連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第76回・2022/2/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第76回〔全112回〕/第16週『1983』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
高校の夏休みの間、条映映画村でアルバイトをすることになったひなた(川栄李奈)は、休憩所で映画村職員の榊原(平埜生成)と知り合います。榊原は、虚無蔵(松重豊)がひなたを見込んでいることや時代劇が大好きなことを知り、ひなたを大人気時代劇「破天荒将軍」の撮影現場に案内します。そこにはあの無愛想な男・五十嵐(本郷奏多)もいて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7,15,16週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6,14週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
"三大疑問"が頭の中を駆け巡ったまま、気が付いたら<ただの時間繋ぎ>で終了…
序盤から、前回と同様に…
●なぜ、まるで本来はコメディ・ドラマであったかのように、
強引に笑わせようとするのか?
●なぜ、笑わせようとしている部分の、
ほぼ全てがスベっていることに、
撮影中に気付かなかったのか?
●なぜ、ひなたのモノローグ(心の声)を多くして、
わざわざ耳障りで不快な印象にするのか?
この “三大疑問” が頭の中を駆け巡ったまま、気が付いたら、内容は殆どなく、<ただの時間繋ぎ>として、無難に “流し” た15分間だった。
実質的に"筋書き"程度しか内容が無いから"丁寧"に見えない
「感想は、以上。」としては、折角、このブログを読みに来て下さった読者さんに失礼だから、もう少し私なりに掘り下げてみる。
まず、<今回も、内容と言う程の内容が無かった件>について。まあ、今回も… と言うより、今週に入ってから… と言った方が正しいかも知れないが。
これ、ひなた(川栄李奈)が、虚無蔵(松重豊)に時代劇が大好きなことを見込まれて、映画村でアルバイトを始め、映画村職員の榊原(平埜生成)が知り合って、大人気時代劇『破天荒将軍』の撮影現場に案内し、更に無愛想な男・五十嵐(本郷奏多)の素性が徐々に見えて来る… と言う過程を、丁寧に描いている “つもり” なのだ、きっと。特に、脚本家は。
しかし、実質的にも上記の私が書いた “筋書き” 程度しか内容が無いから、“丁寧さ” なんて感じ取れるはずがないのだ。だって、ひたすら “時間稼ぎ” の匂いしか漂って来ないのだから。更に、所々に散りばめられ “小ネタ” も、ほぼ全てスベっているから、ハッキリ言って、見るところが無かった… と、言わざるを得ない。
思い切って『破天荒将軍』を"コメディ時代劇"にしていたら
今作の現時点で「こうした良いのに…」なんて希望を書いても無意味なことは十分承知の上で書くが。これ、大人気時代劇『破天荒将軍』を、思い切って “コメディ時代劇” の設定にしておいたら、どうだっただろう? もちろん、時代劇へのリスペクトをしっかり描きつつ、コメディな時代劇を劇中劇として描くのは至難の業だ。
しかし、現実問題として、全体に小ネタを散りばめて、強引にコミカルな印象に作り込もうと必死なのに、劇中劇だかシリアスだから、アンバランスになるのでは? だから、仕上がった映像が、「真面目な撮影風景を見せているだ」になってしまうのだ。
そこで、『破天荒将軍』を “コメディ時代劇” に仕立ててれば、虚無蔵たちを、“レンズの向こうの人たち” を笑わせようとするのが自然になるから、全体の雰囲気が統一されると思うのだ。そうすれば、ひなたが “小ネタ” で撮影中にツッコんだりしても不思議でないのは?
演出家が脚本家の意図を正しく汲み取らずに、全部ぶち壊している感じ…
結局、まだ木曜日だが。今週は、脚本家は、コミカルに楽しく描こうとしているが、演出家が脚本家の意図を正しく汲み取らずに、全部ぶち壊している感じに見える。
真面目な撮影現場で「コミカルな撮影現場」を撮影するのは、それなりに難しいと思うが、それをやってくれと脚本家が脚本に書いているのだから、演出家はその意図を汲み取って、何とか、撮影現場で帳尻合わせをすべき。
それは、劇中に登場した監督が、女優の美咲すみれ(安達祐実)に急遽 “役” を与えたのと一緒だ。まあ、大人の事情があるから、前回と今回は内容が無くても、「土曜日版」では残すだろうが。
伏線やフラグを作るより、さっさと話を先に進めるべき!
正直、恐らく、全ての要素が何らかの伏線やネタ振り、フラグになっているのだろう。
しかし、笑わせようとしているのに笑えない、英語も羅時もジャズもアメリカも関係ないと言う現状から考えると、伏線だ、フラグだ、回収だ、なんて言っている前に、さっさと話を先へ進めるべき。
せめて、ひなたが家計のためにアルバイトをしていた設定があったなら…
それに、ひなたと言う人物が、普通に食堂でバイトを始めたが、それなら、もっと以前から、家計のためにアルバイトをしながら、時代劇の勉強をしていたとかの設定にしておけば、もう少し好感度が上がったと思う。結局、前回ではないが、ひなたを無理やりに “ばか” や “あほ” にした意味が無い!
あとがき(その1)
今回も、「アラカンの五十倍」と言う台詞が登場しましたが、どれだけの視聴者が、「アラカン=嵐寛寿郎」を知り、「阪妻(バンツマ)」らの「時代劇六大スタア」の一人だったことを知っているのでしょう?
そのような解説も、「安子編」では、ルイ・アームストロングやジャズの解説を上手くやっていましたし、「るい編」でも音楽業界などに関する説明はあったのに、「ひなた編」は無いんですよね。そう言う演出も、作品の統一感として必要だと思います。
あとがき(その2)
私事ですが、1983年は確かに、意外と “部外者” が “関係者” の紹介で、撮影所でアルバイトできたのは、間違いありません。
私も、当時は既に第一線を退いていた松竹映画で有名なある照明技師さんが、通っていた映像学校の “照明” の先生で、「監督になりたいなら、洋ちゃん(山田洋二監督のこと)を紹介してあげるよ」とおしゃって頂き、当時、松竹大船撮影所(今は無い)で撮影・編集されていた映画『男はつらいよ』の撮影スタッフに紛れ込ませてくれて、名も無き下っ端の下っ端の助監督の真似事をさせて頂き、勉強したものです。
あの頃は、本気で「日本のスピルバーグ監督になる」と信じていたんですよね(笑)
あとがき(その3)
明日(2/18)のNHK総合『あさイチ」の『プレミアムトーク』のゲストは、今作の劇伴作曲家で米米CLUBメンバーとして活躍する金子隆博さんです。朝ドラの名シーンと共に振り返る楽曲秘話。「カムカム」あさイチ特別メドレーの生演奏を、外山喜雄さん(ジャズトランペット&ボーカル)らと披露してくれるそうです。
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16564/
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