連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第86回・2022/3/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第86回〔全112回〕/第18週『1984-1992』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
ひなた(川栄李奈)と五十嵐(本郷奏多)は、完成した映画「妖術七変化!隠れ里の決闘」を一緒に観に出かけます。大月家に帰ってきてもなお興奮冷めやらぬ様子の二人を、るい(深津絵里)や錠一郎(オダギリジョー)は微笑ましく眺めるのでした。それから7年の時が流れて、1992年。ひなたの弟の桃太郎(青木柚)は高校に入学し、ひなたは27歳になりました。時代劇や映画村を取り巻く環境は大きく変化していて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
特に気になったところを、3つだけ…
どこからツッコミを入れたらよいのか分らない程に、あちこちに違和感が。まあ、一つひとつ突っ込んでも良いのだが、いちいちやっていると面倒なので、特に気になったところを、3つだけ…
「1992年」の"結婚事情"の描き方が気になって…
1つ目は、前回の感想で書いた、前回で、この先で描くべきことが渋滞しているから、目的地へ一っ飛びするために作った “抜け道” を走って到着した一番近い目的地(休憩地点か?)である「1992年」の描き方。
個人的なことを書くが、1992年は結婚もしていたし、帝国ホテル東京でバリバリ仕事を始めた頃だから、当時の経済状況や結婚事情も肌で感じて覚えている。その意味では、当時は大卒でキャリアウーマン的に働いている女性以外は、27歳だったら結婚している可能性が高い。
当時は、今では考えられないが「女性の今期を、クリスマスケーキの売れ残り」に平気で例えていた時代だから。女性の今期が30代中心になったのは、バブル崩壊後の氷河期の90年代後半。もちろん、全員が… と言うわけでないが、一般的にそう言う時代だってってこと。
ひなたが"相変わらず"映画村で働いていると言う描写が気になって…
そして、2つ目。婚期なんて個人的に差があって当然だから、ひなた(川栄李奈)は “ひなた” で問題ないのだが。問題があるのは、次のナレーション。
N「ひなたは… 相変わらず 条映映画村の業務部に勤務しております」
脚本家が何の意図があって、敢えて冒頭に「相変わらず」と添えたのか分からないが。これ、2つの意味に受け取れる。1つは、本来は、別の仕事をやりたい(やる予定)が、今は “条映映画村の業務部” で働いていると言う、先の展開を暗示させいと言う意図。
もう1つは、ひなたが “条映映画村の業務部” の仕事を、本当は嫌々やっているって感じを醸し出していることに、脚本家が築いていないパターン。
ここ、「ひなたは… 相変わらず」でなく、「ひなたは… 今も」で良くないか? いや、その方が、将来が見えない高3の時に、何とか就職できた “条映映画村の業務部” なのだから “有り難味” を醸し出すような台詞にした方が良かったと思う。
いいや、その後の、条映映画村の存亡の危機に立ち向かうであろう主人公ひなたのことを考えれば、そう描くべき。こう言う細かい表現に気を使って欲しい。まあ、本来なら、ナレーション録りの際に演出家が気を遣えば良いのだが…
五十嵐の箸の持ち方と、るいの赤いバッグが気になって…
ここから、3つ目。何せ、五十嵐文四郎(本郷奏多)のあの “奇妙な箸の持ち方” を許容しちゃってる今作だから、これ以上に要求しても無理だとは思う。あの橋の持ち方が演技なら、「そりぁ、五十嵐には大役は来ないわなぁ」って思うが。
そこにツッコミを入れたら、時代に関係なく、息子の高校の入学式に行く母親として、るい(深津絵里)が持っていた “真っ赤なハンドバック” は在り得ないし、錠一郎(オダギリジョー)のド派手なネクタイを見たら「音楽やれば?」と言いたくなってしまった。まあ、いろんな意味での “センスが普通とは違う” と言う大月家を描きたいなら、話は別だが…
<妻が営む回転焼き屋の収入だけで、親子4人が生活出来ている世界観>だから?
とにかく、撮影費用が嵩むから、バブル時代はすっ飛ばしたのだろう。そこは別に気にならない。しかし、少なくとも「8年の時間経過」を、「文ちゃん」の呼び方と、成長した桃太郎だけに押し付けて、視聴者に納得させるのは酷な話。
とは言っても、毎日行列が出来ているわけでも無いのに、<妻が営む回転焼き屋の収入だけで、親子4人が生活出来ている世界観>だから、あちこちツッコミを入れても、意味が無いわけだが。それでも、もう少し丁寧に “時代” を描いて欲しかった…
「100年の物語」だから、"55歳のひなた"まで、この調子で描くの?
さて、今回の総括を。大きく時間経過して、人間関係も変化したから、今回が「ひなた編」の “折り返し地点” ってことだろう。恐らく、ここからの「後半戦」でメインに描かれるのは、「ひなたと五十嵐の関係」になるはずだ。だって、「三世代、100年の物語」だから。
安子(上白石萌音)が生まれた1925年(大正14年)を起点にすれば、2025年までは描くわけ。となると、残りが “28年” もある。と言うことは、必然的に “ひなた55歳” までを描くってことになるのだが…
「ひなた編の前半戦」は"ほぼ何も無かった"から後半戦も…
とは言え、今後も結婚、出産、子どもの結婚と進むと考えれば、当然、残りの放送(約1か月)で次々と起こる “人生のターニングポイント” を描くためには、今後も、それなりの時間経過はあるだろう。まあ、結婚以降は “エピローグ” になるだろうが。
それにしても、振り返ってみれば、「ひなた編の前半戦」は、“ほぼ何も無かった” ような。ただ、るいの娘が時代劇好きで、映画村に就職して、大部屋俳優と良い仲になっただけで、中身はすっからかんだったから、「後半戦」も、これが続く可能性は大いにあると思う。だって、<妻が営む回転焼き屋の収入だけで、親子4人が生活出来ている世界観>だから(苦笑)
あとがき
今回で大きく時間経過しましたけど。時代劇衰退と共に、伴虚無蔵(松重豊)も、存在そのものが謎だらけの振付師・サンタ(濱田岳)も静かにフェードアウトなんでしょうか?
そして、唐突に、ひなたと文ちゃんの “恋バナ” ですか。時代劇衰退よりも、朝ドラの劣化、衰退の方が大問題のような… もう少し、しっかりと作り込んで欲しいです。それと、クレジットに載っているのですから「所作指導 藤間豊宏」には、きちんと仕事をして頂きたいです。先日から、五十嵐の箸の持ち方が気になって気になって…
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
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【これまでの感想】
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