連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第22回・2022/5/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第22回〔全120回〕/第5週『フーチャンプルーの涙』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は高校卒業後、上京して料理人になることを夢見ていたが、兄・賢秀(竜星涼)の起こしたトラブルからそれどころではなくなってしまう。賢秀は警察沙汰寸前の大ピンチに。兄を、そして家族の窮地を救うためになぜか妹の歌子(上白石萌歌)が、音楽教師・下地(片桐はいり)の前で歌わねばならぬ羽目に。そして一家は経済的に更に窮地に陥り、暢子が上京することは許されなくなっていく…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4,5週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
賢秀のダメっぷりより、暢子の言動の方が気になる…
世間では、賢秀(竜星涼)のことを良く思わない視聴者が多いようだが。ドラマに感情移入するのは自由だし良いことだと思う。
しかし、そもそもおかしなことがあるのだ。確かに賢秀は長男でいい年の自由人で遊んでいる。良子(川口春奈)は時々嘘をつくが就職していて、家にお金を入れている。歌子(上白石萌歌)はまだ高校生1年生だ。では、高3で卒業間近の暢子(黒島結菜)は? ってこと。
暢子は、母と姉の稼ぎで暮らしていることを知らないのか?
確かに、今作的には「暢子は 暢子のままで上等」なのだ。でもそれは暢子が “ドラマの主人公” だからではないのか?
ここで一旦、冷静になってみよう。比嘉家には借金がある。父が亡くなって貧乏暮らしだ。そんな中でも、母・優子(仲間由紀恵)や良子の稼ぎで何とか暮らしている… これが “今作の設定” だ。
暢子が、"家のお金"を頼りに夢をかなえようとするのは…
だとしたら、“今作の主人公” が、家のたくわえを目当てにして、夢を叶えるために東京に行こうと考えているのは、それこそ人としてどうなのか? ってこと。
更に、家族たちも、暢子の夢を叶えるために? ここが良く分からないのだ。「比嘉家は貧しい」という設定は、どこまで比嘉家に影響を与えているのか分からないのだ。
「貧しいのに楽しい家族」とは、ちょっと違うような…
それこそ、暢子が沖縄では治療ができない病気に侵されていて、東京の大病院で治療を受けないと死んでしまう… みたいな “設定” なら分かる。家族が全てをなげうってでも暢子を救いたいと願うのは。
でも、(誤解を恐れずに書くけば)命に係わるわけでも無いのに、夢をかなえるのだ。ある意味、余裕があるってこと。でも、確か、比嘉家は困窮しているはず。そう、堂々巡りしてしまう。
なぜ、賢秀は怒られて、暢子は応援されるのかがチグハグ…
なぜ、暢子だけ? なのか。それを言うと、賢秀も “賢秀だけ” って感じはなくも無いが…
いや、暢子が夢を叶えるために上京することが “優遇” される “設定” なら、賢秀が家のお金を使い込むのも “優遇” されてもおかしくないような?
なぜ、賢秀は怒られて、暢子は応援されるのか、かなりチグハグで、《主人公特権》を使い過ぎていると思う。
暢子は"私だけ夢を叶えて良いのかな?"と葛藤すべきだった!
もっと、暢子が夢を語る前に、比嘉家の経済状況や、兄の状態を考えて、一瞬で良いから「私だけが夢を叶えて良いのかな?」と葛藤しても良かった、いいや、葛藤する姿を描くべきだったのだ。
特に、後半の暢子たちの大叔父・比嘉賢吉(石丸謙二郎)夫婦が来た時に、母や暢子が言い訳をするくらいなら。叔父にきつく言われたくらいで泣くなら。最初に苦悩を描いておくべきだったと思う。
でなければ、後出しジャンケンにしかならない。まあ、幼少期に「東京に行く」と言って、速攻バスから降りた暢子だから、繋がっていると言えば、それまでだが(失笑)
暢子の夢と、賢秀のトラブルは直接関係が無いような…
最近、読者さんのコメントに「暢子が良く分からない」との意見がある。私も同感だ。
再び、そもそも論で恐縮だが。兄・賢秀の起こしたトラブルで、比嘉家は窮地になるのはおかしくない。物損事故等の賠償で更に借金が増えた可能性はある。ただ、それと暢子が夢を見ることとは直接関係が無いのでは?
それこそ、暢子が「家の借金のために、すぐ地元で就職したい!」と申し出るのが、ドラマの主人公でないのか? ってこと。
四兄妹が下地の教え子の設定の方が、面白く描けたのでは?
また、ドラマだと改めて考えると、次のようにも考えられる。それは、賢秀と良子は、暢子と歌子が通っている高校の卒業生の可能性は無いのか? ということ。
フーテンの賢秀と教師の良子が同じ高校の可能性は低いが、違うとは描かれていない。だったら、ドラマの “設定” として、四兄妹は同じ高校で、下地先生(片桐はいり)とはみんなが知り合いという “設定” の方が、話が広がったのではないだろうか。
先日の下地が比嘉家に飛び込んできた際も、前回のハンバーガーショップでの乱闘騒ぎの時も、教え子と恩師のやり取りでひと悶着みたいな感じで。なんか、勿体ない気がしてならない…
あとがき(その1)
叔父さんが言っていた通り、交通費のことを考えれば、比嘉家の経済状況では、そもそも暢子の東京行き自体が無理だった可能性があるわけですよ。そんな家計の状況を暢子が知っていないほうが不自然で。
だったら、学校でバイトが禁止なら叔父さんの仕事を手伝ってお金を稼ぐとか、それこそドラマあるある的に、料理大会の優勝賞品が「那覇のレストラン食事券」で、まずはそこで修業を始めるとか。いくらでも、今よりは自然な流れに創れたと思いますよ。
あとがき(その2)
その前に、それぞれのキャラクターの掘り下げ、家族の描写が雑で適当過ぎます。だから、登場人物の言っていることが分かり難いし、共感も、応援も出来ないのです。もっと、ナレーションで補強&補完した方が良いと思います。
あとがき(その3)
それと、ある読者さんの「賢秀をどう思うか?」のコメントにお答えしました。ここに、概略を転載しますので、何かの参考になれば…
もしも賢秀が現実社会の人間だと仮定したら、私は、罪だと分かっていて騙す人間より、騙される人間に好感を持ちます。また、賢秀はゴミか、クズかと言えば「まだ、わからない」と言わざるを得ません。だって、若いですから。
私のように、親に迷惑をかけて、孫の顔を見せられないまま、まともな親孝行も出来ずに、両親を亡くした身としては、私の方がバカでクズですよ。でも、賢秀はまだまだやり直せる可能性があるので、彼の人柄を現状で決め付けることは私には出来ません。
また、ドラマの登場人物として見れば、賢秀みたいなキャラがいないとドラマが成立しない点があります。ゴミやクズみたいな登場人物を否定したら、刑事ドラマや仁侠映画は成立しないと思います…
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16832/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20 土
第5週『フーチャンプルーの涙』
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