インビジブル (第6話・2022/5/20) 感想

TBS系・金曜ドラマ『インビジブル』
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第6話『新章開幕! 志村に命の危機! 真のインビジブルから悪魔の取引』の感想。
残忍な手口で殺された男性の遺体が見つかった。志村(高橋一生)から状況を聞いたキリコ(柴咲コウ)は、犯人は医師免許を持つクリミナルズ‘ドクター’だと語る。一方、捜査一課の磯ヶ谷(有岡大貴)と夏樹(堀田茜)は被害者の行きつけの店へ出向き、被害者が急に羽振りがよくなったこととその時の同行者の情報を得る。そんな中、ドクターが狙うターゲットの残り2人が判明し…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:いずみ吉紘(過去作/極悪がんぼ、仰げば尊し、集団左遷!!) 第1,2,3話
槌谷健(過去作/都庁爆破!、ブラックペアン、下町ロケット) 第4話
香坂隆史(過去作/七人の秘書、ドクターX S-7) 第6話
演出:竹村謙太郎(過去作/アンナチュラル、警視庁ゼロ係シリーズ、MIU404) 第1,2,5話
棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013、死役所、着飾る恋には理由があって) 第3,4話
泉正英(過去作/病室で念仏を唱えないでください、TOKYO MER) 第6話
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリーズ、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、ゴシップ#)
主題歌:Dragon Ash「Tiny World」
キリコの指示でなく、説明と解説で警察が動き出した…
あまり好きな手法ではないが。
でも、これまでの警察が目の前で起こった事件の犯人を捕まえるだけの “刑事ドラマ” では、インジビジブルの存在も殆ど意味がなかったし、そもそも事件そのものが分かり難くて、面白いとは言えなかった今作。
で、「新章」ということで、序盤からキリコ(柴咲コウ)の “指示” をやめて、“説明” と “解説” によって警察が動き出した。
完全に説明台詞で面白味は皆無だが、これまでよりは分かり易いし、流れもスッキリした。まあ、警察の「ここは キリコ君を信じましょう」は情けない… の一言だが。
それでも、二択ならこちらの方が “ドラマ” らしいか…
これまで、警察の「事後処理」を描いて来た"だけ"だった…
つくり手は承知の上で描いていたのかも知れないが。
キリヒト「事後処理しかできない警察がパートナーじゃ」
↑劇中のキリヒト / 桐島(永山絢斗)の台詞だ。
これまでの今作は、台詞の通り、警察の「事後処理」を描いて来た “だけ” なのだ。だから、警察の捜査能力を疑わざるを得なかった。
なぜなら、刑事ドラマに於いて、捜査の “過程・経過” が一番重要なのに、今作は事件の発端と結末ばかり。連ドラなのだから、犯人が判明するのは当然。だったら、“過程・経過” を描くべき。
で、やっと。今作も “ドラマ” “連ドラ” の体を成してきた… ということだ。
キリコも志村も警察も、キリヒトを信じているのか???
ただ、今回の選択で面白くなったかといえば、そうは思わない。むしろ、意味不明な描写が多くて、違和感が増してしまった。
例えば、なぜ、キリコ(柴咲コウ)も志村(高橋一生)も警察も、キリヒトを信じているのかが、全く分からない。
「キリヒト=犯罪者=悪い人」という思考回路なら、志村も警察も、頼る以前に犯罪者として言及し尽くすべきだった。
「キリヒト=敵」で「キリコ=味方」というのは、ドラマの登場人物間の県形成として、あまりにも短絡的で面白くない。せめて「キリヒトにも、実は…」みたいなものを匂わせるくらいは、やっても良かったと思う。
キリヒト自身、どんな手を使っても条件を成立できるのでは?
もう一つの違和感。それは、キリヒトの条件である 《ひとりでも救うことができたら…》 があるなら、キリヒト本人がどんな手を使っても条件を成立できるのでは? という疑問が払拭できないこと。
それこそ、インジビジブルの正体が誰であっても、今回の実行犯である “ドクター” が誰であっても。それこそ、依頼人や被害者が誰かも殆ど意味が無いのだ。だって 《ひとりでも救いたい》 なのだから。
だったら、キリヒトは複数の実行犯を用意して、完全に目的を果たす執着心みたいなものを描くことに重きを置くべきだったと思うが…
あとがき
これ、「キリヒト=犯罪者=悪い人」、「キリヒト=敵」の構造があるなら。キリコがキリヒトを抹殺しようとしているように見せるべきだったと思います。弟だから… を理由にするなら、データを破壊すれば良かっただけだし。
まあ、ズルズルと第6話まで見て来ましたが、今回で良かったのは、キリコが志村に固執してきた理由がわかったことです。ここが、一番モヤモヤしていたので。
ただ、やはり演出が甘いですね。ラストのキリヒトの部分、顔が映る前に声でわかっちゃうので(笑)
しかし。。。この視聴率の中の、大切な「新章開幕!」で、脚本家と演出家を今作初担当者にするのは、ドラマの内容以上に冒険的で挑戦的ですね… こうなるとは想像していなかったとしても(困)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16875/
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