マイファミリー (第3話・2022/4/24) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『マイファミリー』
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第3話『誘拐事件遂に完結へ 直接対決、娘を返せ』の感想。
温人(二宮和也)と未知留(多部未華子)は三輪(賀来賢人)と東堂(濱田岳)の協力を得て、警察を排除することに成功する。温人はより確実に身代金を受け渡すため、ある秘策を犯人に提案。一方、独自に犯人逮捕に動いていた葛城(玉木宏)ら警察は、温人の母・麻由美(神野三鈴)と未知留の父・正文(大友康平)に協力を要請していた。そして友果(大島美優)誘拐事件は終わりを迎え…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/グランメゾン東京、アンサング・シンデレラ、危険なビーナス、TOKYO MER)
演出:平野俊一(過去作/インハンド、TOKYO MER、日本沈没-希望のひと-) 第1,2,3話
田中健太(過去作/半沢直樹、小さな巨人、陸王、下町ロケット、DCU)
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、半沢直樹2020、日本沈没2021、DCU)
富田和成(過去作/隕石家族)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!校閲ガール、お金の切れ目が゙恋の始まり、ファイトソング)
主題歌:Uru「それを愛と呼ぶなら」
初回からず~っと気になっていることが「3つ」ある
次回の内容によっては、今回が今作の最後の感想になる可能性出て来たから、思っていたことを全部書こうと思う。これまでの感想にも書いて来たが、初回からず~っと気になっていることが「3つ」ある。
【1】主人公たちが自分たちの能力を過大評価し過ぎている
「1つ目」は、主人公たちが自分たちの能力を過大評価し過ぎている点。「この状況なら、やって当然!」とか「火事場の馬鹿力では?」と好意的に解釈できる人はそれで良いと思う。ただ、私は、もう少し “ビクビクしている感じ” とか “ドキドキしている感じ” があって当然では無いかと思うのだ。
だって、初めて経験することなのだから。それも、素人である自分たちのやり方ひとつで娘の命が更に危険にさらされる可能性もあるわけだし…
【2】犯人が取引に応じ続けると決めつけ過ぎている
「2つ目」は、主人公たちが、犯人が交渉をやめずに取引に応じると決めつけ過ぎている点。身代金目的の誘拐が、重大犯罪の中でも最も割の合わない犯罪であるのが今の常識。ならば、犯人は逮捕される可能性を避けると考えるのが普通なのに…
主人公たちは、まるで身代金さえ渡せば娘が帰ってくることを知っているような言動。警察を排除しないと取り引きしないと言っていたのに… というのもあるが。
【3】被害者と犯人の信頼関係が必要と言うファンタジー
「3つ目」は、温人(二宮和也)の「今や警察は 共通の敵だ」に対して、犯人が「提案を聞きます」と言っちゃうファンタジー。
確かに、犯人が「警察を排除しろ!」と言ったのだから 、温人たちが警察を排除したら、取引成立なのかも知れない。それに、誘拐犯だろうが、被害者家族だろうが、互いの信頼が必要なんて思うお花畑な誘拐事件でも面白いと思う人はそれで良いが。
でも、劇中の誰よりも警察の捜査能力を恐れているというのが犯人の設定なのだから、もっと犯人は疑心暗鬼になっても良いと思うのだ。
どんなに演出でハラハラドキドキを漂わせたところで…
まあ、それもこれも、「警察捜査を描きながら、主人公たちが警察の手を借りずに自分たちの力で娘を誘拐犯から助け出す」と言う「第1章?」の “結末ありき” でストーリーを構成するから、こんな現実味を感じ難い、ファンタジー、お花畑のような物語になる。
だから、どんなに演出でハラハラドキドキを漂わせたところで、「?」の方が勝ってしまうのだ。
"虚構の中の不自然"が多過ぎると、面白いと感じる前に…
このように書くと、「ドラマだから…」と思う人もいるはずだ。まあ、そうやって本質から目を逸らすのは簡単だ。だから、「ドラマだから…」と思える人はそれで良いと思う。私も、ドラマはフィクションで、“虚構の中の真実” を感じ、楽しむのがドラマを面白いと感じる重要な要素だと思っている。
しかし、ここまで “虚構の中の不自然” が多過ぎると、面白いと感じる前に気持ちがさめてしまう。まあ、“虚構の中の不自然” を楽しむのもドラマの楽しみ方だと行ってしまえば、それまでだが…
良く出来たドラマ、おっと良く出来過ぎたドラマだとは思う
それに、これは前回の感想でも書いたことだが。今回の “犯行の手口” と “取引の方法” が成功してしまうと、また同じことが繰り返される可能性はあるのでないかと思う。だって、犯人にも、被害者にも、両者に成功の実績があるのだから。
まあ、他にも、いろいろと「?」な点はあるが、面倒だから省略する。それこそ、「日曜劇場だし…」、「ドラマだし…」と苦笑しながら、最後まで見てしまった。その意味では、後出しジャンケンを含めて、「嫌よ嫌よも好きのうち」でないが、良く出来たドラマ、おっと、良く出来過ぎたドラマ… だとは思うが。
誘拐されても警察を欺けば… な描写に共感は出来ない
私は、誘拐事件を扱うテレビドラマや映画について、どうしても辛口で見てしまう。それは、当ブログではあまり書いたことないが。実は、私は、「吉展ちゃん誘拐殺人事件」(Wikipedia)の被害者家族と知り合いで、彼らの悲痛な現実を知っているからだ。
その事件は、1963年(昭和38年)に発生した、当時は「戦後最悪の誘拐殺人事件」と呼ばれ、日本で初めて被害者家族のプライバシーを保護する観点から報道協定が結ばれた事件。
犯人は逮捕され死刑執行されているが、被害者家族の悲痛はその後も続いているのだ。だから、身代金目的の誘拐事件が簡単に成功し、誘拐されても警察を欺けば… みたいな描写に共感は出来ない… というわけだ。
あとがき
これを見て、「ハラハラドキドキした」「面白かった」と思える人が羨ましいです。
さて。どうして、今回を最終回にしなかったんでしょう(苦笑) むしろ、これで終わっておけば「2サス」的には良かったのに。逆に引っ張るなら、誘拐事件は必要だったのかな? それこそ、後出ししたゲームの機能があるなら、警察と巧みに連携して犯人逮捕した方が、家族を守る父の物語としては良かったような。
とにかく、次回で引っ張った理由が納得できなかったら、久し振りに『日曜劇場』の感想から離脱します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16772/
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