DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~〔全9話〕 (第9話/最終回スペシャル54分拡大・2022/3/20) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第9話/最終回スペシャル54分拡大『最終回スペシャル! 水中バトルの結末は? 15分で爆発! 瀬能を助けろ!! 隊長の命も!? 日本を守るためDCUが命をかける感動巨編 過去の謎? 犯人は誰? 涙の訳は? 今夜完結』の感想。
「G20東京サミット海上警備準備本部」の指揮を任された新名(阿部寛)は、佐久間(佃典彦)に成合(吉川晃司)が狙う情報が入ったフロッピーディスクと鍵について説明。佐久間は新名に内通者の情報を伝え、フロッピーを厳重に守られたセーフルームに隠す。同じ頃、早川(春風亭昇太)は森田(岡崎体育)にある指示を下していた。そんな中、真子(市川実日子)は成合に電話をかけ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:青柳祐美子(過去作/連続テレビ小説「こころ」) 第1,2,3,4,5,6,7,8,最終話
小谷暢亮(過去作/闇の法執行人) 第1,2,3,4,5,6,7,8,最終話
谷口純一郎(過去作/半沢直樹2020) 第1,5話
小澤俊介(過去職/ヤメ検の女シリーズ) 第2,6,7,8話
脚本協力:宮本勇人(過去作/高嶺のハナさん) 第1,2,3,4,5,6,7,8,最終話
演出:田中健太(過去作/半沢直樹、小さな巨人、陸王、下町ロケット) 第1,2,5,8,最終話
青山貴洋(過去作/下町ロケット2、インハンド、グランメゾン東京、天国と地獄) 第3,4,6,最終話
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、陸王、ブラックペアン、半沢直樹2020、日本沈没2021) 第7,最終話
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、オー!マイ・ボス!、ドラゴン桜2)
主題歌:Lizabet「Another Day Goes By」
共同制作:シェット・インターナショナル(本拠地:イスラエル)
ファセット4メディア(カナダのテレビ番組制作・配給・出資会社)
そもそも海保でも、DCUでなくも出来ることを描くのが間違い
序盤から、はてなマークの連続で。そもそも論として、なぜ、水中の捜査に特化した架空の組織「DCU(Deep Crime Unit/潜水特殊捜査隊)」と言う今作の 《初期設定》 を活かした物語を創らないのか? ってこと。お金を貰った仕事として書いているプロの脚本がすく数人も寄ってたかっているのに… だ。
今回の序盤からのエピソードだって、まず、DCU案件である必要が無いし、それ以前に海上保安庁と警視庁が連携すれば出来る程度のことでは? そう、時限爆弾を探して解除するとか、設計図を盗む盗まれないとか、海保でなくても、DCUでなくも出来ることなのだ。ここが、最大の間違い。
もはや、極限的に言ってしまえば、完全に 《初期設定》 を無視していると言っても過言ではない。
最大に困ったのは"引っ張り過ぎ"! 54分拡大必要無し…
とにかく、予算がついているから、予算内で派手なことをやって、騒動を騒動らしく描いて、「海外プロダクションと共同制作」の名に恥じぬようにゴージャスに見えるようにやってはいるが。
見る人が見れば、スタジオセットも “張りぼて” まる出しだし、とにかく美術や映像が呆れる程に安っぽい。もちろん、初期設定を活かしていないストーリーも安っぽいが…。やはり、最大に困ったのは “引っ張り過ぎ” だってこと。54分拡大って? トッピング、要らなかったのに…
究極の選択として設計図を捨てちゃえば良かっただけでは?
さて、最終回のエピソードについても、一応ツッコミを入れておくと…。これ、海保が狙われているわけでも、DCUの解散を企てられているわけでもなくて、単純に「設計図がテロに盗まれて悪用されたら困る」と言う案件なのだから、だったら “捨てちゃえ” が良かったのでは? ってこと。
今回を見た限りで、“捨てたらダメ” と言う理由が見つからなかったから。一度、破棄してダミーを盗ませて、犯人を追跡すれば良かったのでは? だって、爆弾を何十発も仕掛けて奪う位の重要な “もの” なら、究極の選択、日本の安全と言う意味でも “捨てちゃう” のも十分に選択してアリだと思うが…
正に 〔船頭多くして船山に上る〕 を絵に描いたような作品
ここで、総括。とにかく、もう少し面白く創れなかったの? と言いたい。これが、朝から約2時間も見て感じた正直な感想だ。これまでの感想でも何度も書いたが、正に 〔船頭多くして船山に上る〕 を絵に描いたような作品だった。
複数名で書いているからなのか、全員で集まって納品前に精査していないからなのか分からないが、如何せん… 無駄が多過ぎた。これに尽きる。その上、散々、成合(吉川晃司)だ、国際テロ組織だと騒いでおいて、最終的に DCU関係者の佐久間(佃典彦)が成合を裏切って新名(阿部寛)を殺害しようとする… って?
新名を殺すだけなら国際テロ組織なら “瞬殺” 出来るのでは? それとも、それが出来ない位のテロ組織だから、全部失敗したってこと(苦笑) いやぁ、これだけ消化不良なエンディングをくっつけられても困る… としか言いようがない!
あとがき
こんなストーリーなら、最初から “縦軸” なんて必要なかったと思いますよ。もちろん、「水中の捜査に特化した架空の組織」と言う設定も。
公式サイトに『TBSがハリウッド大手制作プロダクションと共同制作!世界を見据えたタッグで日本ドラマ界に新たな“潮流”を巻き起こす!水難事故とそこに隠された謎に迫るウォーターミステリー!』と書いてありますが、一体どこが? って感じでした。
その上、最終回のラストは、まるで評判次第では「スペシャル」や「劇場版」も見据えています! 的な匂わせも何だかなぁって感じでしたし。その前に、もっと本編を本気で創って欲しかったです。2作連続でこんな体たらくでは、『日曜劇場』枠の存続も危ういような…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16677/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話
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