連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第78回・2022/2/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第78回〔全112回〕/第17週『1983-1984』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
条映映画村で夏休みの間アルバイトをしていたひなた(川栄李奈)は、「破天荒将軍」の撮影現場で女優の美咲すみれ(安達祐実)の機嫌を損ねてしまいます。ひなたを止めようとした大部屋俳優の五十嵐(本郷奏多)は、却(かえ)ってさらに大きなトラブルを引き起こし、撮影は中断。しかし、そんな二人の時代劇愛に心を動かされたすみれは、新たな気持ちで次の仕事に向かうのでした。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13,17週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
アバンで良い意味で気になったのが、撮影現場のシーンの作り込みの丁寧さ
アバンタイトルでのテレビ時代劇『破天荒将軍』の撮影現場のシーンが、夕景のシーンの撮影に変わっていた。そこで、良い意味で気になったのが、先週までの撮影現場のシーンの作り込みの丁寧さ。
メイン監督である安達もじり氏の演出らしい、照明の当て方
アバンだけでも幾つかあるが、その中でも誰にも分かり易かったと思われるのが、撮影シーンが “夕方” と言う設定であること分からせるための「夕景に見せる照明」の作り方だ。敢えて先週と比較するキャプチャー画像は掲載しないが。先週の演出家は、「夕景に見せる照明」を “スタジオセット” だけに当てていた。
しかし、今週の演出家は、“スタジオセット” を見ている主人公ひなた(川栄李奈)や映画村職員・榊原(平埜生成)にまで「夕景に見せる照明」を背後から当てている。そのおかげで、先週では感じられなかった “撮影現場らしさ” や “撮影現場の緊張感” が自然に伝わって来た。僅かな変化だが、印象は大きく違う。
そう思ったら、期待通りに演出家が交代して、今作のメイン監督である安達もじり氏の演出だ。これで、ちょっとホッと出来るかも… と思わせるアバンだ。
先週の話が、月曜日の前半まで続いているのに驚いた!
さて、本編。正直言うと、前半の展開に驚いた。なぜって、先週で描かれた女優の美咲すみれ(安達祐実)の機嫌を損ねたひなたと、ひなたを制しようとして逆に大きなトラブルにしてしまった大部屋俳優の五十嵐(本郷奏多)の話が、週明けの月曜日まで続くとは思っていなかったから。
"1回分"を割いて先週と今週の橋渡しをしたのは上手い作戦
それも、先週で描いたことを殆ど振り返らずに、「皆さんは、覚えてますよね」と言わんばかりに、“続き” を描いて来た。「土曜日版」に入れるのかどうかも気になるが、“振り返り” を入れれば諄くなるし、演出が違うから映像的に馴染まない。
しかし、先週のエピソードを完結させて、次に進むためには、ひなたと五十嵐の “時代劇愛” に心を動かされたすみれが、新たな気持ちで次の仕事に向かう姿が無いと締まらない。そこで、演出家が交代する “週替わり” の月曜日で、脚本家が安達もじり氏の演出に “連ドラらしさ” を託して、再度描き加えたと思う。
とは言え、流石に「ひなたと五十嵐の時代劇コント」を盛り込むのは尺を食い過ぎるから、逆に、後半に「五十嵐が大月屋の回転焼きを食べる理由」を描いて、今回の “1回分” を割いて、先週までと今週の橋渡しをしたのだろう。上手い作戦だと思う。
今週(今回)は台詞の有無に関わらず、登場人物の感情にメリハリがあって、感情が伝わって来た
と言うのも、先週は脚本のせいもあるが、多くは演出が原因で、無駄な部分を強調した割に、淡々と進んだ印象が強かったが。今週(今回)は、台詞があった登場人物たちは全員、感情にメリハリがあって、感情が伝わり易かった。
また、台詞の無かった伴虚無蔵(松重豊)の轟監督(土平ドンペイ)と五十嵐への思いも伝わって来たし。更に、五十嵐の「目の前で おばさんが 熱々を焼いてくれた」と言った際の、後ろ姿で回転焼きを焼く母るい(深津絵里)の手が止まって、僅かに五十嵐の声の方を振り返る素振りをさり気なく映して、るいの心情まで描いた。
演出の違いによって、たった15分間の1回なのに、こんなに印象が変わる
そのおかげで、明らかに演出によって “ドラマ” を創ろうとしているのが、見て取れた。まあ、これだけドラマの雰囲気が違うのもどうかと思うが。でも、明らかに、演出の違いによって、たった15分間の1回なのに、こんなに印象が変わるってことだ。
あとがき
事前に、脚本を書く際に、「第○週の演出は、○○さん」と言う情報があるんですかね。まあ、コロナ禍で普段以上に計画的に撮影しなければいけないので、全週分の演出家の割り当ても決まっているのかも? だとしたら、脚本も書き進めるうちに、「○○さんの演出の州だから…」と言う発想もあるかも知れませんね。今回は、そんなことまで気になりました。
ですから、今週に(予告編や、先を知りたくない読者さんもいるので、詳細は書きませんが)“あの人” が久し振りに再登場するのかも? 感情の起伏があるキャラですから、安達さんの演出に似合ってますよ。ちょっと、楽しみになってきました!
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16577/
【これまでの感想】
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