連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第35回・2022/5/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第35回〔全120回〕/第7週『ソーミンチャンプルーVSペペロンチーノ』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は、房子(原田美枝子)とのペペロンチーノ勝負に挑む。「負けたらクビ」の背水の陣。まず暢子が作ったペペロンチーノは、シェフの二ツ橋(高島政伸)らに好評だった。そして、房子の作ったペペロンチーノの出来は…。実家の沖縄では、良子(川口春奈)が石川(山田裕貴)と無事に結ばれることに。そして賢秀(竜星涼)は、再び実家を去り関東を放浪の中で、ある出会いを迎えることに。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5,7週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
これ↓が、私と読者さんたちの本音では?
もう、何度も同じことを書かせないで!
もう、何度も同じことを書かせるようなことをやらないで!
↑これが、この1週間を見てきた私の率直な総括。そして…
もう、何度も同じ感想を読ませないで!
↑これが、今これを読んで下さっている読者のあなたの本音ではないだろうか…(謝) でも、懲りずに書く… ヨッシャ!!
ペペロンチーノの"本当の味"に衝撃を受けたのを思い出す…
先日の感想に書いた通り、主人公は、ペペロンチーノの “本当の味” を知らないのだ。なのに、つくるって? あ~思い出す。。。
日本を代表するイタリアン料理界の巨匠・片岡 護 シェフの東京・西麻布の人気イタリア料理店「リストランテ アルポルト」(公式サイト)で、人生初のペペロンチーノを食べたのを。
もう、20年以上前のことだ。
当時の私は、大のフランス料理好きで、イタリアンは正直ちょっと格下に見ていたのだ。
しかし、「アルポルト」のシンプルなのに奥深いペペロンチーノを食べて、ガツンとやられたのだ。イタリア料理、恐るべし! と。
だから、先日に書いた、フレンチの巨匠である初代帝国ホテル総料理長・村上信夫ムッシュと同様に、料理人に対してのリスペクトもあるし、西洋料理についても底知れぬ愛があるのだ。ズブの素人なりに…
結局、"島にんにく"を使った「創作料理」にしか見えない!
従って、イラっとするのだ。
繰り返しになるが、結局、暢子(黒島結菜)が二ツ橋(高嶋政伸)か誰かにペペロンチーノのつくり方や本当の味の極意みたいなものを教わり伝授された描写がないことに。
いくらレシピ本を読んだところで、僅か「7回の試作」で完成するようなペペロンチーノなんて、今回のように完全に、思い付きの “島にんにく” で切り抜けただけの「創作料理」にしか見えないのだ。
暢子の試行錯誤の前に"下ごしらえ"が無いからイラっとする
だから、梅干しを一気に100個頬張ったくらいに、口が酸っぱくなるほど繰り返したのだ。今作が描写すべきは…
1.暢子がペペロンチーノを知らないことを主張する
2.二ツ橋が暢子にペペロンチーノのつくり方を教えながら、試食させる
3.店の誰かが「この試作品を超えなさい!」と暢子に檄(げき)を飛ばす
これら↑3つを事前に描いてから、暢子の試行錯誤に入るべきだったのだ。
もはや、ただの「動くペペロンチーノのつくり方」番組か・・・
それなのに、今作が描写したのは、ほぼ「きょうの料理」や「3分クッキング」等の料理番組か、レシピ動画アプリ「クラシル」的な “もどき” なのだ。
こうなると、ドラマでも無いし、連ドラでも、朝ドラでも無い。ただの「動くペペロンチーノのつくり方」だ(失笑)
生意気な主人公をギャフンと言わせるエピソードをやりたいなら、料理と一緒で、もっと下ごしらえをしっかりするべき。
だって、そもそも房子(原田美枝子)の鶴の一声で結果なんてどうにでもなる “アンフェアな対決” なのだから。
せめて、スタート地点はフェアにやるべきだったと思う。
そもそも、対決する必然性がない!
繰り返しになるから、次の単語は使いたくなかったのが、他が思いつかないから許して頂きたい。そもそも… 出たぁ~~~!
