連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第98回・2022/3/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第98回〔全112回〕/第21週『1994-2001』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
母と向き合うことを決心したるい(深津絵里)が雉真家に帰って来ると、懐かしい歌が聞こえてきます。見ると、カムカム英語のテキストを手にしたひなた(川栄李奈)の姿が。表紙に書かれた「Yasuko」という名について尋ねられたるいは、母・安子(上白石萌音)との思い出を初めてひなたに話します。次の日、一人で「Dippermouth Blues」に向かった錠一郎(オダギリジョー)は、ある人物と待ち合わせを…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
母と向き合うことを決心したるい(深津絵里)が雉真家に帰って来ると、懐かしい歌が聞こえてきます。見ると、カムカム英語のテキストを手にしたひなた(川栄李奈)の姿が。表紙に書かれた「Yasuko」という名について尋ねられたるいは、母・安子(上白石萌音)との思い出を初めてひなたに話します。次の日、一人で「Dippermouth Blues」に向かった錠一郎(オダギリジョー)は、ある人物と待ち合わせを…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17,20週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16,21週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12,19週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
15分間全てが、本題に入るための「きっかけ」でしかない
今回については、特に書くべき、書きたいような感想が思いつかない。なぜなら、内容が無いから。だって、15分間全てが、火曜日以降のための “前振り” でしかないし。そう、本題に入るための「きっかけ」でしかないと思っているから… まあ、そもそも、そう視聴者に思わせて時点で、今週も終わっているのだが(失笑)
とは言え、個人的な予想としては、今週中にるい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)が渡米することも、ジョーの音楽ネタが前進することも無いと思っている。だって、この脚本家は、事前に何かを提示してから、その続きを書くようなことを今作でやって来なかったから…
まだ、安子の安否を"曖昧に"しか提示しないのだろう?
では、前述のように予想した根拠を示そうと思う。例えば、勇 (目黒祐樹)が序盤で次のように言った。
勇「アメリカ行ったんじゃと思う」
勇が、安子の現状を知っているのか、知っていても るいには教えないのかは、どうでも良いこと。問題は、放送が残り1か月を切った今でも、脚本家が視聴者に対して、最初の主人公である安子(上白石萌音)の生死や現状を “曖昧に” しか提示しないことなのだ。
もちろん、曖昧にすることで視聴者の興味関心を引き留めようともがいている可能性はある。しかし、この曖昧な表現こそが、今作を “連ドラ” で最も大切な “前後の繋がり” を感じ難くさせている元凶なのだ。
安子はロバートに懇願したが「渡米した」と描かれていない
また、前回の終盤、今回の終盤でも回想シーンで使用された、るいの次の台詞も同じこと。
るい「お母さんを捜しに…。アメリカに行きたい」
もしかすると、今作を好意的に見ている視聴者は、安子はロバート(村雨辰剛)と “アメリカで幸せに暮らしている” と思っている可能性がある。
しかし、賢明な視聴者なら、何一つ「渡米した」、「幸せに暮らしている」とは描かれていないことを知っているはず。もちろん、帰国するロバートに「Take me to the United States with you!(私をアメリカへ連れて行って!)」と懇願はしたが。
結局、安子もロバートも"曖昧な表現"のまま放り出している
今作の表現では、ロバートは軍人で、戦後も日本で仕事をしている設定だ。戦後の復興支援で、岡山で安子と再会した時も仕事をしていた。と言うことは、日本在住と考えるのが自然。
そんなロバートに「アメリカへ連れて行って!」と願ったところで、軍人が、それも現役でバリバリと仕事をしている軍人が、上司に「好きな人が…」と申告して、「はい、どうぞ」と帰国できるのか? もしかして、安子の願いを叶えるために仕事を辞めて帰国?
