侵攻続くウクライナ舞台の名作映画「ひまわり」ロケ地もロシア軍支配下に…50周年HDレストア版、緊急上映! 収益の一部を寄付

©1970 - COMPAGNIA CINEMATOGRAFICA CHAMPION(IT) - FILMS CONCORDIA(FR) - SURF FILM SRL, ALL RIGHTS RESERVED.
2つのエンターテインメント作品で、侵攻が続くウクライナに思いを馳せてみた
ウクライナがロシアの侵攻を受け戦場となっている。難しいことは分からないし言うつもりはない。しかし、想像の翼を広げて、考えることはできる。そこで、当ブログらしいか分からないが、エンターテインメントの世界から、侵攻が続くウクライナに思いを馳せてみた。そして、2つの作品を取り上げようと思う。
有名なミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』
まずは、有名なミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』だ。
舞台は、20世紀初頭の帝政ロシア領となったウクライナの小さな村(シュテットル)であるアナテフカ。牛乳屋を営むユダヤ人一家(テヴィエと妻、5人の娘たち)は、ロシア人から迫害を受けながらも、ユダヤ教の戒律を厳格に守って慎ましくも幸せな毎日を送っていた。
しかし、「ポグロム」と呼ばれるユダヤ人に対し行なわれる集団的迫害行為(殺戮・略奪・破壊・差別)は次第にエスカレートして行き、テヴィエ一家は着の身着のまま住み慣れた村から追放され、仲間たちとの別れを惜しみながら、僅かな荷物を荷車に積み、親戚を頼ってアメリカのニューヨーク(原作では、イスラエルへ帰還する)に向かうところで物語は終わる。
過酷な運命にも負けず、ユダヤ人としての “宿命” を受け入れ、新天地での生活に踏み出す勇気と力強さを感じる作品だ。
ウクライナを舞台にした1970年公開の名作映画『ひまわり』
また、ウクライナを舞台にした映画として有名なのが、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演した1970年公開の映画『ひまわり』だ。
第2次世界大戦で行方不明となったイタリア軍人である夫の生存を信じるイタリア人の妻が、激戦の地ウクライナを訪れる。しかし、やっと捜し出した夫はウクライナの女性と新たな生活を送っていた。戦争によって引き裂かれた夫婦の悲哀を描いた名作で、ウクライナの国花 “ひまわり” の畑が画面いっぱいに広がるラストが印象的だった。

©1970 - COMPAGNIA CINEMATOGRAFICA CHAMPION(IT) - FILMS CONCORDIA(FR) - SURF FILM SRL, ALL RIGHTS RESERVED.
そして、劇中で地元の女性が、美しいひまわり畑を前に「イタリア兵とロシア兵が埋まっています。ドイツ軍の命令で穴まで掘らされて。ひまわりやどの木の下にも麦畑にもイタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています。そして無数のロシアの農民も老人、女、子どもたちも…」と衝撃的な言葉を言う。
そして、この映画のロケ撮影が行われたヘルソンの町は、ウクライナの首都キエフから南へ500キロメートルほどの所にあり、今回のロシア侵攻によって軍に制圧されたと言う。
戦争で大きな被害を受けるのは、敵や味方に関わらず、常に"普通の人たち"
この2つの作品から言えるのは、戦争で大きな被害を受けるのは、敵や味方に関わらず、常に “普通の人たち” だと言うこと。そして、今現在、ウクライナで起こっていることは、小説やミュージカルや映画などの架空の話でなく、現実だと言うことを、改めて認識しないといけない。
毎日、流れて来るニュース映像の中の、隣国のポーランドやハンガリーなどに避難している人々の「悲憤慷慨」や「絶望」や「憔悴」、そして、祖国で戦うために残っている夫や息子、父親への「不安」と「懸念」が、痛々しく切なく、心が痛む…
映画『ひまわり』の「50周年HDレストア版」が、3月末から緊急上映決定
ロシアの侵攻が始まると、SNS上では “ひまわり” の写真やイラストが連日投稿され、ウクライナの安全と平和を祈る投稿も相次いでいる。そんな日本国民の言動が社会を動かしたのだろう。ロシアのウクライナ侵攻を受け、映画『ひまわり』の「50周年HDレストア版」が、3月末から緊急上映されることが決定した。
上映の収益の一部は、ウクライナの人々の人道支援のために、在日ウクライナ大使館に寄付される。なお今回は、2020年に日本劇場公開50周年を記念して製作され、パッケージ化や配信がされていないHDレストア版で上映される、貴重な機会となる。
「ひまわり(1970)」(50周年HDレストア版)の上映劇場と日程は、以下の通り。
※公式ツイートより
●上映劇場
・3月19日~25日 大阪・シアターセブン
・3月28日~4月8日 新潟・高田世界館
・4月16日~22日 神奈川・横浜シネマリン
●自主上映会
・3月21日 栃木・日光市今市文化会館
・3月24日 秋田・秋田市文化会館小ホール
・4月16日 福岡・福岡市男女共同参画推進センター、アミカス(九州シネマ・アルチ)
あとがき
映画『ひまわり』を、まだご覧になったことのない読者さんは、この上映の機会に見るもよし。ブルーレイや DVD で初鑑賞しては如何でしょうか? また、ウクライナへ人道支援したいけれど、どうした良いのか分からない読者さんは、下記の投稿を参考になさって下さい。
【緊急提案】ウクライナ人道支援 支援・募金・寄付できるサイトまとめ
最後に。この投稿が、多くの人に、ウクライナの現状、プーチン政権下のロシアを冷静に考えるきっかけになりますように…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16626/
- 関連記事
-
- 管理人が【超おススメ】の映画『ドリーム』(NHK総合で3月12日深夜放送予定)を見ようと思われた方へ ※劇場公開時の感想あります! (2022/03/09)
- 【超おススメ】NASAを支えた知られざる黒人女性3人の勇気と感動の実話に基づくサクセス・ストーリー!映画『ドリーム』NHK総合で3月12日深夜放送 (2022/03/09)
- 侵攻続くウクライナ舞台の名作映画「ひまわり」ロケ地もロシア軍支配下に…50周年HDレストア版、緊急上映! 収益の一部を寄付 (2022/03/06)
- 【40歳代以上限定】主題歌のイントロでグッと来る、80年代前半に胸キュンした青春恋愛映画5選 ※管理人みっきー責任監修 (2021/06/21)
- 今夜,地上波初登場! 映画『ボヘミアン・ラプソディ』を楽しむ7つの推しポイント (2021/06/04)