マイファミリー (第2話/15分拡大・2022/4/17) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『マイファミリー』
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第2話/15分拡大『絶体絶命からの逆転 愛を信じるか裏切りか 家族に訪れる結末…』の感想。
温人(二宮和也)と未知留(多部未華子)は誘拐事件をネットニュースで公表し、世論を味方につけた。警察批判が強まり、取材合戦も激化する中、犯人から警察の完全排除を取引条件とする通告が届くが、葛城(玉木宏)は捜査を続行しようと画策。温人らは元警察官の東堂(濱田岳)に助言を求める。そんな折、未知留の父・正文(大友康平)と温人の母・麻由美(神野三鈴)が訪ねてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/グランメゾン東京、アンサング・シンデレラ、危険なビーナス、TOKYO MER)
演出:平野俊一(過去作/インハンド、TOKYO MER、日本沈没-希望のひと-) 第1,2話
田中健太(過去作/半沢直樹、小さな巨人、陸王、下町ロケット、DCU)
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、半沢直樹2020、日本沈没2021、DCU)
富田和成(過去作/隕石家族)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!校閲ガール、お金の切れ目が゙恋の始まり、ファイトソング)
主題歌:Uru「それを愛と呼ぶなら」
リアタイ視聴&録画視聴でも、2大モヤモヤが払拭できない!
昨晩は、久し振りに『日曜劇場』を最後までリアルタイム視聴した。そのまま、感想の下書きだけして寝ようと思ったが、どうにもこうにもモヤモヤするので、今朝になって再度録画を視聴。それでも、モヤモヤは払拭されなかった。そのモヤモヤには、大きく2つのモヤモヤがある。
【モヤモヤ1】まるでファンタジーのような誘拐事件…
1つ目は、あまりにも非現実的な描写の連続で、まるでお花畑、ファンタジーのような誘拐事件に見えてしまっていることだ。細かい指摘はしないが。例えば、そもそも、自ら警察を呼んでおいて… と言うのはあるが。警察を排除するために “ネット配信” で状況を訴えると言うのが良く分からない。
犯人にしてみれば、ただでさえ成功率が低い身代金目的の誘拐を実行しているのに、わざわざ身代金の受け渡し前に全世界にネット配信して事件を公表するって? 最も犯人を刺激する行為では? そこを警察もツッコまないし。
それに、「犯人の要求だから」を理由に警察を排除したら娘が帰って来たとして、それなら犯人は再度犯行に及ぶのでは? その上、類似事件が頻発するような。だって、自分が被害者になったら、その事件をネットに晒して世間を味方につけて、自分は警察を排除して、犯人と直談判と言う悪しき前例がはびこるのでは?
それに、娘の祖父と祖母が来ていたが、呑気に談笑したり、皿を洗ったり、警察におべっかつかったり。更に、気分転換に海を見に行く妻はともかく、それを許す夫も? ママ友を連れて帰って来て、そのママ友(女性警察官だが)は家にいて良いって?
わざわざ会社のことは心配しないでと言うのと応援グッズを持参するためにビジネスパートナーが来訪するとか? 夫婦揃って、互いに出かける時間はある割に、いつ電話がかかるか分からないとか娘が風呂に入っていないを理由にシャワーも浴びないとか…
【モヤモヤ2】夫婦に問題解決能力があるように見えない!
この主人公の夫婦って心理学的に言うと、(ネット)依存、責任転嫁、自己憐憫(じこれんびん:自分で自分をかわいそうだと思うこと)と言う<自分から前に進めない人>や<自ら躓いてしまう人>の典型的なパターン。だから、劇中で描こうとしている、自分たちで事件を解決しようと言う<ブレークスルー出来る人>とは真逆の人物設定なのだ。
だから、この展開にモヤモヤするのだ。主人公夫婦って、言ってることと、やってることが逆じゃね? って。まあ、それ以外にも良く分からないことが多過ぎて…
ホームドラマ、ヒューマンドラマとしては、これは"アリ"?
