で “縦軸” の一部ではあってもネタバレをするのは危険なことだが。
でも、現実は、ネタバレを恐れて引っ張ったおかげで、篠田(大泉洋)の “立ち位置” を不明瞭にしか描けず、麗子(綾瀬はるか)との “バディ” が中途半端になったのだ。
だから、賭けにはなるが、第3話のあとに直結して挿入し、脚本と演出を、今回のコンビで続けたら、かなり今作の印象が良くなったと思うのだ。
時すでに遅し… だが。
あとがき
最初から、メインの脚本家と演出家を第4,8話のコンビにした方が良かったのではないでしょうか?
それくらいに、他の放送回と仕上がりが圧倒的に違います。
こうして毎週見続けていると、脚本家と演出家の重要性よくわかる連ドラだと思います。その意味では、脚本や演出を勉強するには、格好の研究材料かも知れません…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16907/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
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