いずれにしても、そんな一大決心をした “顛末” があるなら描かれるべきだ。しかし、今作では描かれないまま「安子編」は終わっている。これが今作。従って、どこを取っても “曖昧な表現” のまま、放り出しているのだ。
物語の中へ【アメリカ】と【英語】をねじ込むのはやり過ぎ
それなのに、あろうことか、今回では、錠一郎が楽器をトランペットからピアノに替えて、更にプロ並みの腕前になって【アメリカ】へ るいを連れて行きたいと。更に、るいだけでなく、カムカム英語のテキストを手にした ひなた(川栄李奈)は【英語】を連呼。とにかく、【アメリカ】と【英語】を視聴者に印象付けたいようだ。
これ、ハッキリ言って唐突過ぎやしないか? ってこと。
いや、これまで今作で【アメリカ】と【英語】が描かれていないわけでは無いが、流石に、「るい編」の “あの海辺のシーン” 以降、殆ど “ご無沙汰” だったわけで。それを、最終回まで何とか “繋げる” 必要があるからと、唐突に物語の中へ【アメリカ】と【英語】をねじ込むのは、強引だし、明らかにやり過ぎ。
映画『メジャーリーグ』シリーズを利用したら良いのに…
それこそ、映画好きの私に言わせて頂けるのなら…
今週のサブタイトルは『1994-2001』。この期間に日本で話題になった映画シリーズに、勇や桃太郎にも関連するアメリカの “野球映画” の人気シリーズ『メジャーリーグ』がある。『1』が1989年公開、『2』が1994年公開、『3』が1989年公開だ。
そして、皆さんのご存知の通り『2』では、日本人キャストとして “とんねるず” の石橋貴明さんが主要キャストとして抜擢され話題を呼んで、『3』にも出演している。
日本人キャスト捜しに米国スタッフが映画村にやって来て…
だったら、これだけ「時代あるある」を挿入するなら、この映画『メジャーリーグ』の日本人キャスト捜しに米国のスタッフが映画村にやって来て、ひなたが担当者になって、またもや英語を勉強しなくてはならない設定になって。
そこで、るいも母として一肌脱ぐ… みたいなてんかいにして、そこで初めて【アメリカ】と【英語】をねじ込んだ方が、自然だったのではないだろうか? それこそ、その日本人オーディションで桃太郎が受かっても良いし、五十嵐(本郷奏多)が再登場するのもアリだし。こうやって、物語は順序良く “繋がり” を作りながら紡いでいくべきだと思うが…
勇に言ったことを、るいはいつも思っていると描いていれば
これ、伏線だ、回収だとか言う前に、そんなの関係なく、ただただ単純に時間軸に沿って、安子から るい、るいから ひなたへ、話を繋げて行くだけで良かったと思う。特に、るいに関しては。母への暴言が気になって仕方が無いなら、今回で勇に言った次のことを、いつも心のどこかに抱えて悩んでいたと描けば良かっただけ。
るい「やっと… あの時 閉ざした戸を 開けようという気になった」
母の現在を知りたくなったら、すぐに雉真家や豆腐屋「水田屋とうふ」に聞きに行くとか。そう言う描写をワンカットでも入れておくだけで “繋がり” が見えたのだ。
それをやらずに、いきなり母子で「カムカム英語」を歌い出されても、後出しジャンケンにしか見えないし、唐突過ぎて “ドラマの世界” へ入り込めない。まあ、今さら言ってもしょうがないが。
あとがき(その1)
う~ん。折角、勇役を目黒祐樹さんが演じておられるので、“ナレ死” しちゃう前に「描かれなかった、るいの中高生時代」が語られ描かれると期待しましたが。何だか、断片的な文学的な語りみたいな台詞のやり取りばかりで、何一つ明確にならず、予想通りに “曖昧のまま” 終わってしまいました。あ~あ…
あとがき(その2)
先週の金曜日にお約束していた「伏線と回収」についての投稿をしました。下記にありますので、興味のある方は読んでみて下さい。それと、非公開コメントで分かったことですが、意外と『【補足】「伏線」と「フラグ」「前振り」「布石」の違い』について関心がある読者さんが多いことを知りました。確かに、ちょっと分かり難いですもんね。
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16678/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51 52 土
第12週『1963-1964』
53 54 55 56 57 土
第13週『1964-1965』
58 59 60 61 62 土
第14週『1965-1976』
63 64 65 66 67 土
第15週『1976-1983』
68 69 70 71 72 土
第16週『1983』
73 74 75 76 77 土
第17週『1983-1984』
78 79 80 81 82 土
第18週『1984-1992』
83 84 85 86 87 土
第19週『1992-1993』
88 89 90 91 92 土
第20週『1993-1994』
93 94 95 96 97 土
第21週『1994-2001』
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