そもそも、この結果を見ればお分かりの通り、対決する必然性が皆無なのだ。
暢子が、房子のペペロンチーノの美味しさに感動し、房子を見直せば良いだけだったのだから。
今作の掟、ルール、お約束を思い出して欲しい…
ここで、次のことを思い出して欲しい。
それは、今作がこれまで踏襲してきた「暢子は、美味しい料理を食べる(出会う)と、心が動いて、次へのステップへ進む」という “掟” や “ルール”、“お約束” があることを。
幼少期に父の美味しい沖縄そばを食べて、料理に関心を持った。
小学生の頃に那覇の西洋レストランで美味しい西洋料理を食べて胸が躍った。
高校時代の料理部対決では、ライバルのスィーツを食べ、自分の料理が評価されて東京行きを決めた。
そう、全部同じなのだ。
主要スタッフ刷新くらいやらない限り、テコ入れは不可能…
要するに、暢子の人生に於いて、一番重要なのは “美味しい料理を食べる(出会う)こと” なのだ。
これは、脚本家と演出家自身が描きてきた描写なのだ。
対決なんてのは、あくまでも “表現方法の違い” に過ぎない。このことを、当の本人たちが気付いていないのだ。
だから、主要スタッフの人事刷新くらいなことをやらない限り、テコ入れは不可能… そういうことだ。
房子が暢子を育てたいと描きたいなら、最初から描くべき…
また、房子が、いろいろな事情を経て、実は暢子を育てたいと描きたいなら、そう見えるように描く必要があったのだ。
ちょっとした覗き見のワンカットにしても細心の注意を払って、撮影・編集すべきだった。
もちろん、従業員たちも同様だ。今回の描写では、独裁の房子のご機嫌をとって、暢子をみんなで甘やかしているようにしか見えなかったのは、私だけだろうか。
いくら、朝ドラに “ヒロイン特権” があるとしても… だ。
もっと徹底してやるべきだったのは、暢子の描写!
そして、それ以前に、もっと徹底してやるべきだったのは、暢子の描写だ。
生意気でも、自信家でも、不潔でも、良くはないが、それが暢子だというなら、しょうがない。
でも、もう少しは好感度が上がるように描写しても良いとは思うが…
暢子の性格や性質の描写よりも、大切な描写とは?
いや、暢子の性格の描写も大切だが、それよりも大切なのは…
暢子がどれだけ食べることが好きで…
料理をすることが好きで…
味の本質を見極める能力に長けていて…
暢子のつくる料理をたくさんの人が「美味しい」と評価すること
ここが、徹底して描かれていないのだ。
ちょっとは描かれている。ヤング大会でも、先日の賄いの試食の時も、ペペロンチーノの試食でも。
でも、それぞれ、「高校生にしては…」だし、「沖縄料理だから…」だし、「食べたことない味だから…」なのだ。これでは、表現したとは言い難いのだ。
騒動を散りばめて、あれこれ描いたつもりらしいが…
このように、今週は、描くべきことを殆ど描かずに、「騒動至上主義」らしく、騒動を散りばめて、描いたつもりになっているのだ。
それについては、暢子以外のきょうだいのパートも同じことだ。四兄妹を、それなりに平等に並行して描きたいなら、一人分の尺は必然的に短くなる。
そこを十分に計算して、つまめる部分はつまんで、描くべき部分はしっかり描かないと、どんどんわけのわからない方向に進んで行くように思うが…
あとがき(その1)
矢作「今 目の前にある材料を最大限に生かす 柔軟な発想…」 二ツ橋「材料と真摯に向き合う姿勢 食べる人への心配り」
こんな「でーじ」なことを、脚本家が書いて知っているなら、自分の脚本でやってよ! ってことですよ。
あとがき(その2)
それに、また『脚本プチ講座 第4弾』的な、ドラマの脚本を書いている脚本家本人、演出している演出家本人も “知らず知らずのうちに” やってしまうことがある… です。
暢子たちの大叔父・比嘉賢吉(石丸謙二郎)は借金を返済してもらいたい一心で、金吾(渡辺大知)との結婚を推していたのに、今日の良子(川口春奈)と石川(山田裕貴)の結婚式ではたいそう喜んでいました。
借金はどうしたのでしょう? 賢吉の思考回路は、謝金と身内の結婚は別… じゃないはずですよね。賢吉が大喜びをしていた根拠が良くわかりませんでした…
あとがき(その3)
今週で合点がいかないことについて。
まず、智(前田公輝)が就職先を暢子のレストランの納入業者にしたくだりがありましたが、完全におかしいです。詳しくは、読者さんのコメントの返信に書きました(直リンクです)
あとがき(その4)
それにしても、ホント、騒動ばかりですね。予告編を見ても、ようやくレストランを舞台に落ち着くかと思ったら…(予告編を見ない人のために、口にチャックします)またまた新キャラ登場。
ホント、この《ちむどんランド》は、次から次へとアトラクションがあって、非日常的なキャラが現れますね。
本家の「夢の国」と一番違うのは… 満足感がないことです。
by 元・17年連続のTDS年パス保持者より
あとがき(その5、ラスト!)
最後の最後に。
「もう、離脱寸前…」、「このブログが最後の頼みの綱…」とのコメントをたくさん頂戴しております。
離脱寸前の気持ち、私も同じです。最後の頼みの綱… うれしいような、重責のような。
でも、まだ離脱しないと思います。 「こうすれば良いのに…」が思いつくうちは、望みを捨ててはいないので。
というわけで、継続視聴の読者のあなた、「土曜日版」も一緒に見守りましょう!
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16895/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
26 27 28 29 30 土
第7週『ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ』
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