インビジブル (第3話・2022/4/29) 感想

TBS系・金曜ドラマ『インビジブル』
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第3話『刑事が殺人犯で逮捕 ナイフに隠された真実 冤罪を晴らす秘策!?』の感想。
監察官の猿渡(桐谷健太)が、勝手な捜査をする志村(高橋一生)に疑いの目を向ける中、志村はひょんなことから事件に巻き込まれる。自らの無実を証明することができずにいた志村に対し、犯罪コーディネーター‘インビジブル’のキリコ(柴咲コウ)は、犯人は‘演出家’と呼ばれるクリミナルズだと語り、犯人を捕まえるために志村の身柄を利用した危険な作戦を提案する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:いずみ吉紘(過去作/極悪がんぼ、仰げば尊し、集団左遷!!)
演出:竹村謙太郎(過去作/アンナチュラル、警視庁ゼロ係シリーズ、MIU404) 第1,2話
棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013、死役所、着飾る恋には理由があって) 第3話
泉正英(過去作/病室で念仏を唱えないでください、TOKYO MER)
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリーズ、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、MIU404、ゴシップ#)
主題歌:Dragon Ash「Tiny World」
好意的に解釈した内容をコメントに書くのはやめて頂きたい
感想を書く前に。出演者のファンなのか、何を目的にしているのか知らないが、自分で好意的に解釈した内容をコメントに書くのはやめて頂きたい。誰々が魅力的だとか、あそこが面白いとか、その類のコメントはSNSでやって欲しい。
なぜか、この作品だけは、朝ドラとは違った、変な擁護派が意味不明なコメントを投稿するので、敢えて冒頭で言わせて頂いた…
そもそも「次回を見たい」、「続きが楽しみ」と思えない…
なぜ今作の感想の冒頭にあのような忠告をするのかと言うと。単純に、私自身が今作に大した思い入れが無いからだ。
その理由は簡単。お目当ての出演者もいなければ、そもそも、「次回を見たい」、「続きが楽しみ」と思えないから。だから、やたらと冷静ぶって擁護されても困るのだ。こちらは平常心で「今回もダメだったか…」と落胆しながら、感想を投稿しているのだし…(困)
「倒叙ミステリー」は俳優の魅力より、脚本と演出の腕次第
では、どうして落胆するのか? それも簡単で。ゲストが登場すれば、犯人が分かってしまうだけでなく、凡その犯行動機まで読めてしまうから(失笑)
ここまでなら、他の同類のドラマでも良くあることだ。そう、所謂、物語の冒頭で犯人や犯行の様子を明かす「倒叙ミステリー」と言う特殊なプロット(構成のようなもの)だ。
要するに、謎解きの答えが提示されているわけだから、作品の魅力は、刑事や探偵などの魅力と、それらがどんな推理をして真実に辿り着くのかという過程・経過の面白しかない。
推しの読者さんには申し訳ないが、「倒叙ミステリー」の場合は “俳優さんの魅力” は二の次、三の次で、一にも、二にも “脚本と演出の腕次第” なのだ。
『新生!』と褒めたい位に、丁寧に描写を積み重ねている
今回を見て感じたのは、これまでの2話と比較して、粗雑さや不足を感じる描写は明らかに少なくなったこと。まるで、『新生!インジビジブル』と褒めたいくらいに、丁寧に描写を積み重ねている。
更に、今まで劇中の存在感が中途半端だった主人公・志村(高橋一生)とキリコ(柴咲コウ)に、明確な “役回り” が与えられた。そのおかげで、「志村とキリコがいないと創れないストーリー」になってきた。これは、大きな前進だ。
恐らく、“演出家” が交代したから別のドラマのようになったと思うが。だから、演出家が交代すれば… ということだが。
登場人物に魅力が乏しく、キリコの凄さが伝わって来ない!
「志村とキリコがいないと創れないストーリー」になったことで、更に幾つかの問題が提起された。1つは、志村とキリコに代表される劇中の登場人物たちに “魅力が乏しい” ことだ。演者の魅力に、ほぼおんぶにだっこ状態だ。
その理由も簡単で、単純に志村もキリコも、今一つ “能力の高さ” や “カリスマ性” や “凄味” が伝わって来ないから。
2つ目は、《裏社会を知り尽くした犯罪コーディネーター》であるキリコが、いろいろ提案する情報が、犯罪捜査をする上では陳腐だってことだ。そう、自ら警察に犯人逮捕の協力を申し出た割に、《インジビジブル》の “スゴさ” を感じ難いってこと。
「この世のあらゆる凶悪犯罪の裏で必要な凶悪犯たちを紹介・斡旋している」と言う大前提があるのだから、“この世のあらゆる視聴者” に、アッと言わせるような “スゴさ” を描いて欲しいのだ。
せめて、志村とキリコの凄さは明確に表現すべき!
今回のエピソードも、冷静に見れば、キリコの情報が無くても、志村の単独捜査で解決しように見えた。それもそのはずで。だって、被害者周辺の聞き込み捜査で犯人が浮き出て来たわけだから。繰り返しになるが、前回までよりはマシだ。
しかし、折角、メインの二人に “役割” を与えたのなら、二人の “スゴさ” も同時に描かないとバランスが悪い。いや、役割が描かれたから、役割を明確に物語に落とし込まなければ、中途半端さが加速して見えるだけなのだ。あと、もう少し頑張って欲しいところだ。
警察がキリコに頼らざるを得ない事情も積極的に描くべき!
現在放送中のTBS日曜劇場『マイファミリー』では、娘を誘拐された夫婦が、身代金目的の誘拐犯を “信じて” 警察を排除して交渉するという意味不明な展開になっている。これと似たことを今作でもやっている。それは、警察が犯罪コーディネーターの情報や提案を “信じて” 捜査活動を進めている点だ。
これ、「警察が犯罪者を信じてるよね」ってこと。犯罪者にも人権があるとか、そういう問題ではないと断っておくが。その上で、もっと、警察がキリコに頼らざるを得ない事情を明確に描かないと、志村が敏腕な刑事なら、キリコの情報がなくても、被害者周辺を聞き込むだけで犯人は見えてきても不思議では無いのだから。
あとがき
このドラマで、これだけ感想を書けるのか! と自分で思ってしまいました。もっと、「キリコの必然性」をドラマに盛り込むべきだと思います。それでないなら、キリコが捜査をかく乱しようとして、それを志村が切り抜けて真相に辿り着く方が、自然な流れで面白いと思いますが。
それと、大きなお世話ですが。志村さん、「本気」と書いて “マジ” でやる気なら、「いけ! 磯ヶ谷!」と叫ぶ前に、ブレーカーをオンにしてから、プールに落とした方が目的を確実に実行できると思いますよ(失笑)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16791/
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