連続テレビ小説「ちむどんどん」〔全120回〕 (第19回・2022/5/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ちむどんどん』
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第19回〔全120回〕/第4週『青春ナポリタン』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暢子(黒島結菜)たち料理部の参加する大会が始まる。暢子のアイディアの沖縄そばで、ライバル校の料理部としのぎを削る。ところが、大会の途中、思わぬハプニングに見舞われて、暢子たちは大ピンチに陥る…。姉・良子(川口春奈)は、思いを寄せる友人・石川(山田裕貴)の結婚話に動揺。そしてその頃、暢子の知らないところで兄・賢秀(竜星涼)が一獲千金を夢見た投資話に、母・優子(仲間由紀恵)を巻き込んでしまっていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
脚本協力:新井静流(過去作/舞台「未来記の番人」)
演出:木村隆文(過去作/ひまわり、梅ちゃん先生、ごちそうさん、なつぞら) 第1,2,3週
松園武大(過去作/おひさま、とと姉ちゃん、半分、青い。、エール) 第4週
中野亮平(過去作/花子とアン、マッサン、あさが来た、べっぴんさん)
音楽:岡部啓一(過去作/真夜中のパン屋さん)
高田龍一(過去作/ドラマ劇伴無し)
帆足圭吾(過去作/真夜中のパン屋さん)
主題歌:三浦大知「燦燦」
語り:ジョン・カビラ
制作統括:小林大児(過去作/昭和元禄落語心中、赤ひげ2,3、ミス・ジコチュー)
藤並英樹(過去作/今だから新作ドラマ作ってみました/第3夜 転・コウ・生、いないかもしれない)
※敬称略
我が家のテレビから、木魚の音と一休さんの声が聞こえて…
シークワーサーを食べると、新メニューを思いつく!?
みなさんのうちのテレビは知らないが、私のテレビでは、暢子(黒島結菜)がシークワーサーを食べて、何かを思いつくときに、木魚の効果音と「はーい。慌てない慌てない。一休み一休み…」のモノローグが聞こえたのだが(苦笑)
酸っぱいものを食べただけで思いつくのもどうかと思うが、歌子(上白石萌歌)がバッグにシークワーサーを持って歩いている方が異様だと思う…
ここまで"好意的な解釈"を要求する仕様になってしまったか
恐らく間違いないのは、毎度書いている本作の「四兄妹を同時並行に、複数体制の主人公のように描くスタイル」を踏襲していることの弊害だ。これによって、極端に主人公・暢子の描写が乏しくなっている。そのことが、暢子に関しては、他の三人と比べて、圧倒的に “好意的な解釈” を要求する仕様になっているのだ。
言っちゃ悪いが、まだ第4週だ。暢子なんて人生のスタートラインに立ってもいないと同然の状態。なのに、一向に《暢子の人となり》が見えて来ない。これは、明らかにこの1か月が失敗したことを意味すると思う。
【問題1】「暢子と料理の関係」の描写が曖昧過ぎる!
明快な問題が2つある。
一つは、「暢子と料理の関係」の描写が曖昧過ぎることだ。幼少期の描写からず~っと同じだが、賢秀は自由人、良子は勉強、歌子は音楽と、一応 “特徴” や “得意” なものが描かれた。しかし、暢子の “料理” は曖昧だった。描かれていないとは言わないが、数回しか暢子が料理をしているところなんて無いのだ。
これ、父・賢三(大森南朋)から教わるでも良いから、賢秀は遊び惚けて、良子は勉強し、歌子は三線を弾いて、その傍らで暢子が料理をする姿を連投すれば良かっただけのこと。そうすれば、自然に四兄妹の “特徴” や “得意” なものが描かれるし、暢子を印象的に描けば、それで十分だったのだ。
その上で、今回のような “才能がある” という設定があるなら、父との料理づくりの中で発揮して、父が暢子をほめれば良かったのだ。いや、いっそのこと、暢子は味やメニューに迷ったら、あのシークワーサーの木まで走って、実をかじると新発想ができる “天才肌” だというキャラクターに仕上げても良かったと思う。
【問題2】「大会当日までの過程」の描写が少な過ぎる!
