未来への10カウント (第2話・2022/4/21) 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『未来への10カウント』
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第2話『型破り監督最弱チームに奇跡を!! 18年ぶり焼鳥授業!?』の感想。
前日の出来事が麻琴(内田有紀)の耳に入り、早々にコーチ解任を告げられた桐沢(木村拓哉)。葵(満島ひかり)は経緯を説明するが、本人は責任を取ると言う。そこに当事者であるボクシング部部長の伊庭(高橋海人)が現れ、解任撤回を直訴。麻琴はある考えから受け入れた。その日の練習で、基本もできていない部員達が2カ月後の試合に出るつもりと知り、桐沢はあきれる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:福田靖(過去作/ガリレオ、DOCTORS~最強の名医・全シリーズ、龍馬伝、まんぷく)
演出:河合勇人(過去作/お兄ちゃんガチャ、黒崎くんの言いなりに…、Netflix「全裸監督」) 第1,2話
星野和成(過去作/ハゲタカ、SUITS/スーツ2、イtケイのカラス)
音楽:林ゆうき(過去作/DOCTORS~最強の名医、緊急取調室シリーズ、あさが来た)
主題歌:B'z「COMEBACK -愛しき破片-」
"東大に入ります"の"ネタ"が効果的にドラマを次の局面へ!
感想の大前提として、私は、木村拓哉さんやジャニーズに対しても好意的に見ているから、感想もそちらに傾いていることを断っておく…
ボクシング部の部長・伊庭海斗(髙橋海人)が “東大に入ります” は、当然『ドラゴン桜』からの引用、いや “ネタ” だと思うが。しかし、そのネタが印象的なために、ドラマが一気に「東大 or(and) ボクシング」になった。
視聴者を主人公を同じ立場に置いて共感させる上手い作戦
これ、とても重要だと思う。なぜなら、ここで2か月後のインターハイ予選へ物語を引っ張ってしまうと、どうして生徒がボクシングで勝ちたいと思っているのかを、すぐに描かないと前に進み難いから。
しかし、今作は始まったばかりで、今は脇役(生徒たち)の “理由” を描くよりも、主人公が現在に至っている “理由” に視聴者の興味関心を惹き付ける時点だ。だから、視聴者を主人公を同じ立場に置いて共感させるべき。
その意味で、桐沢祥吾(木村拓哉)と私たちが、同時に “校長や生徒たちの心が分からない” と言う設定にしておいた方が得策なのだ。そして、特に《スポ根モノ》は、主人公に共感させるモノだから。その意味で、間違っていないと思う。
話のテンポは遅いが、全体的に丁寧に物語が紡がれている
さて、《スポ根モノ》の話は置いておいて。話のテンポは遅いが、全体的に丁寧に物語が紡がれている印象だ。やや、クドい印象は無くも無いが、丁寧に感じるから悪くない。
各キャラの味付けのさじ加減が上手いからバランスが絶妙!
また、第1話でも感じたことだが、主人公、木村拓哉さん、キムタクの “三者” の描写の “さじ加減” が上手いと思う。
第1話では、若干 “キムタク” を濃い目の味付けにして、主人公のキャラクターを前面に押し出した。しかし、第2話では、ちょっぴり “キムタク” の味付けを薄味にして、その分、冴えないオジサン的な “桐沢祥吾” の味を濃くした。従って、第1話より明らかに主人公が際立つシーンが増えた。
ただ、“桐沢祥吾” の味を濃くした分だけ、校長の大場麻琴(内田有紀)やボクシング部顧問の折原葵(満島ひかり)ら主人公以外のキャラクターの味付けも濃くした。そのおかげで、キャラが明確になった上に、主人公を含めた会話劇のテンポが良くなった。
ここで “さじ加減” が上手いのは、敢えて主人公の口数が減ったような脚本と演出にすることで、ドラマ全体が “濃い味” になるのを防いでいるのだ。だから、俗に言う “キムタク・ドラマ” のような主人公が目立ち過ぎるクドさが、ほぼ無いのだ。まあ、一言で表すなら、バランスが良いってことだ。
あとは、ストーリー、演出、俳優の好き嫌いで決まり…か?
とにかく、第2話で、ここまで、ドラマ、連ドラ、スポ根モノ、学園ドラマ、そしてヒューマンドラマとして、ある程度の要素がしっかりと盛り込まれて、描かれているから、あとは、ストーリー、演出、俳優の好き嫌いで、今作の評価が分かれるのだろう。私は、予想以上に普通のドラマとして楽しめている。
折原葵の設定の巧みさに注目!
その理由は前述したが、それ以外には折原葵の設定の巧みさがある。「ボクシングを知らない」と言う設定のお陰で、ボクシングに詳しくない視聴者のための案内役になっているのだ。
そう、単純に劇中の役割以外に、ドラマとしての役割も備わっているのだ。そんな折原が常に桐沢と一緒にいるから、桐沢が目立ち過ぎないことにも一役買っているわけだ。なかなか、考えられていると思う。
『コタローは1人暮らし』と『教場II』も登場…
また、ドラマファンとして書いておきたいことがある。
序盤に登場した折原葵の一人息子・折原圭太 役が川原瑛都クンだった。彼は、ドラマ『コタローは1人暮らし』(2021年)で関ジャニ∞の横山裕さんとタッグを組んで好演したさとうコタロー 役を演じ、更にドラマ『ミステリと言う勿れ』(2022年)の最終話では、辻浩増/羽喰十斗の幼少期役を演じた、個性派の子役。今後の活躍が楽しみだ。
因みに、今回で出産のために産休に入る政経の教師・梅田涼子 を演じたのが高月彩良さん。彼女は、ドラマ『教場II』(2021年)で格闘技を習っていた同性愛者の堂本真矢 役で木村拓哉さんと共演していた。
あとがき
生瀬勝久さんが “教頭” 役を演じていることで、学園ドラマとしてドラマ『ごくせん』シリーズ(2002年~)へのオマージュがあるとは思ったのですが。今回は、『ドラゴン桜』へのオマージュ、と言うかネタでしたね。
それにしても、まさか教師もやるとは!? ちょっと盛り込み過ぎなような気もしますが。でも、「焼き鳥を題材にして経済の授業」は、私も焼き鳥だけに食いついてしまいました。意外と “スポ根モノ” だけではない要素も描かれそうで期待が高まります。
あとは、味付けが濃過ぎず、焼き過ぎて焦げて食べられなくならないように仕上げて欲しいです。焼き鳥だけに…(笑)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16764/
【これまでの感想】
第1話
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