連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第91回・2022/3/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第91回〔全112回〕/第19週『1992-1993』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
大月家がテレビを買い替え、桃太郎(青木柚)が最後の夏に向けて野球の練習に励む頃、いよいよ本格的な時代劇存続の危機が訪れます。ひなた(川栄李奈)は外国人観光客をターゲットにした映画村ツアーを提案しますが、上司の反応はいまいち。「時代劇を救ってほしい」というかつての虚無蔵(松重豊)の言葉が、今になって重く心に響きます。帰宅したひなたは、るい(深津絵里)が外国人客と英語で話しているところを目撃して…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12,19週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
何とも、わざとらしくて、作為的で、ぎこちなく、不自然…
「主人公は、映画村の存続のために、外国人客向けの英語ガイドツアーの勉強のために、さっさと英語学習を始めた方が良い」と、ここ数日言って来たが。実際に、それを目の当たりにすると、何とも、わざとらしくて、作為的で、ぎこちなく、不自然なのだろう…
るい(深津絵里)が8分頃に「何でて 毎朝 ラジオの『英語会話』聴いてるからやろか」と言いながら、17年間も早朝にラジオに合わせて声を出して、英語の勉強をしていて、それを主人公ひなた(川栄李奈)は知らなかった。ここに疑問を抱く人もいるだろうが、そこを否定したら、これまでの約5か月間を否定するのと同意だから止めておく。
もっと<ラジオのある家庭生活>を強調すべきだった!
そして、頭を切り替える。「ひなただから… そう言うこともある」って。そうなると、違った価値観が見えて来る。そう、るいは “17年間も” 朝早くからラジオを聴いていたなら、もっと<ラジオのある家庭生活>を強調すべきだったのでは? と。
別に、英語講座まで欲張るつもりはない。ここ最近のように<テレビのある家庭>ではなく、<ラジオのある家庭>を描くべきだったのでは? と思う。だって、公式サイトの番組紹介欄の≪物語≫には、次のように書いてあるのだから…
3人のかたわらには、ラジオ英語講座があった
それだけでは無い。最後は、次の文章で括られているのだ。
ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろすオリジナルストーリー
この際、稚拙な"回収"なんて、どうでも良い。どうせやっても…
もう、残りが1か月しかないから、多くは期待しない。当初の目論見とは違っても、しょうがないとも思う。コロナ禍だし、話数も減ったわけだし。だから、出来ないと分かっていることに、完全も、完璧も要求つもりはない。
だからこそ、「とは言っても、もう少し頑張って…」と言う “エール” を送りながら、明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)と願って、観て来たのだ。
従って、この際、稚拙な “回収” なんて、どうでも良いのだ。拙速にやったところで、“連ドラ” としては “その場凌ぎ” の印象しかないのだから、“回収” と評価するほどのものでは無いのだから。
回転焼き屋の店内には常にラジオが流れていて、そこで会話をするだけで良かったのだ…
では、本作は、どうしたら良かったのか?
誤解を恐れずに言えば。店の営業中は、店内でラジオが常に流れていて、その中で、大月家が入れ代わり立ち代わり “会話” するだけで良かったのだ。
食事中はテレビでも良い。屋外のロケ撮影のシーンや、映画村のセット内のシーンでの会話も何だっていい。虚無蔵(松重豊)が何を喋ろうと、モモケン(尾上菊之助)が感動しようが、五十嵐(本郷奏多)が「文ちゃん」と呼ばれようと、どうでも良いのだ。
まあ、極端な例だが、言ってしまえば、「大月屋の店の前」はギリOK。店内は余裕でOK。そう、回転焼き屋のあのテーブル席の一角のシーンの時だけで良いから、常にラジオを流して、会話させるだけで良かったのだ。
それなら、撮影終了後も編集で音を被せるだけで出来たはず。それをやって来なかったから、今回のような、何とも、わざとらしくて、作為的で、ぎこちなく、不自然な展開になるのだ。
改めて、「安子編」は良く出来ていた… と思う
そう考えると、やはり「安子編」は良く出来ていた。まあ、最初のパートだから「取り敢えず、詰め込んでおけば…」と言うのもあるが。とは言っても、「安子編」は、「英会話」、「ラジオ英語講座」、「あんこ」、「野球」、「ジャズ」は、上手く盛り込んでいた。
しかし、「るい編」は、「ジャズ」だけ残して “恋バナ” で穴埋めした。そして、「ひなた編」は、「ジャズ」を捨てて「時代劇」に入れ替えた。だから、「安子編」と「ひなた編」が繋がるはずは無いのだ。
喜ぶのは早計。まだ、ヒロインに「英会話」が"久し振りに帰って来た"だけだから…
と言うことは “回収” も在り得ないってこと。だが、今回で、漸く「ひなた編」に「ラジオ英語講座」をきっかけに「英会話」が戻って来た。しかし、厳しいようだが、こんなのは、先日の濱田岳さんが “久し振りに再登場” したのを、妄信的に「回収だ」と騒ぐのと一緒。
そう、今作のヒロインに「英会話」が “久し振りに帰って来た” だけなのだ。 問題は、この「英会話」が、どう「映画村の存続」に影響を与え、「時代劇の存亡」に波及し、結果的に「あんこ」、「野球」、「ジャズ」に帰って来るのか… なのだ。
あとがき
折角、「いつかは、『安子編』の感動を再び、三度…」と思って、毎朝観ては、感想を投稿している私としては、今回の不自然な “後出しジャンケン” を見て、「どうやら、脚本家は本気で店じまいの準備に入ったかな?」と思いました。でないと、あそこまで書けないと思うので。
あとは、演出が不必要に『サラダ記念日』やテレビを推すから、おかしく見えるのです。
今日も、中盤で大月屋に外国人客が来店した時の母と娘の会話のバックにラジオを流せば良かったのです。そうすれば、ひなたの「お母ちゃん 英語ペラペラやん」も「もはや アメリカ人やん」にも説得力が生まれたし。それが無理でも、少なくとも「るい編」と「ひなた編」が繋がったのに。残念…
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
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