連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第6週/土曜日版・2022/5/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
1972年5月。高校を卒業した比嘉暢子(黒島結菜)は、復帰した沖縄から東京へ料理人になるためにやってきた。大都会の人ごみ、行き交う車に衝撃を受け、そして銀座のレストランの西洋料理にびっくり! レストランのオーナー・房子(原田美枝子)らの失笑を買う。そして、兄・賢秀(竜星 涼)がいるはずの場所を訪れたところ、衝撃の事実が待っていた。上京初日から、暢子に人生最大のピンチが訪れる。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3,6週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
ナレーションは的確に機能し、個性的で面白味もある!
ジョン・カビラさんによるナレーションは、いつも通りにご自身の体験談を踏まえ、時代の違いも解説し、本編の補足としても、きちんと機能している。もちろん、個性的で面白味もある。
「まさかやー」を抽出したような意図ある編集が気になる!
だから、余計に気になるのだ。編集が。
編集は、編集者の “一定の意図” によって編集された方が見やすいし、分かりやすい。しかし、今回の「土曜日版」の編集の “一定の意図” は、果たして適切だっただろうか?
これが、最大の疑問。私が気になっている台詞だから先入観があるかも知れない。でも、明らかに暢子(黒島結菜)の「まさかやー」を抽出して編集されているように見えた。
流行語を狙っているにしても、やり過ぎのような…
連ドラ、特に、朝ドラでは、ヒロインの台詞が流行語になることがある。それこそ、『あまちゃん』の天野 アキ(能年玲奈)の「じぇじぇじぇ」なんて、その成功例だ。
【朝ドラ名シーン】のんvs三陸鉄道!あまちゃんの名シーンを再現してみました!
だから、NHKが ○匹目のドジョウを狙っているのは理解しているつもりだ。
しかし、ここまで「まさかやー」が強引に推されたところで、流石にやり過ぎのような…
この「まさかやー」を強調した編集って、“誰得” なの?
それでなくても、「まさかやー」が削除されたとしても、暢子の大声は良くも悪くも印象に残るわけで。私にとっては、「土曜日版」の暢子の方が、ウザいと感じてしまった。
で、思うのだ。この類の大人の事情って、演者の黒島結菜さんにとってプラスになるのかな? と。
当然、朝ドラに出演すれば、1シーンでも「朝ドラ女優」とネット記事に書かれる時代。だとすると、ヒロイン、主人公を演じたなら、その “美名” も “汚名” も一生ついて回る。
だとしたら、この「まさかやー」の強調は “誰得” なの? と。
せめて、せめて、「土曜日版」だけは…(願)
敢えて言いたい。せめて、せめて、「土曜日版」だけは、上手く編集して、適切なナレーション処理をして、本編での違和感を払拭して、“物語” を、“ドラマ” を、“演者の演技” を楽しめるように、つくって欲しい。
第29回(5/19)の暢子の新居の部屋の畳の敷き方に言及…
ただ、今作のスタッフに、細かな配慮ができるのかは、甚だ疑問だ。
「土曜日版」でも “父の包丁” の “ありがたみ” は、そんなに強調されなかったし。試験で作った料理の品目についても、雑に描かれた。その反面、自分たちのミスは隠す。そう見えてしまうのだ。
例えば、第29回(5/19)で、暢子が自分の部屋を手に入れる場面が描かれた。その部屋の畳の敷き方が妙だったのだ。
下のキャプチャ画像を見て頂ければ分かると思うが。

©NHKプラス「ちむどんどん」より

©NHKプラス「ちむどんどん」より
四畳半の畳の部屋の3枚が、夕日が差し込む窓に向かって並列に並んでいたのだ。2枚目の画像で分かるが、この畳の配置だと、半畳の1つの角で畳のふちが “十字” になってしまう。
これは、江戸時代ごろから「不祝儀敷き」と呼ばれ、葬儀の時に使われる敷き方。最近では、お寺や大広間でしかほとんど使われていない。昔の言い伝えだから今も守る必要はないが。
それでも、畳の “十字” の部分が痛みやすいから避けるのが無難。特に、賃貸物件で頻繁に畳替えをしないなら。
そして、畳敷きの掟として、部屋の入り口の畳は出入り口と平行に敷くべき… というのがある。
このように敷くと、畳の目の方向と足を運ぶ方向が同じになるため、足の運びもスムーズになり、畳をすらないため長持ちもするし、掃き掃除をする際にはゴミが吐き出しやすいのだ。
このような掟は、普通の人は知らなくても、美術スタッフなら年齢に関係なく、美術の基本中の基本として知っていて当然で(30年ほど前のことだが、私もそうだった)。
沖縄の「琉球畳」には、「不祝儀敷き」という概念がない!
ただ、ネットで調べてみると(参照元など)、沖縄では、井草の代わりにシチトウ(リュウキュウイ:琉球藺)を編んだ「琉球畳」が一般的で、「琉球畳」は、“畳縁” がない “半畳タイプ” のため、市松模様のように敷き詰めるのがポピュラーのようだ。
だから、そもそも「不祝儀敷き」という概念がない。
従って、家主が鶴見に長く住んでいる設定ではあるが、沖縄出身だから「不祝儀敷き」という概念がない… とするのは、つくり手の理屈として強引すぎるような。
まあ、それも気になるが、暢子が上京する際に、履物を当ブログの商品紹介でも書いてある “島ぞうり” しか持って来ていないのか? の方も大変気になるが…
あとがき
昨日、ある読者さんからのコメントで、私自身が『とと姉ちゃん』の時の感想に書いた一文を思い出させてもらいました。
「出来事至上主義」で “出来事” などの騒動とその解決ばかりを描いて、全く人物像が描かれていません
良く考えてみると、『とと姉ちゃん』以降、「ほとんどの朝ドラ」と言って良いほど、「出来事至上主義」ですよね。
基本的に、物語を牽引するのは、騒動と解決の組み合わせの “出来事” で、そこで動く登場人物の心理描写や人間関係の変化は “後付け” なのです。
今作なんて、正に「出来事至上主義」ですよね。
今作が他の作品と少し違うのは、騒動の発端は劇的に描きますが、騒動の経緯が雑、結末に至っては放置して、また次の騒動に移ってしまう。
これでは、登場人物に対して、共感や感動、応援する気持ちが芽生えるのは難しいと思います。
もう、遅いと思いますが。クランクアップ(撮影終了)は8月中旬から月末だと思うので、まだ3か月はあります。その中で、修正されていくのを… 期待して… みましょうか? ふぅ~~~っ
因みに。沖縄では「ビーチサンダル」を「島ぞうり」と呼ぶそうですが、千葉県、それも南部の南房総地域では、ゴム製の一体成型のサンダルを「ギョサン」と呼びます。「漁村」の人たちが履く「サンダル」だから「ギョサン」です。
昔は「青色」が定番でしたが、今はカラフルな色があります。靴底が厚めで一体成型なので、岩場も安心で頑丈です!
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/16876/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22> 23 24 25 土
第6週『はじまりのゴーヤーチャンプルー』
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