但し、次のような見方も出来る。それは、「警察ドラマ」や「事件ドラマ」ではなく、「ホームドラマ」や「ヒューマンドラマ」としては、これはこれで “アリ” だってこと。
要するに、娘が身代金目的で誘拐されたのだから、冷静な判断が出来なくて当然の主人公夫婦として受け入れると言うこと。そうすれば、意外と『日曜劇場』らしいとも言える。まあ、相当のお人好しでもなければ、このようには捉えにくいストーリーだが(笑)
次週で一区切り? 今作は"二段階構造"なのか…
そして、この展開で、次回は「“鳴沢友果” さん誘拐事件完結!!」らしい(予告編による)。でも、これで身代金は取られて娘は戻って来て、そのまま事件が解決してしまうと、全てが終わってしまう。
それに、「そして、新たな試練…」もあるらしい(予告編による)から、あれこれと、様々に形を変えて引っ張るに違いない。恐らく、事件は一旦解決して、事件のその後でいろいろ引っ張ると言う作戦だろう。要するに、二段階構造だと言うこと。
誘拐事件を引っ張れば引っ張るほど、違和感を覚えるような
きっと、次回までは葛城(玉木宏)を前面に押し出して「刑事ドラマ仕立て」で一件落着させて、第4話から「夫婦と家族の絆、そして再構築」を描くのだろう。ただ、ちょっと疑問に思うのがタイトルの『マイファミリー』だ。確かに、仮面夫婦が仲良し夫婦に戻らないと夫婦にとっての “マイファミリー” が再構築できないのは分かる。
しかし、それは、「夫婦=マイ」の “マイファミリー” で、そこに娘の入る余地が無いと言うか。私が言いたいのは、娘を含めた3人の “マイファミリー” なら、もっと誘拐事件を解決する過程を丁寧に描くべきでは無いのかと思うのだ。
娘を取り返す過程は、前述の通りに(ネット)依存、責任転嫁、自己憐憫で、娘が帰って来たら、心機一転ってことなのだろうか? なんか、誘拐事件を引っ張れば引っ張るほど、違和感を覚えるような気がするのだが。まあ、次回が最終回の方がスッキリすると言うのは言い過ぎかもしれないが(苦笑)
『バーチャル・プロダクション』だと、出演者はスタジオで完結する
それと、前回の感想で触れた、今作で民放ドラマ初採用された『バーチャル・プロダクション』と言う最新の撮影技術について。今回も明確に利用されていたのが、幾つかの自動車を運転するシーン。その中でも分かり易かったのが、次の2つのカット。

©TBS
上のカットは、今までのグリーンバックでも出来なくなかった。ただ、窓の外の風景が流れると言うだけ。しかし、下のカットはグリーンバックでは撮影出来ない。それは、二宮さん側の窓ガラスに外の風景が反射しているから。

©TBS
これは、クルマを覆うようにLEDスクリーンがあって、そこに車外風景が映っているから、それをカメラで反射して映るようにすると出来る。以前なら、カメラを車の外に取り付けるか、クルマを並走させて、ロケ撮影しないと撮影出来なかった。それが、『バーチャル・プロダクション』だと、出演者はスタジオで完結すると言うわけだ。
あとがき(その1)
『日曜劇場』だからやむを得ないかも知れませんが、劇伴が仰々し過ぎるかなぁと思います。あくまでも「家族の物語」なら、もう少しこじんまりした雰囲気でも良かったような。この仰々しさと、主人公のちまちました感じもアンバランスで逆効果だと思います。あとは、演出家の選曲のセンスに懸けるしか無いですね。
あとがき(その2)
それと、第1話からな~んか物足りないなぁと、ずっと思っていたのですが、その理由が分かりました。玉木宏さんと賀来賢人さん、濱田岳さんがいらっしゃるので、どこか実際の身代金目的誘拐事件をモチーフにした黒澤明監督の名作(私の人生の名作5選に入る)『天国と地獄』(1963年)のような骨太の作品を期待していたのです。
無理ですけど。そう、『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998年)で、主人公の刑事がモノクロの背景の中で、煙突から色のついた煙が上がるのを見て「天国と地獄だ」と呟いて、犯人の居場所が突き止められるシーンで、オマージュとして引用された、その名作です。是非、まだ観たことのない人は、お口直しに? 騙されたと思って見てみて下さい。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16751/
【これまでの感想】
第1話
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