正直不動産〔全10回〕 (第8話・2022/5/24) 感想

NHK総合・ドラマ10『正直不動産』
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第8話〔全10回〕『信じる事』の感想。
なお、原作となった漫画:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読。
また、本作は、2022年3月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
300坪・5億円の土地売買を扱うことになった永瀬財地(山下智久)と月下咲良(福原遥)。売り上げが落ち込んでいる登坂不動産としては是が非でも成約したい。そこに、またもやミネルヴァ不動産が競合として立ちふさがる。交渉の結果、なんとか契約を勝ち取る永瀬だが、ある違和感を感じる。取引相手の交渉術が、かつてうそをついていた自分と重なったからだ。そこで、永瀬は、元同僚、桐山貴久(市原隼人)を呼び出すのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1,2、相棒シリーズ、フルーツ宅配便、ハコヅメ)
演出:川村泰祐(過去作/闇金ウシジマくんシリーズ、ドS刑事、屋根裏の恋人) 第1,2,7回
金澤友也(過去作/ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~) 第3,4,8回
野田健太(過去作/ギルティ~この恋は罪ですか?~) 第5,6回
音楽:佐橋俊彦(過去作/ちりとてちん、テミスの剣、集団左遷!!、行列の女神)
主題歌:小田和正「so far so good」
※原作は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読ですが “内容に関するネタバレ” はありません。
最近、ドローンの空撮カットを多用する演出家が増えて…
最近、○○の一つ覚えのように、ドローンによる空撮カットを多用する演出家が増えて、げんなりしている私。
目新しいし、何かやって気になれるから使いたい気持ちはわかるが、「正直ブロガー」として言わせて頂けば、質の低い技術の品評会みたいで、うんざりしていた。
24分頃の永瀬が土地を見渡すドローンのカットは良かった!
しかし、今回の24分頃の、永瀬(山下智久)が土地を見る時の、ドローンのカットは良かった。
丁寧に3カットを使って。1カット目は、フィックス(固定カメラ)で永瀬の背後から土地を。2カット目は、フィックス(固定カメラ)で永瀬の寄り。
そして3カット目が、ロング(被写体を遠くに映すようなアングル)で永瀬を捉えて、そのままグ~ンとドローンが上昇して土地全体を。
これによって、永瀬が土地の売買契約の “嵐” に、風の効果音と共に巻き込まれそうな “負の期待感” を創出した。
また、普通ならここで終わるのに、オーバーラップ(カットとカットを重ねる)で登坂不動産の全景に繋げたことで、「最終日」の恐怖感が倍増した。
このようなドローンの使い方は、効果的な “飛び道具” として上手い使い方だと高く評価できる…
登場人物の設定が巧みに活かされたストーリーが秀逸!
ストーリーについては、当ブログの感想を読んでいる人なら、ネタバレを知りたいために読んでいないと推測するから、細かいことには触れない。
とにかく、今回のエピソードが秀逸なのは、今作のほぼ全ての登場人物の特徴や特性を含めた設定が、巧みに活かさされていること。
そして、登坂社長(草刈正雄)の人生が垣間見れ、それが先日描かれた永瀬の人生と重なること。
また、不動産業を描くドラマとして、“不動産の闇” について深く掘り下げたこと。
ドラマの構成に不自然な点がないため、安心して楽しめる!
更に加えるなら、最近の流行りの伏線と回収が的確に行われたこと。
そう、序盤のホテルでのビュッフェの洋菓子のスィーツと、和菓子の手土産だ。これによって、月下(福原遥)が永瀬のバディとして機能した。
やはり、ドラマの構成に不自然な点がないため、安心して楽しむことができる。これ、今期のドラマでは出来ていない作品が多いから、人気が出るのも頷ける!
あとがき(その1)
今回の表のテーマは「人を信じること」、裏のテーマは「人と人の縁(えにし)」と「仕事への誇り」でしょうか。
それらの大前提に、人に知られたくない “事情” と、裏切らない “正直” が描かれています。
知られたくないことを隠すことが、すべて悪いことではなく、裏表のない人柄や生き方こそが、大事なんだと教えてくれたような気がします。いい話でしたね。
あとがき(その2)
それと、地面師に騙されないためには、徹底的に「本人確認を行うこと」なのがわかりましたね。
なにせ、あの大手住宅メーカーの積水ハウスですら、地面師詐欺で63億円も、だまし取られたのですから(詳細リンク) 今回の事例なんて、ちょろいものなのです…
あとがき(その3)
原作の内容を知らない人は、下記は読まない方が良いです。
書いちゃいますよ~
桐山が復活しましたよね。実は、見るまで、どうやって辞めた桐山を再登場させるのか注目していました。なぜなら、原作では、桐山は、登坂不動産に在籍している設定なので。
今回のエピソードは、原作の漫画の第4巻収容の第27,28直「地面師(前後編)」がもとになっています。なので、前回のエピソードが第29,30直「リバースモーゲージ(前後編)」なので、漫画の掲載順とドラマの放送順が逆転しているわけです。
漫画は漫画で全く違和感はありません。しかし、ドラマ版の構成だと、永瀬と月下の “成長過程” がエピソードに反映されており、独自の醍醐味が出ています。
また、実写ドラマ版の主人公・永瀬のほうが、コミカルな要素を山下智久さんが絶妙に演じていることも、わかるはずです。
読み比べるの、絶対おすすめです!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16889/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
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