連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第83回・2022/2/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第83回〔全112回〕/第18週『1984-1992』の感想。
※ 本作は、2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も毎日変わります。ご理解を。
いよいよ迎えた「妖術七変化!隠れ里の決闘」の敵役オーディション当日。大部屋俳優の五十嵐(本郷奏多)と虚無蔵(松重豊)は、ペアで殺陣(たて)を披露することに。ひなた(川栄李奈)も、謎の振付師・サンタ(濱田岳)とともにオーディションの様子を見守ります。見事な殺陣を披露する二人ですが、突然、審査員席に座っていたモモケン(尾上菊之助)が立ち上がり…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
石川慎一郎(過去作/オーディオドラマ「極楽プリズン」、閻魔堂沙羅の推理奇譚) 第18週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
撮影終了のお知らせ
今回の感想を書く前に。2022年2月26日、NHK大阪放送局で撮影が終了した。従って、いつも通りに、クランクアップしてしまったら、期待しようが何しようがなるしかないため、最終回までは、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴だけの感想になると思う。
放送開始直後には名が無かった石川慎一郎氏が演出担当に
さて、多くの読者さんが今回のアバンタイトルを見ただけで、お気づきになったと思う。「先週と違って、今週の演出は、アバンタイトルと主題歌が親密にリンクした感じがしないなぁ」と。その通り、私の期待も虚しく、今週の演出担当は今作のメイン監督・安達もじり氏でなく、放送開始直後には名も無かった石川慎一郎氏が担当になった。
「五十嵐と虚無蔵、どっちが勝つの?」に答えていない
せめて、最初の殺陣の披露のシーンに、週の始まりの月曜日で、視聴者は「五十嵐と虚無蔵、どっちが勝つの?」と言う期待感で見ているのだから、途中から映画になっているような映像にして、映画風の劇伴や効果音を入れて編集して盛り上がれば良かったと思う。
それをやらずに、無音で見せて、中盤で主人公・ひなた(川栄李奈)と謎の振付師・サンタ(濱田岳)の覗き見を入れて、近著間を削いでから、しんみりした劇伴を付けて主題歌に繋げても、何の期待感も高まらないし。いや、むしろ、「だから、何なの?」と言う疑問符が浮かばせてしまう。う~ん、今週の演出は困ったことになりそうだ。
「虚無蔵 VS モモケン」の映像処理を「五十嵐 VS 虚無蔵」でやれば良いのに…
主題歌明け、う~ん。遅い! 虚無蔵(松重豊)とモモケン(尾上菊之助)の殺陣でやった演出(映像処理のこと)を、「五十嵐 VS 虚無蔵」の時にやらなきゃ! それでこそ、二組の殺陣の対比が面白くなるのに…
サンタが絡んだ描写が"現実"なのか"妄想"なのか判断し難くい
それをやらずに、場面は、いつの間にか試写室へ? いや、そもそも “サンタ” が “算太” なのか、悉く曖昧にしたまま物語を進めているから、サンタが登場してから、サンタが絡んだ描写が “現実” なのか “妄想” なのか判断し難くなっているから、土台がふにゃふにゃの上で何をやっても、良く分からないのだ。
“サンタ” が “算太” なのか、先送りする理由は分からないが、少なくとも、脚本家自身が曖昧にしているから、脚本家自身が、あれこれ “重ね” て “回収” したくても出来ないのは間違いない。そう、過去と今を重ね切って描けないのだ。こんなの、さっさと “同一人物” なのか “赤の他人” なのか明瞭にしたら良いだけのこと。
今更、引っ張ったところで何てことは無い。むしろ、話が進んでいる印象を与える意味でも、早急に明確にしちゃえば良かったと思う。
月曜日なのに、主人公そっちのけの物語を描くことへの不信感と違和感
演出家が劇伴に頼らない演出を模索しているなら、それそれで評価したい。しかし、どうも演出が迷走しているような。特に終盤の虚無蔵とモモケンのやり取りの部分。これ、好意的に解釈すれば、納得は出来る。「面白い!」と思って見ていれば、納得できる。
でも、そうでないと、違和感がある。その理由は、今回の大半を割いて描かれたことが、「大部屋俳優・伴虚無蔵物語」なのか「二代目モモケン・桃山剣之助物語」なのか曖昧だからだ。だから、どっちに共感して良いのか分かりづらい。「だったら両方」と言う考え方もあるが…
それだと、五十嵐の入る隙間が無い。五十嵐を絡めないと「大月ひなたの物語」にならないからだ。要するに、週明けの月曜日なのに、主人公そっちのけの物語を描くことへの不信感と違和感によって、「大部屋俳優・伴虚無蔵物語」も「二代目モモケン・桃山剣之助物語」も、どっちでも良いって感じに思えてしまうのだ。
その意味でも、連ドラとして破綻しかけているように思う。
あとがき(その1)
ネットニュースや、そこへの書き込みコメント、SNSなどを読んでいると、“回収” と言う言葉があちこちに乱立していますが。これまでも書いて来ましたが、「ネタの回収」なんて、これ見よがしにやるのや野暮な脚本家がやってご満悦になることと、妄信&熱心な視聴者が要求して満足するだけのことなのですよ。
今作は “回収” 以前の、“連ドラとしての連続性や繋がり” が描けていないのです。もう、回収以前の問題です。まずは、「100年に亘る3世代の家族の物語」なら、きちんと “縁” を描くべきです。そのことが結果的に “回収” になるのです。
あとがき(その2)
それなのに、今作は、主人公が交代する度に “新しい要素” を追加し過ぎです。「暗闇でしか見えないものがある」と言うなら「全112回で描けるものには限界がある」のですよ。だから、“新しい要素” を増やせば “過去の要素” を捨てざるを得ません。それが、今作の現実です。
今週は半ばで、また “新しい要素” が増えるはずです。だったら、“サンタ” のことだけでも決着を着けた方が良いと思うのですが。
あとがき(その3)
それにしても、先週とドラマの雰囲気が一転して、あっさり風味になっちゃいましたね(残念…)
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16601/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
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第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
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妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51 52 土
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第13週『1964-1965』
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第15週『1976-1983』
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第16週『1983』
73 74 75 76 77 土
第17週『1983-1984』
78 79 80 81 82 土
第18週『1984-1992』
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