インビジブル (第4話・2022/5/6) 感想

TBS系・金曜ドラマ『インビジブル』
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第4話『3年前の犯人現る! カギは窃盗団…命懸け潜入捜査の先には!?』の感想。
志村(高橋一生)は捜査三課課長の大貫(松下由樹)から、猿の格好をした3人組による窃盗事件の捜査協力を求められる。被害者側にも不可解な点があるという大貫は、志村を通じてキリコ(柴咲コウ)からの情報提供を要求。志村はキリコの元へ向かい、窃盗団‘モンキーズ’について聞く。そんな折、志村は犬飼(原田泰造)から、前日に起きた通り魔事件の凶器を確認してほしいと言われる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:いずみ吉紘(過去作/極悪がんぼ、仰げば尊し、集団左遷!!) 第1,2,3話
槌谷健(過去作/都庁爆破!、ブラックペアン、下町ロケット) 第4話
演出:竹村謙太郎(過去作/アンナチュラル、警視庁ゼロ係シリーズ、MIU404) 第1,2話
棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013、死役所、着飾る恋には理由があって) 第3,4話
泉正英(過去作/病室で念仏を唱えないでください、TOKYO MER)
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリーズ、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、ゴシップ#)
主題歌:Dragon Ash「Tiny World」
脚本家が第3話までのいずみ吉紘氏から、槌谷健氏へ交代
序盤から、今回は前回までと少々物語の展開が違うなと思ったら、脚本家が第3話までのいずみ吉紘氏から、槌谷健氏へ交代していた。因みに、放送前の公式サイトには槌谷健氏の名前は無かったから、何らかの事情で撮影が始まってから加わったのだろう。その理由は、わからないが。
前回までとちょっと違った"いい点"があった
まあ、内容に関しては、警察が無能だとか、映像的に陳腐だとか、不満は前回までと変わらない。お目当ての出演者を楽しむドラマとしては、それなりに出来ているとか… も。しかし、今回に限って言えば、前回までとちょっと違った “いい点” があった。
本作らしさを毎回提示するために毎回強調すべき3つのこと
それは、本作の最大の見どころである、下記の3つを盛り込んだこと。実は、下記の3つは本作を途中から見た視聴者のためにも、本作らしさを毎回提示するためにも、いつも強調すべきことなのだ。しかし、いずみ吉紘氏は3つを毎回描かなかった。それは…
【1】キリコの “犯罪コーディネーター” としてのスゴイ能力と実力
【2】3年前の真相を知りたいために、キリコの言いなりに動く志村とキリコの攻防戦
【3】警察に情報提供し犯人逮捕に協力するキリコの本当の目的
実は、こんな簡単な「3つのこと」が、前回までは毎回印象的に描かれていなかったのだ。しかし、今回は描かれていた。だから、これまでよりはマシというレベルなのだが…
"謎解きドラマ"として面白くないのは「謎が2つあること」
なぜ “マシ” なだけなのか? それは、今回のエピソードに限らず、これまでも踏襲されてきたことだが。“刑事ドラマ” としては、それなりに楽しくても、決定的に “謎解きドラマ” として面白くないのは「謎が2つあること」だと思う。
1つは「3年前の事件の真相」、もう1つは「キリコの本当の目的」。そして、今作で最も今作らしいのが上記の『【2】3年前の真相を知りたいために、キリコの言いなりに動く志村とキリコの攻防戦』だ。だから、『【3】警察に情報提供し犯人逮捕に協力するキリコの本当の目的』だけは、視聴者に提示すべきなのだ。
キリコに翻弄される志村こそが、今作の最大の見せ場では?
キリコ(柴咲コウ)がなぜ警察に情報を提供して迫ろうとしている “何らかの真相” は、志村(高橋一生)は知らないが、視聴者は知っている方が良いのだ。なぜなら、その方が、視聴者は第三者として作品に関われるから。キリコが志村を主導する目的は私たちは知っていて、翻弄される志村を客観的に見る。
それが “今作らしさ” であり、今作の “最大の見せ場” だと思うのだが。そこを提示しないで話を進めるから、風変わりな “刑事ドラマ” としての楽しさから突き出ることができないと思う。
キリコが志村を主導する目的は視聴者にチラ見させた方が…
しかし、既に第4話までこんな感じで進めてしまっているから、軌道修正は簡単ではないはず。だって、今回なんて、これまでに比べたら『【3】警察に情報提供し犯人逮捕に協力するキリコの本当の目的』を描いたほうだが、今回くらいに尺を割いてしまうと、志村が捜査をしているように見えない。
志村も警察も、ただキリコ主導で振り回されているだけに見えちゃう。でも、描かないわけにいかない。やはり、最終章へ突入する前に、キリコの本当の目的は “チラ見” させておいた方が無難だと思う。
あとがき
やはり、上記の3つの要素をきちんと盛り込むべきでしょうね。謎めいたキリコ、翻弄される熱い刑事の志村も、それなりに面白味のある設定ですし、俳優陣も演技派や個性派が揃っています。
だから、あとは脚本次第。二人体制なら一人の負担が減るし、共同で考えることも出来るでしょうから、軌道修正して欲しいです。まだ、クランクアップの知らせは無いので、がんばれ!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16819/
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