正直不動産〔全10回〕 (第2話・2022/4/12) 感想

NHK総合・ドラマ10『正直不動産』
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第2話〔全10回〕『1位にこだわる理由』の感想。
なお、原作となった漫画:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読。
また、本作は、2022年3月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
祟(たた)りで嘘がつけなくなった営業マン・永瀬財地(山下智久)は早くも売上1位の座を後輩の桐山(市原隼人)に奪われてしまう。同じ社内で顧客の奪い合いをする永瀬と桐山を尻目に、新人の月下(福原遥)は顧客第一主義で営業するが成約が取れない。そんな時、桐山が永瀬にある顧客の担当を代わってほしいと持ちかける。営業成績を上げたい永瀬は、二つ返事で引き受けたが、その物件には家賃に関するトラブルが隠されていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1,2、相棒シリーズ、フルーツ宅配便、ハコヅメ)
演出:川村泰祐(過去作/闇金ウシジマくんシリーズ、ドS刑事、屋根裏の恋人) 第1,2回
金澤友也(過去作/ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~)
野田健太(過去作/ギルティ~この恋は罪ですか?~)
音楽:佐橋俊彦(過去作/ちりとてちん、テミスの剣、集団左遷!!、行列の女神)
主題歌:小田和正「so far so good」
冒頭の「振り返り」が丁寧な作り込みに意気込みを感じる…
※原作は、既刊14巻(2022年3月現在)を既読だが “ネタバレ” 無し。
前回は、第1話と言うことで「初期設定」の説明が多かったが、今回は一気に「嘘がつけない不動産営業マン」の話として大きく進んだ。とは言え、まだ第2話と言うことで、冒頭の「振り返り」が丁寧に今回を初見の視聴者でも「初期設定」が分かり易く創られていたのが好感度が高い。
と言うのも、ネット上では、NHKが今作は全放送回を再編集して(事情は省略)、〔全10回〕を最後まで放送すると発表したから、第2話から話題性に惹かれて見始めた人もいると思うから。まあ、それが直接的に「振り返り」の丁寧さに繋がってはいないと思うが(そんな暇はないはず)。
少なくとも編集スタッフの「撮影済みの素材を、絶対に無駄にせず、より面白い作品を放送する!」と言う意気込みは伝わる。なぜなら、原作にはいる登場人物がいなくても、原作とは異なる面白さになって来ているからだ(これ以上は自粛…)。
リアルな不動産契約の話と、ちょっぴりいい話を上手く融合させたエピソード
さて、今回は不動産契約と言えば「新生活」と「ご縁」が必ず影響すると言う、ある意味で「不動産契約あるある」のお話だ。特に、オーナー(売主や家主)と借主(店子)の間にある “お互いの新生活” を始めるに当たっての “不思議なご縁” について、リアルな不動産契約の話と、ちょっぴりいい話を上手く融合させたエピソードだった。
永瀬が嘘をつかない営業マンでも成立する話を今作らしく仕立てた
私が、今作の原作に興味を持ったのも、この類の「リアルな不動産契約の話と、ちょっぴりいい話を上手く融合させたエピソード」だった。本来なら、主人公・永瀬財地(山下智久)が最初から「(嘘がつくのが当然なのに)嘘をつかないのに売上1位の営業マン」でも、成立する話なのだ。
そう、周囲の営業担当は全員嘘つきで、主人公だけが正直者。それでも、今回の話は成立してしまう。しかし、この原作と脚本は、そこを一捻りしているのだ。永瀬が嘘と本音を “偶然” に上手く使い分けて、人間として成長していく物語に。
ファンタジー要素があるから、説教臭くない!
更に、その “偶然” が “祟り” によると言うのが面白い。永瀬が偶然に “祠と石碑” を破壊してから、全てが始まったわけだが。これがまるで、永瀬に降りかかるのが必然の “運命” のように見えるのが面白いのだ。
例えば、祠(ほこら)と石碑が見つかったのが「七転八起」を彷彿させる「東京都八起市」で見つかったとか、石碑に刻まれた文字「願はず語らず(願っても語ってもいけない)」も、永瀬の生き方を修正するかのように思えて来るのだ。ファンタジーだから説教臭くない。この辺のさじ加減も上手いと思う。
あとがき
山下智久さんのファンには怒られてしまうかも知れませんが。こんな私も、これまで山下さんの出演したドラマについては数々感想を書いて来たから、嘘をつかずに書きます。
いろいろ評価はあると思いますが、私は山下智久さんのぼそぼそっと話すのが意外と好きです。もちろん、中年になって来て聞き取りにくいのは確かです。でも、ドラマ『アルジャーノンに花束を』でも、『インハンド』でも、あの喋り方と役がピッタリ合っているから良いのです。そして、今回の「永瀬財地」も。
きっと、「あんな喋り方の成績1位の営業マンは居ない!」と言う意見もあるでしょう。しかし、ああ言う営業マンだから「ライアー永瀬」と言われる程に嘘をつきまくって営業成績を上げて来た努力家と、私には見えるのです。だから、「オネスト(正直者)永瀬」とのギャップが面白い。そして、そのギャップをリアルに魅せてくれるのは彼しか出来ないなぁと。
だから、再編集してでも最終回まで放送してくれるのは嬉しいし、楽しく見届けようと思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16735/
【これまでの感想】
第1話
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