連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第4週/土曜日版・2022/5/7) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第4週『青春ナポリタン』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)は決まりかけていた就職を断り、気塞ぎな日々を過ごしていた。だが、料理の腕を見込まれて料理部に助っ人を頼まれることに。長男・賢秀(竜星涼)は、家族のために一攫千金を夢見てチャンスを探していた。長女・良子(川口春奈)は友人・石川(山田裕貴)への想いがなかなかうまくいかず、三女の歌子(上白石萌歌)は音楽教師・下地(片桐はいり)から逃げ回る毎日だった。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/演出:ちゅらさん4、てっぱん、純と愛、CP:ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/演出:てっぱん、純と愛、CP:第3夜 転・コウ・生)
※敬称略
視聴者に正しく認識してもらいたいという意図で印象操作?
金曜日の感想に写真掲載した、「サーダーアンダーギー」の「コーヒー味」を食べながら、モーニングコーヒーを飲みつつ、落ち着いて「土曜日版」を見終えて思ったこと…
N「持ち前の思いっきりのよさでハプニングを乗り越え」
冒頭のジョン・カビラさんのナレーションの一部だが。かなり「土曜日版」で、つくり手側に都合が良いように印象操作をして来たな… という感じだ。まあ、それが良いか悪いかは受け手次第… となるが。
でも、軌道修正というか、視聴者に正しく認識してもらいたいという意図なら、それはそれで良いと思うが(「土曜日版」を見ていない人はどうする? との問題は残るが…)
今週で描きたかったのは"暢子の持ち前の思いっきりの良さ"
それは、暢子(黒島結菜)が「やんばるそば」から「やんばるナポリタン」にメニュー変更したことで描きたかったのは、「暢子の料理の才能」ではなく「暢子の持ち前の思いっきりの良さ」だったということだ。
これ、今作を理解するうえでも、今後を楽しめるかどうかにおいてでも、大きな分かれ目になるような気がする。
なぜなら、少なくとも私は、暢子が父から料理を教わり、もって生まれた料理の才能が開花し、家族や友人たちに料理の腕前を評価され、自分も食べるのも料理をするのも好きだから、料理の道に進みたいが、比嘉家の経済状況を考えると、そうもいっていられない… と、もやもやしていると “勝手に” 思っていたから。
暢子は、カリスマ性のあるヒロインではなく、普通の女の子
でも、それは私の勝手な思い込みだったようだ。この「土曜日版」の編集意図をくむと、暢子には特別な料理の才能があるわけでは無く、あくまでもお手本をもとに自分の好きな味に料理を作ることができる程度のセンスと技術があるくらい。そして、仕事としてやりたいのは、“東京” で料理人としてレストランで働きくこと。
う~ん、別に悪くないし、普通といえばそれまでだが、もやもやはするし、ちむどんどんはしない。その理由は簡単で、目標として不明瞭だからだ。それこそ、漠然とした目標なのだから、「世界中の人を私の料理で幸せにしたい」、「東京で料理人として成功して、お母さんたちを楽にしてあげたい」とか、大きな目標を掲げても良かったと思う。
それこそ、兄の賢秀(竜星涼)くらいに野望があっても良かったということ。だって、暢子は、堅実な良子(川口春奈)とも歌子(上白石萌歌)とも違うのが個性なのだから。
暢子に特徴が無いから、ひとみを応援したくなってしまう…
結局、主人公としてとびぬけた特徴が無いのだ。だから、個人的には、ライバルの南山原高校の料理部部長・屋良ひとみ(池間夏海)の方が、あんな横暴な父(とは言っても、実は “筋金入りのワル” ではない!)の娘のわりに、父の力を借りて品目を変えたり原材料を変更もしたりせずに、正々堂々と戦って頑張ったと思う。
料理部の代表挨拶の代弁なのに「うちは、うちは…」を連呼する暢子より、言葉が詰まった暢子に対して「頑張れ!」と声援を送るひとみの方が、遥かに “アオハル” だし、応援したくなるのだ。要は、これでドラマとして良いのか? ってことだ。
演出で、山原高が南高に大差で勝った方が良かったような…
それと、金曜日の感想で書いた、ヤング大会での料理合戦のルールについて一言。「土曜日版」では、点数表(紙でつくった花が貼ってあった)が強調された。良く見ると、以下のようになっていた…
【場所替え時】
・南山原高校(ひとみ):山原高校(暢子)=16:14
【ナポリタンを提供し始めた時】
・南山原高校(ひとみ):山原高校(暢子)=28:18
【最終結果】
・南山原高校(ひとみ):山原高校(暢子)=33:38
これ、単純に演出として、【最終結果】を “僅差” ではなく、「33:53」くらいの “大差” にすれば良かったと思う。要するに、「やんばるそば」で獲得した「18ポイント」を差し引いても、ひとみたちの「さんぴん茶の蒸しケーキ」の得票数33点を優に超える大差で勝つ。
まあ、それをやると、最初から「やんばるナポリタン」を出す展開にすれば良かった論に戻ってしまうが(苦笑)
今作はカリスマ的な主人公の立身出世の物語でないようだ…
最後にまとめよう。
結局、暢子は、味のメモを執るほどに美味しいものが好きで、料理を作るのも好きで、自分の料理を食べて「美味しい」と言ってくれると嬉しい人… ただ、それだけの人なのだ。そして、公式サイトにあるように “一度だけ食べた西洋料理のきらびやかな魅力にとりつかれ、やがて料理人を目指して東京へと旅立っていく” というだけなのだ。
従って、唯一無二の才能があるとか、絶対にかなえたい夢を実現する情熱あるとか、そういう主人公の立身出世的なドラマではなく、田舎生まれの女の子が都会に憧れて上京して、夢を見つけて実現しようとする姿を描くドラマだと、認識を変えようと思う。
その意味では、4月のニュース記事で今作の小林チーフプロデューサーが言っていた「一人の女の子の何十年という歳月を濃く描きたい。」(情報源)は、あながち間違いではなかったかも知れない…
あとがき
「土曜日版」で削除されたなら納得できますが。もう少し本編で「料理」そのものの描写をやって欲しかったし、今後もやって欲しいです。ひとみたちの「さんぴん茶の蒸しケーキ」に乗っていたのが「アセロラ」だったことは、公式ツイートで投稿せずに本編に組み込むべきですし、塩を加えれば… も、あまりに短絡的な表現だなぁと。
まあ、「やんばるナポリタン」のメニューも、ツイートじゃなくて、本編で暢子が語ることで、暢子のセンスが描けたのに… これらのようなディティールを描いてこそ、「一人の女の子の何十年という歳月を濃く描きたい。」が具現化すると思います。
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/16820/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18 19 20
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