連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第99回・2022/3/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第99回〔全112回〕/第21週『1994-2001』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
ラジオ英語講座を聴くために早起きしたひなた(川栄李奈)は、番組が始まるまでの時間、るい(深津絵里)から昔話を聞かせてもらうことに。二人はこれから毎朝一緒に小豆を炊き、ラジオ英語講座を聴く約束をします。数日後、錠一郎(オダギリジョー)がある人物を家に連れてきて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
母と向き合うことを決心したるい(深津絵里)が雉真家に帰って来ると、懐かしい歌が聞こえてきます。見ると、カムカム英語のテキストを手にしたひなた(川栄李奈)の姿が。表紙に書かれた「Yasuko」という名について尋ねられたるいは、母・安子(上白石萌音)との思い出を初めてひなたに話します。次の日、一人で「Dippermouth Blues」に向かった錠一郎(オダギリジョー)は、ある人物と待ち合わせを…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17,20週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16,21週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12,19週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
最も気になったのは、るいの"小豆炊き"の描写が凄く丁寧だったこと
残念だし、勿体ない… と言うしかない。もちろん、 “おまじない” のことだ。
そして、今回のアバンタイトルで最も気になったのが、るいが “おまじない” を唱えながら、小豆を炊いている描写が、すごく丁寧だったこと。
当然だが、毎朝、何十年間も、るいが “あの調子” で “おまじない” を唱えながら小豆を炊き、ラジオ英語講座で “リスニング & スピーチ練習” をしていたのを、ひなた(川栄李奈)が「早起きをしなかった」と言う設定だけで “知らなかった” のは如何なものかと思うが。
まあ、雉真家にも詫びを入れに行ったし、夫がやる気を見せたから、るいもつい大声になったと、好意的に解釈しておくか(苦笑)
いろんな想いが詰まった"小豆を炊く"と言う行為自体に意味がある
いや、私が言いたいのは、るいが、母の安子を未だに恨んでいようが、最近になって会いたくなったとか、そう言うのはどうでも良いのだ。
そもそもの話、今作が “連ドラ” として、そして「ファミリーストーリー」として重要なのは、母を好きか嫌いかはともかくとして、自分を生んで育ててくれた母から教えてもらい、あんこの味や作り方だけでなく、いろんな想いが詰まった “小豆を炊く” と言う行為自体に意味があるってこと。
だって、“小豆を炊く” と言う行為だけが、三世代に共通している、因数分解に於ける “カッコで括れる” 共通因数なのだから。
問題外だったのは、端折った中に「回転焼き屋の開業」も含めてしまったこと
しかし、今作は、「安子編」の終盤から、ここ最近まで端折ってしまった。そして、問題外だったのは、端折った中に「回転焼き屋の開業」も含めてしまったことだ。
本来なら、回転焼き屋を開業する時に、“おまじない” を唱えて、試行錯誤するべきだった。そして、毎朝早起きして、“おまじない” を唱えながら、小豆を炊いて、あんこを作り、回転焼きを焼いて商売する姿を、ちょいちょい挟むべきだったのだ。
この「“おまじない” を唱えながら、小豆を炊いて、あんこを作り…」が、どうして必要だったかと言うと。映像として “ちょうどいい塩梅” だからだ。
るいが"おまじない"を唱えて小豆を炊くのは、心情描写としてちょうど良い
るいと安子の回想シーンを出すと時間軸が戻るし、「I Hate You!」が頭を過ってしまう。しかし、るいが “おまじない” を唱えるだけで、母との因縁と同時に、母との忘れられない思い出も感じさせるし、るいの母として家庭を支える覚悟みたいなものも描けるし、当然、和菓子への愛情も描けちゃう。
だから、ちょうど良いのだ。従って、前日の感想に書いたように、居間でなく、店内にラジオが流れていて、店内での「大月家の会話」が丁寧に描かれていれば、一家の大黒柱として、店長として頑張る るいの姿に、幼少期の るいの笑顔と苦悩が伝わったはずのだ。
もっと、上手く「おまじない」「英語の辞書」「ジャズとアメリカ」を利用するべきだった
思い返せば、「安子編」なんて終盤は育児放棄みたいな印象になってしまったが。終盤直前までは、かなり上手く描写が出来ていたのだ。直接的な表現を出来るだけ避けて、「おまじない」、「英語の辞書」、「ジャズとアメリカ」なども、無理矢理に解釈しなくても、自然と脚本と演出が伝えたいことが伝わって来ていた。
だから、「るい編」も「ひなた編」も、上手く「おまじない」、「英語の辞書」、「ジャズとアメリカ」を利用して、連ドラとしての連続性を巧みに担保して描き続けるだけで、今回のアバンでの、るいの “おまじない” も “流暢な英語” も違和感を覚えずに済んだと思う。だから、残念だし、勿体ない… と言うしかないのだ。
主題歌明けは、ほぼ「唐突な展開への理由付け」と「結果報告」ばかり
それにしても、主題歌明けの10数分間は、一体なんだったのか? 一つひとつ挙げないが、ほぼ全部が「唐突な展開への理由付け」と「結果報告」ばかり。それも、その殆どが英語指導まる出しの ひなたの英語で。「
誰もが忙しい朝のひと時だから耳だけでも楽しめるように創るのが朝ドラの極意」だと言うのも、見逃し配信の今では古き良き時代の置き土産ってことか! だとして、流石に、ほぼ全部が英語の箇条書きとは驚いた。もちろん、あっと言う間にいろんなことが進んだのも驚きだが…
あとがき
もはや、「伏線と回収」とは程遠い内容ですね。感想の本文に書いたように、これまで宙ぶらりんで放置されていたことを、一気に進めるための「理由付け」と「結果報告」になっちゃいましたね。
これでは、丁寧さ、しっかりさの微塵も感じられません。これ、「ヒロイン3人体制」を脚本家が持て余している可能性がありますね。もう、ひなたで書くことが無いって感じの…。とは言え、前回の感想で書いたように、恐らく、今週の後半から、強引に映画村を押し込んでくると予想しますが…
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16683/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
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第9週『1962』
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妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
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第11週『1962-1963』
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第21週『1994-2001』
98
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