連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全23週〕 (第18週/土曜日版・2022/3/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第18週『1984-1992』の
『土曜日版』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
いよいよ迎えた「妖術七変化!隠れ里の決闘」の敵役オーディション当日。大部屋俳優の五十嵐(本郷奏多)と虚無蔵(松重豊)は、ペアで殺陣(たて)を披露することに。ひなた(川栄李奈)も、謎の振付師・サンタ(濱田岳)とともにオーディションの様子を見守る。見事な殺陣を披露する二人。すると突然、審査員席に座っていたモモケン(尾上菊之助)が立ち上がり、虚無蔵に手合わせを申し出る。そしてついにモモケンと虚無蔵、二人の因縁の真相が明らかになるのだった。オーディション終了後、ひなたはモモケンから話がしたいと呼び止められる。かつて父親との関係にわだかまりを抱えていたモモケンは、映画村のサイン会でひなたから「大月」の回転焼きをもらったことで、運命が大きく変わったのだと語る。まさかの事実に、ひなたは驚きつつも誇らしく思うのだった。そしてついにオーディション結果が発表されて...
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
「モモケン VS 虚無蔵」の確執のくだりの編集は上手かった
冒頭の「桃山剣之助(尾上菊之助) VS 伴虚無蔵(松重豊)」の確執のくだりは、驚くほどに本編の雑で意味不明な演出と分かり難い編集が嘘のように、上手く編集されていた。
あれ位に分かり易く、且つ、コンパクトにまとめたら、「なぜ『カムカムエヴリバディ』に時代劇!?」なんて “虚無感” に襲われずに、少しは二人の殺陣の芝居を堪能できただろうに…
今週の前半の大失敗は、不自然に"謎の振付師"を"登退場させた"こと
結局、大きく時間経過する以前の大問題は、明らかに、不自然に “謎の振付師・サンタ(濱田岳)” を織り込ませたことだ。
確かに、“連ドラ” として、「安子編」での “重要な登場人物の一人” である “算太に似たサンタ” を登場させるのは、完全に間違っているとは言い難い。ただ、私は “ほぼ間違い” だと思っている。
ひなたと算太がほぼ無関係な上、「サンタ=算太」が曖昧では説得力不足…
その理由は、サンタではなく算太が、現行の「ひなた編」の主人公・ひなた(川栄李奈)とは、ほぼ無関係なキャラクターに成り下がったままだからだ。
その上、まだ、サンタの登場から退場までの間に、ひなたと母・るい(深津絵里)の間で算太おじさんの存在が話題になったりしていれば別だが、それも無く、結果的に「サンタ=算太」なのかも曖昧なまま退場させたから。
だから、サンタが “あんこのおまじない” を連呼しようが、それに感動したモモケンを描こうが、物語そのものに説得力が無いのだ。
ファンタジーとリアリティーが混在した段階で、連ドラとして破綻している
サンタを登場させたことが “ほぼ間違い” だった理由は他にもある。それは、何度も書いて恐縮だが、本作は “連ドラ” だからだ。そう、連ドラは “繋がっている” のだ。
なのに、<サンタ>と<あんこのおまじない>が存在する世界だけ “ファンタジー” で、それ以外が “リアリティー” と言うのは、普通はやらないのだ。もちろん、上手く混ぜている作品はあるが。今作は、上手くやっていない。と言うことは、その時点で “連ドラ” として破綻していると同義なのだ。
後半は見事な位に"ヒロインの恋バナ"に見えるように編集!
そして、そんなことは無かったように、ダイジェスト版の後半は、見事な位に “ヒロインの恋バナ” に見えるように編集されていた。本編では、五十嵐(本郷奏多)の世にも奇妙な箸の持ち方も “武士の情け” でカットされ、ダラダラした印象も、唐突な印象も少なめになって、ひなたの “次への第一歩” が描かれた感じになっていた。
まあ、それだけ本編が雑で無駄が多かった証でもあるが。それでも、ダイジェスト版で出来るなら、本編でやって欲しかった。本編と差し変わっていたら、もう少し普通に “ヒロインの恋バナ” として見られたと思う。
あとがき
予告編… 昨日、ネットで見て呆気に取られ、今日、テレビで見てポカ~ンと開いた口が塞がらなかったです。あれで、脚本家や演出家は納得しているのでしょうか? まあ、それこそ、あれが “回収” のつもりなのだとしたら、更に開いた口が塞がらりません。
金曜日のガンジーさんのコメント(直リンク)、「ドラマとして面白くてはじめて伏線回収が生きてくるのでは?」に対して、私は次のようにお答えしました。
伏線は「回収されている」と視聴者に気付かれて時点で、プロの仕事では無いような… 何気なく回収して、後で見てから「なるほど…」と思わせるものだと思うのです。
今朝も、【非公開希望】の Web拍手で「(最近は)“ネタの前振り” と “伏線” が混同されているような…」と言うコメントを頂きました。正に、その通りです。あの予告編を見た限りではありますが、あれって、「安子編」と「ひなた編」を無理矢理に “繋げた” だけですよ。あれを、伏線だとか回収だとか言うのは、次元が違うと思います。
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/16624/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51 52 土
第12週『1963-1964』
53 54 55 56 57 土
第13週『1964-1965』
58 59 60 61 62 土
第14週『1965-1976』
63 64 65 66 67 土
第15週『1976-1983』
68 69 70 71 72 土
第16週『1983』
73 74 75 76 77 土
第17週『1983-1984』
78 79 80 81 82 土
第18週『1984-1992』
83 84 85 86 87
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