二つ目は、この度の「ヤング大会に参加する当日までの過程」の描写が少な過ぎることだ。描いていないとは言わない。描いてはいるが、物足りないのだ。
だって、今回のエピソードはヒロインの《逆転サヨナラ満塁ホームラン》をドラマチックに描くサクセス・ストーリーの形式だ。だったら、ホームランの瞬間の映像だけでなく、そこに至る1回表からの試合を描く必要があるし、欲を言えば試合に臨むまでの様子も見てみたい。
努力や攻防戦がセットで描かれて、初めて起死回生のホームランが感動できる。その上、今回は “青春” の要素も入っているのだ。だったら、テレ朝の『熱闘甲子園』のように描けば良いだけなのだ。
放送回数が少ないなら、それなりの工夫をするべきでは?
だから、前回の感想にも書いたのだ。南山原高校の料理部部長・屋良ひとみ(池間夏海)は、幼少期からの “因縁のライバル” にして、「子ども時代」との “繋がり” に利用するべきだったと。
それをやらなかったのだから、本来は、唐突ではあるが、どうせ “繋がり” が無いのだから、「大人編」になった時に、「高校生になった暢子は、地元で “料理の天才” と言われるようになっていました」と始めたら良かったのだ。
もちろん、最初から料理部の部長で。そうすれば、ライバルは要らないし、暢子の思うがままの進路に進むだけ。これなら、放送回数が少ないのを描写が粗雑になってしまった言い訳にする必要もないし…
もっと細かな配慮をして、若手の女優さんを育てて欲しい!
私は、残念なのだ。少なくとも、黒島結菜さんは《いつかは、朝ドラのヒロインに!》と切望した一人だから。そして、黒島結菜さんが【朝ドラ女優】の看板を背負って、更に活躍するのを期待していた一人だから。
今回だって、ライバル校の「さんぴん茶の蒸しケーキ」を食べて、「ちょっと 塩足したら」と味のアドバイスをするシーンで、ちょっぴり暢子が偉そうに見えてしまった。
これ、きちんと子ども時代から、暢子は “料理の天才” として丁寧に描いておけば、ライバルがアドバイスに納得するのも自然だし、そもそも偉そうになんてこれっぽちも見えなかったはず。
こう言う制作陣のちょっとした配慮の欠けた描写が積み重なって、いつしか【朝ドラ女優】みたいな、本来は称賛の形容詞だったのに、最近は茶化す形容詞にもなってしまったのでは? と思うのだ。どうか、もっと細かな配慮をして、若手の女優さんを育てて欲しい。だって、そういう役割が朝ドラにはあると思うから。
あとがき
不快でも無いし、イラっとすることもありません。でも、連ドラとして、朝ドラとして見ると、「もっと、ちむどんどんできるように、つくれたのでは?」と、落胆してしまいます。
この度のエピソードだって、賢秀の投資話のくだりを削除して、料理部の「やんばるそば」の完成までの紆余曲折を描けば、賢秀の呼び込みも、より好意的に見られたような気がします。
なんか、全体的にもったいないですね。やりようで、いくらでも面白く、感動できそうなのに…
次期作『舞いあがれ!』のヒロイン役は、現在放送中の『正直不動産』でヒロイン・月下咲良 役の福原遥さん。既に2022年4月8日クランクインしているので、そちらは丁寧に作って欲しいです…
ちむどんどんさしみてぃくぃみそーれー
※「胸がわくわくする気持ちにさせてください」の意味。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16810/
【これまでの感想】
第1週『シークワーサーの少女』
1 2 3 4 5 土
第2週『別れの沖縄そば』
6 7 8 9 10 土
第3週『悩めるサーターアンダギー』
11 12 13 14 15 土
第4週『青春ナポリタン』
16 17 18
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