正直不動産〔全10回〕 (第6話・2022/5/10) 感想

NHK総合・ドラマ10『正直不動産』
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第6話〔全10回〕『仕事をする理由』の感想。
なお、原作となった漫画:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読。
また、本作は、2022年3月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
桐山(市原隼人)がスパイである可能性が浮上するも、永瀬(山下智久)は信じられない。そんな中、永瀬は桐山と2人で、「竹鶴工務店が所有する土地に複数の家を建てるので、それを売る」という大型案件を担当。だが、竹鶴工務店が下請けに低予算で建築を丸投げしようとしていることが分かる。金額に見合った材料で家を建てた場合、欠陥住宅となるのは明らかだった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1,2、相棒シリーズ、フルーツ宅配便、ハコヅメ)
演出:川村泰祐(過去作/闇金ウシジマくんシリーズ、ドS刑事、屋根裏の恋人) 第1,2回
金澤友也(過去作/ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~) 第3,4回
野田健太(過去作/ギルティ~この恋は罪ですか?~) 第5,6回
音楽:佐橋俊彦(過去作/ちりとてちん、テミスの剣、集団左遷!!、行列の女神)
主題歌:小田和正「so far so good」
※原作は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読ですが “ネタバレ” はありません。
34分頃、心の中で「風よ、吹けぇ~!」と叫んでしまった!
34分頃、永瀬(山下智久)と桐山(市原隼人)が竹鶴工務店社長・竹鶴一亀(吉田ウーロン太)に「俺を脅す気か!」と開き直った時、私は心の中で「風よ、吹けぇ~!」と叫んでしまった。そして、スカッ!と。
とにかく、今回の主軸になっている竹鶴工務店の不正についての案件がとても良く出来ているのに感心だ。
今回の主軸のエピソードが、本当に良く出来ている
感心する理由は、勧善懲悪モノとしての完成度の高さと、スッキリ具合が絶妙なのは当然だが。他にも理由はある。
それは今回の主軸のエピソードとして、「桐山のスパイ容疑」と「月下が抱く桐山への不信感」と「桐山の過去」の桐山に関わる3つのサイドストーリーと…
第1話から描かれている本作の主軸エピソードである「正直営業に変わった永瀬の活躍」の4つが集約される話になっていることだ。
巧みなフラグと、丁寧にフラグを摘み取って行く"回収"
それを成功させたのが、巧みに仕掛けられた数々のフラグと、丁寧にフラグを摘み取って行くような “回収” の作業だ。
視聴者に序盤で一つひとつネタ振りをして、桐山の怪しさを増幅させて、29分頃の幼少期の桐山と父との回想シーンから、桐山への不信感を一つひとつじわじわと視聴者が永瀬と月下(福原遥)と一緒に払拭していくストーリー。
なかなか凝った脚本だ。
【良かった演出1】桐山の現在から回想シーンへの変化
今回は、実写ドラマ版ならではの、私が良かったと思う演出があった。
例えば、前述の29分頃の「現在から過去への時間の巻き戻し」だ。映像手法としてはオーソドックスだ。船の汽笛を合図に “カラー” と “セピア” の世界が同一画面に入って、そのまま回想へ移るだけだ。
しかし、優しい劇伴と相まって、ノスタルジックな雰囲気を醸し出した。
【良かった演出2】永瀬が桐山を呼び止めるタイミング
また、42分頃の退職願を提出して登坂不動産を出た桐山に、ビルから出て来た永瀬が声を掛けるまでの “約25秒間” が良かった。
所謂 “溜め” だ。先の「風よ、吹けぇ~!」がドンピシャのタイミングだったから、ここは敢えて外して来たのだろう。
ちょっとだけ視聴者を焦らして、今作のテーマであろう 《人はいつでも変われる》 へ印象的に接続した。この辺の巧みな編集はドラマならではの醍醐味だ。
あとがき
ドラマも折り返しになり、永瀬が “祟り” をコントロールする感じや、月下の成長、ミネルヴァ不動産含めて、まだまだ明らかになっていない謎が、さらに深まって、一段ギアがあがって面白くなってきましたね。
登場人物たちが正常に進化しているので、更に後半戦は楽しみです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16835/
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