連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第23回・2022/5/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第23回〔全120回〕/第5週『フーチャンプルーの涙』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は卒業後に上京する夢をあきらめざるを得なかった。兄・賢秀(竜星涼)は責任を感じてどこへかともなく家を出ていき、暢子は地元での就職が決まる。だが、姉の良子(川口春奈)は、口では厳しいことを言いながらも、実は暢子を東京に行かせてやりたいと思っていた。暢子がフーチャンプルーを作ったある夜、母・優子(仲間由紀恵)が暢子の上京を再び提案し、長い長い家族の夜が始まる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
比嘉家は、まるで"ドラマに出て来るような"いい家族…
私は、ひねくれ者だから次のように考えてしまう。比嘉家は、まるで “ドラマに出て来るような” いい家族に見える… と。
母・優子(仲間由紀恵)は共同売店で働き、夜は服の繕い作業をやって、畑仕事までやっている。良子(川口春奈)は家にお金を入れているし、今回は妹のために300ドルの借金をした。病弱な妹・歌子(上白石萌歌)は高校を辞めて働くと言いだした。
これを “いい家族” と呼ばずして何と例えるか!
暢子はなぜ《東京に行けるはず…》と思いこんでいるのか?
そうなると気になるのが、暢子(黒島結菜)だ。そもそも、なぜ、暢子はヤング大会で優勝しただけで、優勝スピーチで宣言しただけで、《東京に行けるはず…》 と思いこんだのかが分からない。
その上で、兄・賢秀(竜星涼)が家を出ていき、自分は地元での就職が決まったから、ふてくされて機嫌が悪いようにしか見えないのだが。
母も姉も自分のできることをやって来たし、やっているのに
これだけでも良く分からないのに。今度は、次のようなことを言ってのけた。
暢子「小学生の頃から 家族のごはん作ってきたうちの身にもなって!」
年少の歌子は別にして、母も姉も自分のできることをやって来たし、やっている。なのに、自分は「ずっと料理をして来た」と…
ここで主張できるのは、暢子が家畜の世話や畑仕事、日々の食料の調達(山菜採りとか)なんかを、ちゃんとやって来たことが描かれた上でないと、全く説得力も無いし、同情も出来ないのだが…
暢子の料理の味が、どれくらいのレベルなのかが分からない
更に言うなら。暢子の料理の品質についても言いたい。今回でも、良子が暢子の作った、サブタイトルになっている「フーチャンプルー」について次のように評価していた。
良子「暢ネーネーの おいしいからねぇ」
そう、こういうことなのだ。要するに、暢子の料理の味は、家族や素人や高校生にとっては “美味しいレベル” の可能性があるのだ。
暢子の「料理の才能」や「味のセンス」すら描けていない!
だって、話を蒸し返せば、料理のライバルであった南山原高校の料理部部長・屋良ひとみ(池間夏海)の料理は、「親のつてを使った高級食材のおかげで美味しいだけ」と言ったのは、早苗(高田夏帆)なのだ。
だから、ひとみの料理に暢子が勝利したのは、味ではなく、食材のチョイスが成功しただけの可能性があるってことなのだ。
従って、今回の「暢ネーネーの おいしいからねぇ」も、比嘉家の家計の事情を考えずに、材料はふんだんに使っている可能性が高い。
今回の序盤でも “薄味” のくだりがあった。私は貧しいから塩をケチったのかと思いきや、料理に集中していなかったからだった。
要するに、主人公がこれから立身出世していく原動力の一つである「料理の才能」や「味のセンス」などの根本的なことですら、まともに描けていないのだ。
暢子が「暢子は暢子のままで上等」を信じ込んでいる方が…
さて、今回の暢子に話を戻す。
なぜ、暢子は 《東京に行けるはず…》 と思いこんだのか?
比嘉家のルール下では、賢秀に対しての過剰なほどの “お目こぼし” が許されていることから、暢子も好き勝手をやっても、家族に迷惑をかけても、“お目こぼし” を貰えると思っている可能性がある。
まあ、ドラマに出て来るような “いい家族” だから、それもアリだが。
でも、だったら、逆に、暢子は高校3年生まで亡き父・賢三(大森南朋)の教えである「暢子は 暢子のままで上等」を捻じ曲げて信じ込んでいる方が、面白かったかも?
そうすれば、母や姉妹が「そういう意味じゃないから!」と、暢子にツッコめば良いのだから…
せめて優子や良子や歌子を共感や応援が出来るように描いて
というわけで。こんな状況で、次のように良子に言われても…
良子「最高の妹なんです」
本来は、同情したり、気の毒に思ったり、応援したくなったりする場面なのだろうが、ハッキリ言って “そういう気にならない” のだ。
いや、賢秀は置いておいて、暢子に対する “特別待遇” は、いくらドラマでも、おかし過ぎないだろうか。
決して不愉快ではないが、ちょっとだけ不気味な感じがしてしまった。流石に、こんな家があるの? って。
せめて、せめて、暢子は別にしても、母や良子や歌子には共感や応援が出来るように描いて欲しい…
暢子を、家族を心配し気遣うような"いい人"に描いて欲しい
それと、できることなら、暢子が自分のことしか眼中にない人ではなく、他の家族と同じレベルで良いから、母や姉や妹を心配したり、気遣ったり、気遣いに気付いたりするような、“いい家族” に相応しい “いい人” に描いて欲しい。
現状では、なんだかんだへこんだ様子を見せてはいるが、東京行きの卒業旅行を足掛かりにして、そのまま東京で就職しちゃう気満々にしか見えないから。
あとがき(その1)
どうして、主人公をこんなに自己チューな人に仕立ててしまったのでしょう? こんな主人公だと、彼女を応援する家族へも不信感が募ってしまいます。
まだ、不愉快とかムカつく… のレベルではありません。ただ、ここまで意味不明で意味のない “ヒロインアゲ” が目に余ると、流石に「このままで大丈夫?」と疑問符が浮かんでしまいます。
あとがき(その2)
それと、他にちょっと気になったことを。今作って「お金は借金して働いて返す」と描いていますが。まあ、確かに間違ってはいないのですが。
それ以前の大前提として、“やるだけのことは、やってみた結果…” というのが、あるのでは?
やはり、暢子が幼少期から、四兄妹の中で “一番の働き者” みたいな刷り込みを視聴者にやっておくべきだったと思います。もう、遅いですが…
やはり、一日も早く「東京編」に進んでしまった方が、粗が出ないような気がします…
あとがき(その2)
沖縄に関する特別番組の情報です。良い内容でしたので、下記の投稿でご紹介しています。
【おすすめ番組】島唄を通して沖縄を感じる番組!NHK総合「沖縄 島唄を見つめて~2022年春~」の見逃し配信と再放送情報
2022年5月11日 13:44 追記
『「♪椰子の実」は「沖縄民謡」ではありません。』との投稿をしました。
5/11のWeb拍手へ(2):「ちむどんどん(第23回・2022/5/11)感想)」と劇中歌「♪椰子の実」について
また、9日に放送された第21回で、下地先生が倒れた時に、手と額にベッタリとついた血… と見せかけてケチャップだったの見て「なんねぇこれ~!」と絶叫するシーンが不可解であることも言及しました。
5/10のWeb拍手へ:ある読者さんからの「ちむどんどん(第22回・2022/5/10)感想」への返信と、その読者さんへのお願いについて
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16838/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
21 22
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