受付のジョー (第2話・2022/5/2) 感想

日本テレビ系・シンドラ『受付のジョー』
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第2話『本日の僕は、受付のジョーです!』の感想。
受付業務をそつなく遂行する城(神宮寺勇太)に、カレン(トリンドル玲奈)らは敵対心をあらわにする。そんな中、超VIPが来社し、城のとある行動で受付が窮地に立たされる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:いとう菜のは(過去作/メンズ校、きよしこ、ユーテューバーに娘はやらん!)
演出:中茎強(過去作/SHARK1,2、HiGH&LOWシリーズ) 第1,2話
保母海里風(過去作/危篤スルー、文豪少年!)
伊野部陽平(過去作/いつかティファニーで朝食を1,2)
音楽:宗形勇輝(過去作/映画「地獄の花園」)
主題歌:King & Prince 「踊るように人生を。」
身近で親しみやすくイラっとせず楽しめるお仕事ドラマ!
毎回、感想を投稿しようか迷っていたのだが、今回も書いちゃおう!
実は、今期の連ドラでは、同じ日テレ系のドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』を見ている。今田美桜さん主演で30年ぶりに連ドラ化された「ポンコツ新入社員が出世の階段を駆け上がるお仕事ドラマ」だ。しかし、見てはいるが一度も感想は投稿していない。その理由は… やめておこう。
とにかく、今作の方が、字幕無しでもしっかり聞き取れるし、身近に感じるし、親しみやすいし、イラっとせずに楽しめるから。だから、第2話の感想も書いてみる。
ハリウッド映画で多く用いられている「三幕構成」に注目!
放送時間は「30分間」と短く、恐らく内容も毎回、固定的だとは思う。ただ、それだからこその脚本の工夫が見て取れた。神宮寺さんのファンの方は興味がないかも知れないが、当ブログらしく続けてみる。
第1話では見えづらかったが、今回(だけかもしれないが)は、いわゆる物語の構成の基本の基である「起承転結」ではく、ハリウッド映画で多く用いられている「三幕構成」になっているのだ。
「起承転結」と「三幕構成」の大きな違いは、「起承転結」が物語の “流れ” で観客を惹き付けようとする思惑が強いのに対して、「三幕構成」は、“主人公の目標” が重視される。
重要なのはストーリー全体の真ん中に"転換点"をつくること
「三幕構成」を簡単に箇条書きで表すと次のようになる…
●第一幕:発端→状況や設定の説明と、主人公の目標を提示
●第二幕の前半:葛藤1→主人公が目標に向って前進
●第二幕の後半:葛藤2→主人公がどんどん窮地に陥っていく
●第三幕:解決→主人公が目標に向って再び前進
上記を見てお分かりのように、重要なのは、ストーリー全体の真ん中に “転換点” をつくるという「ミッドポイント」の考え方。
「承」から「転結」で物語を切り替えるのでなく、物語の真ん中で主人公の立場が一転するみたいな感じ。で、第一幕から第二幕の前半までは観客を惹き付けて、第三幕の直前で「プロットポイントII」と呼ばれる切れ目をつくって、そこから一気に主人公の再起を描く。これがハリウッド流。
城がトラブルメーカーで、波乱万丈を予感させるネタ振り
今作は、30分と限られた時間だから、「起承転結」でなく「三幕構成」になっているのだ。これが良く分かるのは、CMの入るタイミング。録画や見逃し配信で見ると分かり易いが、きちんと、第一幕、第二幕の前半、第二幕の後半の切り目の近くにCMが入っている。
今回も、そうだ。冒頭から最初のCMに行くまでが第一幕で、今回の状況や設定の説明、主人公の目標(会社の受付をデジタル化する)が提示された。一気に城(神宮寺勇太)がトラブルメーカーになりそうな “ハラハラドキドキ” のネタ振りだ。このように見て行くと、ドラマの新しい面白さが出て来るのだ。
"城の私生活"の場面こそ主人公の原動力を蓄える重要な場面
ネット上の評判を見聞きすると、「城の私生活の描写が要らない」という暴論を見掛けるが、この「三幕構成」の考え方を知ったならば、「城の私生活」のシーンが、前述の… 第三幕の直前の「プロットポイントII」と呼ばれる切れ目として、大変重要なことが分かるはず。ちゃんと、その直後にCMもあるし。
そう、「城の私生活」のシーンこそが、一種の城の “目標達成のためにエネルギー補給” なのだ。主人公が冷静になって状況を把握し、もう一度目標に向って前に進む原動力を蓄える大切なシーン。だから、城の “公私の私” として、めっちゃギャップを描く必要がある。
そのために、洗濯ばさみの髪留めやぬいぐるみも必要なのだ。「要らない!」なんてとんでもない。その上、ここのギャップこそが、ファンが求める “萌え” に繋がるわけで。描かない、入れない理由が見当たらない…
あとがき
「会社の受付をデジタル化する」という主人公の目標を達成するために、受付業務や受付嬢の存在意義を知る過程で、その目標が揺らぐのか、まっすぐ前進していくのか、その辺も面白くなってきましたね。
コロナ禍で土日の昼間にテレビを見る時間が増えて、『King & Princeる。』を見ていますが、神宮寺さんの素の感じと、今作の「城拓海」がちょっと重なりつつ、入社3年目のスマートな営業マンもにあっているなぁと。次回は城が熱く「受付」を語るようで楽しみです。ジャニーズもドラマだからと、食わず嫌いで見ないのはもったいないです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16802/
【これまでの感想】
第1話
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